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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

縺曖 480

Posted by 碧井 漪 on  

「あの、話って・・・」訊かなくても分かったけれど、僕は何となくそう切り出すほかなかった。


「だから・・・勇田青維とどうなってるかって事!」


バン!と島崎くんは机を叩いた。

縺曖 479

Posted by 碧井 漪 on  

昨日と似た場面。


教室の入口に皇くんを探してしまいそうになり、慌てて下を向いた。


そんな僕の様子を見て島崎くんは、昨日のように怒り出すかと思いきや、そうではなく─────ガタッ、彼は立ち上がると、ざわつく教室内に向かって

「お前らうるせぇ!用のない奴はとっとと教室から出ろ!こっちは大事な話があんだよ!」と、怒るというより真剣な声を放った。

縺曖 478

Posted by 碧井 漪 on  

六限目の後のホームルームが終わると、みんなが帰り支度や部活動へ向かう準備をして居た。


僕も同様、椅子から立ち上がって荷物を纏めて居ると、

「おい、逃げんのかよ!」と大きな声がした。


何事だろうと後ろを振り返ると、

「お前だよ、お前、白岸!」と島崎くんが僕を指差して、ズンズンと向かって来た。

縺曖 477

Posted by 碧井 漪 on  

恋に於いて、どれが甘くて、どれが苦いかなんて区別がはっきりつけられない。まだ恋の入口付近に居るのではと思う僕には。


でも、恋というものが、楽しくて苦しくて嬉しくて痛くて、笑って泣くものだとはもう知った。


会いたいと願う気持ちも、切ないって多分こんな風と感じる気持ちも、

全部彼に、僕らが出逢ったこの世界で教えて貰った。

先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 57

Posted by 碧井 漪 on  

夢野はゆうべの別人のような快人に惚れてしまっていた。

だが、今朝の快人は全く憶えていない上、ゆうべとは別人のよう。

────二重人格って事?先輩の裏人格の人を好きになっちゃったら、どうすればいいの?

体は快人、けれど心は────「誰?ゆうべの人は誰なんだろう?」

夢野がバスルームから出ると、脱衣籠の中に夢野の服が畳まれていた。

快人がしてくれたのだろう。普段は真面目で几帳面、女性に対して紳士な快人。

けれど夢野が好きになってしまったのは、それと正反対の快人。

「先輩だけど、先輩じゃない人、か・・・」

恋した相手は、一晩限り。

もう一度会いたいと思った。普段のおとなしくて善人な快人より、野性的で奔放な快人に。

先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 56 ※R-18

Posted by 碧井 漪 on  

夢野は快人が見つめるスマートフォンの画面を覗き込んだ。

そこには、ゆうべの夢野と快人の行為中の動画が映し出されていた。

『あっ、あ・・・んっ、あ、ああぁ・・・っ!』

耳を塞ぎ、目を覆いたくなる程の羞恥が夢野を襲ったが、ここで怯んでは悪女の演技が台無しだと、

「全然酷くないですよ。大した事無かった。あ、でもこの動画、私にも下さい。何かあった時はこれで先輩を利用させて貰いますから。」と頑張った。

ゆうべの快人であれば、

『ふざけんな。誘って来たのはお前の方だろうが。処女マグロのくせに偉そうなんだよ。俺を揺すろうなんて百億年早いんだよ、ガキ。このデータが欲しけりゃ、それなりのモンと引き換えだ、バーカ!』と言って来るに違いなかった。

