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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

それでも、アイシテル 3 (R-18)

Posted by 碧井 漪 on   2 

「どんな夢だったんですか?」


「どんな、って・・・」


「陽芽野って言った後、苦しそうにうなされていました。」


「それだけ?本当にそれだけしか叫んでなかった?」


「・・・私って駄目な妻ですね。夢の中でまであなたに不愉快な思いをさせて、本当に・・・ごめんなさいっ・・・」


ぐっ、とパジャマを握り締めた陽芽野は苦しげな表情を浮かべた後、俯いた。


しんとした寝室の中で、瑞樹は思っていた。


僕はこんな顔を君にさせたかった訳じゃないのに。


さっき君を叱ってしまったのは、君のせいじゃない。


不安に駆られた僕の心配が暴走して、ついいつもあんな風に君を責めてしまう。


「陽芽野、綿棒ってある?頭からシャワーを浴びたら、耳に水が入ったんだ。」


パジャマに着替えながら瑞樹が訊いた。


「はい、あります。・・・ここに寝て、耳の中を見せて下さい。」


“いいよ、自分でする”と断られると思いながらも、陽芽野は瑞樹に申し出た。


「うん・・・」


素直にそう答えた瑞樹に陽芽野の心がどきんとした。


どうしたのかしら、今夜は・・・さっきあなたがうなされていた夢は、私の事を怒っている夢ではなかったの?


でも今、彼に頼られる事が、彼の役に立てる事が嬉しい。






灯かりを点けてベッドの上に正座した陽芽野の膝の上に、瑞樹はそっと頭を乗せて横になった。


横を向いて目を閉じた瑞樹の耳たぶに陽芽野は指を添え、そして綿棒で耳の中の水を吸い取るように動かした。


「ん・・・」と瑞樹が声を漏らしたので、


「ごめんなさい。痛かったですか?」と慌てて訊くと、


「ううん・・・」と返事をした瑞樹が、


すん、と鼻を啜り目頭を指で押さえた。


「やっぱり痛かったんですね、ごめんなさい。」


陽芽野は耳を手で包むようにさすりながら背を曲げて、涙ぐんだ瑞樹の顔を覗き込んだ。


「さっきみたいな夢、時々見るんだ・・・」ぽつりと瑞樹が、覗き込んだ心配そうな表情の陽芽野に向かって言った。


「さっきみたいな夢って、どんな夢ですか?」


話すのは恥ずかしいと思っていた瑞樹だったが、


「灯かり消してくれる?眩しいから・・・」暗くしたら話せそうだと思ってそう言った。





膝枕をされたまま瑞樹は、ベッドランプだけの明るさになった部屋のベッドの上で陽芽野の手をぎゅっと握り、心に溜まっていた不安を吐き出した。


「君に出逢う前の僕の人生は可もなく不可もなく、こんなものだと思って暮らしていた。

でも君に出逢ってからは大変で、体がというより、心の方が毎日の暮らしの中を走って追いかけて行く感覚で、

息切れ以上に苦しくてドキドキしてだけど君との生活は楽しくて、嬉しくて、今までしあわせだった。

だけど、今は君が本当に僕と暮らしていてしあわせなのかどうかと考えると不安になるし、

君より先に死ぬ僕と僕が居なくなった後の君の暮らしを考えると眠れなくなる。

僕は君に会えなくなる日を迎えなくてはならない事が怖くて堪らない。

そして、僕が死んだ後に君が・・・

他の人間としあわせになる事を願えない。

他の人間が君に触れる事を考えてしまうとどうしようもなく悔しくなって嫌で、堪らないんだ・・・!」


はぁ・・・と瑞樹は心の内を全部陽芽野に吐き出して少し楽になった。


「瑞樹さん、そんな風に想っていたんですか。」


「嫌になった?心の狭い人間だって幻滅したでしょう?」


「良かった・・・私は瑞樹さんに嫌われていて必要とされていない駄目な妻なんじゃないかってずっと思ってました。でも・・・そんな風に想っていてくれたなんて嬉しいです。」


