FC2ブログ

sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

縺曖 233

Posted by 碧井 漪 on  


にほんブログ村 BL小説


「そうだ、これ・・・」


皇くんは、机の上に載せていた一番下のノートを引き抜いて、僕に手渡した。


初めて見る、黒い革表紙のA5サイズの冊子。


「これ、何?手帳?」


小説にしては薄いし、タイトルもない。

「あーっ、伸長くん、忘れてる。」


「えっ?」


「日記、交替で書こうって言ったでしょ?」


「日記?・・・ああ!」


昨日出掛けたお店の文具売り場で、皇くんが勇田さんへ贈るという日記帳を見付けた時に、そんな話をしたような・・・


「ああ、じゃないよ。昨日書くの結構大変だったのに、忘れてるなんて。」


「え?皇くん、日記、書いたの?」


「書いたよ、昨日の分。だから、はい。今日の分は伸長くんの担当だからね。」


恥ずかしそうに視線を逸らし、下唇を噛んだまま皇くんは、僕が両手で掴む日記帳の表紙を、トントンと揃えた右手の指先で叩いた。


何だか急に、皇くんがうんと年下の男の子みたいに見えて、可愛いと思った。


「うん。今日は僕が書くね。」


「絶対ね。」


「うん。」


僕は自分が日記を書くのは気が重かったけれど、皇くんが書いた日記を読むのは楽しみだった。


昨日の皇くんは何を思い、それをどんな風に書き表しているのかと。


早く読みたかったけれど、恥ずかしそうにしている本人の前で読む訳にも行かないので、家に帰ってからのお楽しみにした。


関連記事
碧井 漪

Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipiscing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua. Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation.

該当の記事は見つかりませんでした。