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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

縺曖 529

Posted by 碧井 漪 on  

「そんな事ないと思うよ。勇田さん、伸長くんに見られて居たら却って頑張っちゃうと思うけどね。まあ、伸長くんが行きたくないなら行かなくてもいいよ。」


そんな風に言われると、僕が恋人の練習を見に行かない薄情な人間のように思えて来る。


「行きたくない訳ではないんだけれど・・・」


彼女の走る姿を見たくない訳では無いけれど、彼女がそれを望んでないらしい事を聞かされてまで僕は、彼女の練習を見に行く勇気がないだけだ。

「分かった分かった。今日は帰ろう。」


皇くんは、靴を履いた僕の背中をゆっくり押して促した。


校庭をちらと見た僕と並んで歩く皇くんは、

「伸長くんはやさしいもんね。」と言った。


何がだろうと思って、皇くんを見ると、皇くんも僕の顔を見て、歩きながら続けた。


「勇田さんに、練習見られたくないって言われた事、守ってるんでしょ?そうでなければ見たいよね、他でもない彼女の走る姿だもん。」


何と答えたら正しいのか分からない僕は、

「あ、うん・・・」と曖昧な返事をした。


「そういうとこ、彼女からしたら堪らないんだろうな。」


"そういうとこ"とは、えっと、どこだろう?


「いいねえ、伸長くんの彼女は、しあわせだねぇ。」皇くんは、にやけ声で言った。


それを言うなら僕は、皇くんの彼女の方が、ずっとしあわせだろうなと思うよ。



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碧井 漪

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