「君に依存した僕は、馬鹿みたいだって鼻で笑われるかと思ってた。」


「思いません。それから、絶対に私より先に死なないでください。」


「それは無理だよ。いつ死ぬか分からないけれど、僕の方が確実に先に死ぬから。」


「それなら死ぬ前に、いっぱいキスしてくれませんか?」


「うん・・・」


瑞樹の手が陽芽野の腕を掴んだ。


そして陽芽野は背を曲げて、


膝の上に頭を置いている瑞樹に覆い被さって唇を合わせた。


はっ・・・と、


乾いた瑞樹の唇の感触と、熱く吐き出される吐息を感じて、


陽芽野の体がどきりと強く感応した。


しばらくキスしていなかった。


昔みたい、こんな風にどきどきしたのは久しぶりの恥ずかしさの中、陽芽野は戸惑いながらも、嬉しさで胸の奥が震え始めていた。


そしてキスをしながら瑞樹の腕が陽芽野の体へ向かって伸ばされた。


あっ・・・胸を、クニクニってそんなに揉んじゃ・・・乳首にも、パジャマの中に潜り込んで来た瑞樹さんの指が直接触れて・・・っ!あぁ・・・んっ。


はふ、はふっ・・・キスをしながら吐き出される陽芽野の熱い息が、

淫らに喘ぐ時のリズムに似て来たと陽芽野自身も感じ、恥ずかしくなるのと同時に、

濡れ始めたカラダが瑞樹を求めて疼き出した。


「みず、瑞樹さ・・・ん!あ・・・あっ・・・」


それでも、アイシテル3-1


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この先は、陽芽野ひいきの方は読まれない方がよろしいです・・・m(T-T)mすべてエロnami&エロミズキのせいです。


そして前回マンガ化投票をお願いしましたら、お二人の方に参加していただきまして感謝しております。

折角設けさせていただいた投票所なのに、活用出来なかったのが残念で、くどいですが、その投票所を復活させて、このブログで残したい話があれば投票していただければいいなと思います。

現在"雪の香"~ほぼ全部見られる状態です。GLもBLもTLも。

"恋願わくは"と"もっと、すきに、させて"は改稿版を通常公開しています。

ああ~(*T-T*)あの作品だけは限定のままにしたかったのに・・・とこの期に及んでもそう思ってしまいますが、

某絵師の方が「そんなに嫌なら消すか下書きに戻せば?」という事で、

よし、一票も入らなければそうしよう!(*T▽T)b

残すなら、ドレ?

今後のブログ運命を左右する投票になると思いますm(_ _)m何だか自分の首を絞めてるカンジですが、よろしくお願い申し上げます。













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    碧井 漪

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    2 Comments

    ぴかぴかみいこ says..."大切にゆっくり読ませて頂いております"
    一作品だけ残すとしたら…の投票をさせて頂いたら終了していました。それが、とても残念でお伝えしたくなってしまいました。初めて読ませて頂いた作品です。馨が私の中の一番(*^^*)
    作品を読ませて頂いての思いをいっぱいお伝えしたいのですが書く能力の無さに書いては消しての毎日…
    ここにお邪魔することが今の私の一番の楽しみになっています。
    2016.08.16 06:23 | URL | #4T9qIM0A [edit]
    碧井 漪 says..."ぴかぴかみいこさま ありがとうございます。"
    投票の事は作者自身も忘れていました。

    当時、どんな傾向の話が好まれるのかと迷っていた事もあり、アンケートを行っていたのかな?^^;?


    馨に関しては『絶対女性読者に嫌われる』と思いながら書いていましたが、読者さまには気に入って頂けまして、予想外だった事を憶えています。


    続きが書けないと思っていると、馨と文が夢枕に立ち、次の展開はこうだから早く書け!(眠れない--;・・・)と滞る事なく書けた作品でした。(書き直すと、倍以上の長さになりそうです^^;ので、書き直したくても直せないでいます)




    > ここにお邪魔することが今の私の一番の楽しみになっています。


    作者よりも、このブログを楽しみに思って下さるようなお気持ちに触れて、また心を新たに進みたいと思わせて頂きました。


    投票所を再開してみましたので、よろしければ投票して結果をご覧になって下さいm(^-^)m


    2016.08.17 09:53 | URL | #- [edit]

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