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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

縺曖 320

Posted by 碧井 漪 on  

先生はちらと僕を見上げ、

「欲しいなら欲しいって言えばいいのに。」と小さく言った。

「え?」

「先輩はさ、遠慮し過ぎ。もっと思った事を口にしてもいいよ。まあ、顔に出てるけどね。」

「え、え、えっ?」

僕はカーッと熱くなる頬を両手で押さえた。

「ほんと、可愛いなあ。皇が構いたくなるのも分かる。」



ふっと笑って先生は、皇くんと似た綺麗な横顔を見せながら、本にサインをしてくれた。

「はい、どうぞ。」

先生は僕にサイン入りの本をプレゼントしてくれた。

「ありがとうございます!」

嬉しくて口元がだらしなくなった僕を見て、先生は「そんなに嬉しい?」と僕の顔を覗き込んで訊いた。

恥ずかしい僕は、左手で口を押さえ、「とても嬉しいです。」と頷いた。

「じゃあさ、朝臣と寵姫、どっちの本が好き?」

困る質問をされてしまった。

「えっと・・・どちらもです。」

「じゃあ、どの本が好き?」

「どれも、好きです。」

「教えてよ。次に書く作品の参考にしたいから。」

「えっと・・・黒騎士シリーズです。」

「ああ・・・他にはない?」

「実は、朝臣先生の本はまだ数冊しか読んでいなくて、これから読むのを楽しみにしているんです。」

「え?どういう事?」

「僕、お小遣い少なくて、アルバイトもしていないので、月に何冊も本が買えないんです。」

最近は本以外のものにお金を遣ってしまったので、特に。

「図書館に借りに行ったのですが、貸出中で。」

「皇に借りればいいのに。全部持ってるらしいよ。」

そうだけど、でも、皇くんは先生の本をとても大事にしているから借りられない。



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碧井 漪

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