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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

縺曖 530

Posted by 碧井 漪 on  

僕の彼女の勇田さんには大変申し訳ないけれど、僕の彼女であって良い事など何もないように思える。


一番の罪は、僕がまだ皇くんを好きで居る事なのだけれど、それを彼女にも皇くんにも、他の人にも絶対に明かせないんだ。


「あっ、ねえねえ伸長くん、見て!」


正門を出ようとした所で、ふと後ろを振り返って足を止めた皇くんが、何かを見つけたように言った。


「どうしたの?」と僕も足を止め、振り返る。

向かって左側には昇降口、右手には校庭に続く道がある。


校庭は昇降口より高い位置にある上、木立ちに阻まれ、直接は見えないようになっている。


正門を出て、道路沿いの校庭を囲むフェンスからなら、陸上部の練習も遠目に見えるだろう。


でもここからでは、と思って居ると、

「勇田さんだよ、ほら、昇降口の前。手を振ってる。」と皇くんが教えてくれた。


「え?勇田さん?」


確かに数人、ジャージ姿の男女が混ざって立ち止まって、大きく手を挙げて居た。


距離があり、顔までは見えない。けれど、肌の色と体格で勇田さんだと僕にも分かった。


「おーい!」と、突然皇くんが大きな声を出して、僕は面食らった。


見ると、大きく手を振って居る。


勇田さんも振り返してる。


二人のやり取りをぼんやり見ていた僕の右手首は、予期せず皇くんの右手に捉まった。


「え?」


背後に回った皇くんは、僕の右手を頭上まで持ち上げ、左右に大きく振った。


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碧井 漪

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