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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

縺曖 409

Posted by 碧井 漪 on  

勿論、疚(やま)しい気持ちはないけれど、イサダさんもそうだろうけれど、さっきから通り掛かる人達の僕らをチラチラ見る視線が何か言いたそうで、もしかするとそれは僕らの仲を誤解したものだったとしたら・・・イサダさんと皇くんに申し訳ないと思った。


もしも同じ学校の人に見られて、悪い噂を立てられたら良くない。


「先輩、どうしたんですか?」


「ううん・・・飲んだら行こう。」

「あ、そうですね。」


ペットボトルの蓋を開けた。オレンジジュースは温くなっていたけれど、だからなのか、ごくごく飲めた。


半分、そしてまた半分と飲み干してイサダさんを見ると、あと少しと、一生懸命ペットボトルを呷っていた。


「急がなくていいよ。ゆっくりで・・・」


「はい、でも、先輩、汗が・・・」


イサダさんは手にしていた僕のハンカチで、僕のこめかみから首筋までを拭った。


「ありがとう。腕、長いね。」


僕らはベンチの端と端に座って居た。


イサダさんと僕の間は離れて居て、僕の腕の長さでは彼女の所まで届くか分からない。


「えっ、すみません。腕長くて、気持ち悪いですよね・・・」


イサダさんの手が引っ込められた。彼女は肩を落として俯いた。


僕の言った言葉が良くなかったようだ。


“腕長い”というのは褒め言葉にならないのだと、僕は意識して居なかった。


“脚長い”というのも良くないとしたら、

“僕は手足の長いイサダさんの体形は素敵だと思う”と言っていいものか分からなくなった。

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碧井 漪

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