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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

縺曖 194

Posted by 碧井 漪 on  

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マンションを出ると、さっきの雨はすっかり上がり、茜色に染まる空には、その色に霞む雲がちらほら見えた。


雨の後の湿り気を帯びた、ほのかに温かい空気を吸いながら、夕映えの街を見下ろした。


伸長は皇と共に坂を下り、駅まで歩く道すがら、不意に皇が口を開いた。


「コーヒー、どうだった?美味しかった?」


伸長はコーヒーに砂糖を少し入れて、残さず飲み干していた。


「うん。僕、あまりコーヒーって飲まないけど、美味しいと思ったよ?」

「そっか・・・実は、あのコーヒー淹れたの賢さんなんだ。」


「そうなんだ。」


「気付いてた?」


「ううん。どうして?」


「さっき、賢さんに向かって、ご馳走様って言ってたから、コーヒー淹れたの賢さんだって気付いてたのかなって。」


「あ、あれはそういう意味じゃなくて、えっと、皇くんのおうちで出された物だから、おうちの人にもご馳走様というものだと、父と母に言われていて。」


「そうか、そうだよね。ごめん。俺が気にし過ぎてたみたい。」


「気にし過ぎるって何を?もしかしてさっき僕、余計な事、言っちゃった?」


「あ、違う違う。コーヒーの事。本当は自分で淹れるつもりだったんだ。でも、キッチン行ったら先に賢さんがコーヒー淹れてて、余ったからどうぞって言われて。無視すれば良かったんだけど、賢さんの淹れるコーヒーって、俺のより美味くて、朝臣もコーヒーは賢さんの淹れたのしか飲まないって位で。」


二人は小さな公園の前を通りかかった。


自分の事を話し始めた皇の話の続きをもっと聞きたいと、


「皇くん、公園寄ろうよ。」と伸長が誘った。


公園の中に人影のない事を確認した皇は「いいよ」と応じた。


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碧井 漪

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