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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

縺曖 408

Posted by 碧井 漪 on  

「中学校の制服着てた人?」


「そうです!」


彼女はにこにこと嬉しそうに笑いながら、大きく頷いた。


ああ、思い出した。

あの日は図書室に居て、外を見て居たら偶然、当時二年生のジャージ姿の男子が走って来て中学生の女子にぶつかり、そのまま逃げ去ってしまったのを目撃して、その子が落とした鞄の中身を一生懸命拾ってたから、何だか同じ学校の生徒として許せないのと申し訳ないので、その子の所へ駆け付けずに居られなかった。


「あの時の人が、イサダさんだったんだ・・・」


「はい。あの時、本当に先輩が来てくれて嬉しくて、私、絶対この高校に入ろうって思いました。」


それは、男子生徒の酷い対応を僕が覆せたって事で喜んでもよいのだろうか?


「僕は何も・・・」


そうすると、イサダさんは以前から僕を知って居たという事になる。


あれ?でもお礼なんて変だな。イサダさんは確か悲鳴を上げる程、僕を嫌っていた筈。


喜んではいけないのかもしれない。


考えれば考える程、よく分からなくなった。


「先輩のお陰です。」


「そんな事・・・」


誰かに自分の”お陰”と言われる事なんてそうそうない。


だから嬉しかった。


それから、僕はイサダさんに嫌われていなかった。良かった。


それを皇くんに知らせたいなと思った所でハッとした。


こうして皇くんの好きな人と二人で会って居るのは、いけない事なのではないか、と思うと一気に後ろめたさが募った。


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碧井 漪

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