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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

甘すぎる感情 161

Posted by 碧井 漪 on  

その場からそっと離れた俺は、図書館の隅にある、窓際と違って隅の書架の奥、薄暗く人けのない席に腰を下ろした。


図書館独特の匂いを感じながら、机上に曲げた両腕を枕に顔を埋めた。


瞼の裏に焼き付いた君の笑顔を、忘れようと努める。


このまま、君に何も告げず、俺が消えれば、君は、さっきのように笑って暮らして行けるんだ。


そうだ・・・・・・いずれ消える俺の事なんか忘れて、君はしあわせに─────悔しいとも違う、嫉妬でもない何と言えば正しいのか分からない気持ちで胸が塞がる。


君が誰を見て居ても、誰を好きでも構わない。


俺は君を好きで居たかったんだ。


ただ唯一、偽る事の出来なかった気持ち。


これが”恋心”なのだろう。誰の得にもならないものでも捨てる方法が分からない。


君が愛おしくて、そう思う度、しあわせで、甘やかされて居るような雰囲気の中、眠りに就いて、ああ、今消えてしまうならきっと俺は、使命を果たせなくなってしまう俺を許せる気がした。


何からも自由になる最期の時、君を想って居たかったんだ。


どんな苦しさも、君を想う時に忘れてしまう。君の事だけで一杯になって、しあわせな時間の中を漂って行く。現実世界に引き戻されるまで。


怠くて眠い・・・・・・このまま眠って、目が醒めなくても後悔しない。


だって、もう一度会えても、俺が君に”好き”と告げない方が、君の笑顔を消さずに済む気がするから────



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