先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 55 ※R-18

Posted by 碧井 漪 on  

「先輩、具合悪いんですか?」

ゆうべ、意識を失くすまで激しいセックスを繰り返した。

────腰が痛くて重い。全身怠いし・・・多分先輩もそうなのかも。私より動いていたし・・・・・・

夢野はそう思い続けたかった。快人の浮かない表情の理由を。

ゆうべ感じた違和感ともしかしたらという世界が繋がらない事を、心の隅で願いながら。

しかし─────

先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 54 ※R-18

Posted by 碧井 漪 on  

きょとんとする夢野の両手の指の間に快人は自身の指を潜り込ませ、しっかり握った。

夢野の手のひらに、快人の手のひらの熱が伝わって来た。

人肌を感じた。熱かった。

そして、繋がった所も、快人に擦られる度、燃えるように熱くなって行った。

パチュ、パチュ、パチュという音と共に激しく揺さぶられる体の奥で感じるうねり。

汗ばむ快人の額に手を伸ばすと、快人は夢野の首筋に唇を落とし、チュッときつく吸った。

縺曖 476

Posted by 碧井 漪 on  

身近な人との会話の中から、自分の好きなものや自分に合うものを判別する人が居るのを知って居る。僕の姉はそのタイプだと思う。


人との会話の苦手な僕は、それが出来ない。

縺曖 475

Posted by 碧井 漪 on  

午後の授業開始の本鈴が鳴り終わってから教室に入ると、すでに先生は教壇に立って居た。


本来なら午後の授業に遅刻だったのに、何故か遅刻とされず、そのまま席に着き、授業を受ける事が出来た。

先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 53 ※R-18

Posted by 碧井 漪 on  

「分かった。了解。」

そう言って快人は夢野の顔を覆う両手を外し、夢野をベッドにやさしく倒すと、深くまでキスをした。

唾液と唾液の絡む濃厚な口づけの後、快人は片手で撮影しながら夢野の胸を揉み、吸った。

夢野の口から零れる甘い声もすべて記録されてしまうのかと思うと羞恥に苛まれたが、それも次第にうやむやになってしまう程の快楽への期待が夢野を覆いつくした。

さっき弄られた下の穴は、もうすでに蜜で溢れ、内腿から滴ったそれでシーツはビショビショになっていた。

縺曖 474

Posted by 碧井 漪 on  

本来は僕とイサダさんの問題・・・なのに、周囲の人達はそれを許してくれない。皇くんさえも。それが一番悲しくて、だからどうでもよくなってしまったと考える僕が居る。


なげやりになって居る僕は、本気だと言ってはいけないのだろうけれど、

本当の気持ちを、誰にも打ち明けられない僕の本当は、どうあればみんな納得してくれるのだろうか。

縺曖 473

Posted by 碧井 漪 on  

僕の脳裏に浮かんだのは朝臣先生。


先生だけは、僕が皇くんを”好き”だって事に気付いて居る。


「聞いてるの?白岸!」


小西さんの声が静かな中庭にまで響いて、僕は”現実”に戻って来た。


皇くんを好きで居る事は許されない”現実”に。

先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 52 ※R-18

Posted by 碧井 漪 on  

「あっ!ああ・・・んっ!」

快人の長い二本の指は、グチョグチョに蕩けた夢野の蜜壺の中を暴れ回った。

そして快人の熱い舌先は、夢野のぷっくり膨れた花芽を繰り返し嬲った。

「あ、あ、あ・・・んんっ・・・・・・!」

押し寄せる愉悦の波に攫われそうになる寸前で、快人は夢野の秘処から手を離した。

「え・・・?」

「イキそうだった?」

夢野は荒い息の下、素直に頷いた。

縺曖 472

Posted by 碧井 漪 on  

「だから、そう・・・それ!」


小西さんは僕を呼び出した本当の目的を忘れて居たみたいだった。やっくんに言われるまで。


二人は恋人同士なのだろうか?そう見えるような、そうと断定してはいけないような・・・・・・そんな事を考えてぼうっと二人を見て居た僕に、小西さんは目に力を込めて訊いた。

先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 51 ※R-18

Posted by 碧井 漪 on  

「あーあ、飲んじゃった。悪いお嬢ちゃんだ。世間知らずで、こんなんじゃクズに犯されて殺されても文句言えないぜ・・・っと、そうか。さっきのスマホ、アレ?」

「アレ?って、何ですか?」

「俺を嵌めようとしてんの?証拠動画撮って、弱味握って一生脅すつもり?」

当たらずとも遠からず、でもない・・・今の夢野にその考えはなくなって居た。

快人とのセックスがあまりにも良過ぎて、脅すとかそんなものはもうどうでもよくなってしまった。

「違う、違います!そんな事、ないです・・・!」

縺曖 471

Posted by 碧井 漪 on  

寵姫先生のBLの主人公・受け役が相手の攻め役と初対面した場面のように思えた。


不意にそれを思い浮かべたのは、やっくんの髪も切れ長の目も漆黒だったからだろう。あのカバーイラストのような、イケメンに近い部類で、肩幅もあり、ガッシリした体つきはBL主人公の相手役に相応しい。

縺曖 470

Posted by 碧井 漪 on  

「ああ、そう。」


僕を連れて来ておいて、急に小西さんが僕の事などどうでもよくなってしまったのは、彼、やっくんのせいだろうか────なんて考えながら、ジロジロと僕を品定めするようなやっくんの視線に少し怯えつつ、黙って待って居た。


「白岸くん?」


彼は僕の名前を間違えずに読んだ。


縺曖 469

Posted by 碧井 漪 on  

ボトルのラベルに描かれたイラストから、それはレモン風味の水だと分かった。


「またこれ?好きだね、やっくん。しかも飲みかけ。」


「うるせえ、いいだろ?文句言うな。」”やっくん”と呼ばれた彼は、笑いながら小西さんの襟足を指で抓んで引っ張った。

縺曖 468

Posted by 碧井 漪 on  

その女子は、黙って階段を下りた。


僕もついて行くと、一階の渡り廊下で女子は足を止めた。


校舎と校舎を繋ぐ渡り廊下は一回の部分だけ外廊下となり、中庭や駐車場に続いて居た。

先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 50 ※R-18

Posted by 碧井 漪 on  

二人は、バスタオルで互いの体に付いた水滴を簡単に拭った後、ベッドに倒れ込んだ。

うつ伏せになって目を閉じた快人が、このまま何もせずに眠ってしまうのではないかと危惧した夢野は、

「ねえ、アレって何ですか?」と快人の体を揺さぶった。

「ん?」

パチと目を開けた快人は、夢野を見るとニヤリと口の端を上げ、

「そんなにしたいの?まだ足りない?」と訊いた。

縺曖 467

Posted by 碧井 漪 on  

教室内のざわめきは一瞬止んで、再び聞こえた時にはさっきよりも大きくなって居た。


僕の首は動かしたくても動かせない。


周りの反応を見るのが怖いのと、目の前の女子がもっと怖かったから。


僕の目をずっと睨み付けて居る。

縺曖 466

Posted by 碧井 漪 on  

授業が終わったら、僕はまた島崎くんに詰め寄られるのでは、とか、再び真田くんが冷静に庇ってくれるのでは・・・とか、授業中考えて居ただけに、拍子抜けした。


これが自意識過剰と言われるものなのかなと思った。

縺曖 465

Posted by 碧井 漪 on  

「何だよ、真田。」


振り向いた島崎くんの肩越しに、真田くんが顔の横にノートを翳して立って居るのが見えた。


「何だよじゃないよ。ノート見せてってゆうべ送って来たの誰?」

縺曖 464

Posted by 碧井 漪 on  

普段通り登校し、教室に入って席に着いた。


僕を取り巻く周囲の空気は、昨日よりは落ち着いたように思えた。


しかし─────ドン!

縺曖 463

Posted by 碧井 漪 on  

主観と客観をいくら比べてみても、そこから何かを得る事は、今日までの僕の乏しい人生経験では難しいと分かって居る。


だから、それは追及しない。


誰にどう思われて居ようと僕は僕でしか無くて、”以前と全く変わってない”、”成長して居ない”と言われたとしても、自分で自分が変わったと思えたら、それは変われた、成長した事になるのかもしれない。

自殺相談所 54 信疑

Posted by 碧井 漪 on  

思わず、開いた口から自然と言葉を零しそうになる雰囲気を、瞬時に作り出せる人だ。

違いがはっきりした。俺に足りないのは、こういう所だと分かる。

所長の前で"話したくなる"気持ちは、俺が所長を知って居るという安心感からだけで生まれたものではないように思えた。

仮に今、所長と初対面だったとしても、つい話してしまいそうな空気がここにはあった。

タケノウチさんが、俺と話した後に感じた苦しさと後悔。

通常、悩みは人に話すと軽くなると言うが、そうではない時もある。

それは俺も経験した事があるから分かる。

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