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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

縺曖 314

Posted by 碧井 漪 on  



僕も───と返事をしようか迷って、思い止(とど)まった。

答えたら、泣いてしまいそうだった。

嬉しくて、夢のようで、

だけど現実だったら、切なくて。

彼が僕に感じてくれて居る気持ちと、僕が彼に感じて居る気持ちとは大きく異なる。

それを認められないなら、答えてはならない。

先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 21 ※R-18

Posted by 碧井 漪 on  

夢野が一度も入った事のないタイプのそのホテルには、

『休憩 2時間5000円 宿泊 9000円』

という看板が掲げられていた。

主に二人以上で入る人が殆どのホテルに、女子大生独りで入る事は滅多にない。

あるとすれば中で待ち合わせ、そんな風に取られてもおかしくない。

縺曖 313

Posted by 碧井 漪 on  

皇くんはベッド、僕は布団に潜り、灯かりを消した。

「おやすみ。」と言われ、

「おやすみ。」と返す。

好きな人の部屋、夜、灯かりを消して、布団の中、しんとして、感じる気配、

眠る直前、おやすみと言われた余韻を胸に目を閉じる。

僕の心臓は静かに、でも刻々と、地球の中心に引き寄せられて行くように、彼への想いが深まって行く。



先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 20

Posted by 碧井 漪 on  

快人の気持ちの分からない夢野だったが、それを考えるのは今はやめにして、とにかく、足を痛めて辛そうな快人を家に帰し、夢野は麗太朗に連絡した後、今夜泊まる所を探そうと考えた。

────麗ちゃんにはあとで連絡しよう。泊まれる所、せめてシャワー浴びて着替えられる所か・・・ネットカフェは嫌だけど、ホテルかあ・・・どうしよう。

一刻も早くシャワーを浴びたいのと、今は家族と顔を合わせたくない夢野は、その条件の揃った所ならどこでもいいとは思いつつ、不特定多数と顔を合わせなくてはならないネットカフェは避けたかった。

────一時的にシャワー浴びて落ち着けたら、遅くに帰ってもいいんだけど、お父さんより遅く帰ると色々言われそうだからなあ・・・やっぱりホテルに泊まろうかなあ・・・

夢野はこの辺りのホテル一泊の相場は知らなかった。

しかし、この駅前に格安のビジネスホテルは無い。タクシー、若しくは電車でわざわざ行くのも・・・と考えた夢野の脳裏に、線路沿いに建つ一軒のホテルの存在を思い出して、そうだわ!と手を打った。







先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 19

Posted by 碧井 漪 on  

「松田、えっと・・・」髪を短くした夢野の前に立った快人は、まるで初対面の人のように戸惑いながら、

「これ、服。」と洋服店の紙袋を差し出した。

「えっ?服って?」

「それ着て帰ったら、家族に色々訊かれるかと思って。」

「ああ・・・そうですね。先輩にコートお返ししないと。」

夢野は快人に借りて着ているコートを脱ごうとした。が、コートの下はブラジャー一枚だという事に気付き、どこで着替えようと考えた。



縺曖 312

Posted by 碧井 漪 on  

「じゃあさ、俺が伸長くんのお姉さんとトランプしたら秒殺?」

「秒殺・・・って事は無いと思うけど。」

「いいなあ、伸長くんちは楽しそうで。」

寂しげに笑う彼の心を、僕じゃなくていいから、誰か温めて欲しいと願った。

縺曖 311

Posted by 碧井 漪 on  

皇くんのお部屋のベッドの上で、僕らは一時、トランプゲームを楽しんだ。

「やったー!俺の勝ち!やっと勝ったー!」

ベッドの上に胡坐を掻いて居た皇くんは、手札を置くと、両手を挙げてそのまま後ろに倒れ込んだ。

先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 18

Posted by 碧井 漪 on  

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────え?先輩?今"殺してやろうか?"って言った?

ぞくりとする程冷たい目で放たれた快人の低い声。夢野が初めて聞いたそれは胸に刺さった。普通と言われる女の子なら怖がる所だが、夢野は違った。

────別人のように"らしくない先輩"だけど・・・こっちの方が素敵。

しかし、その快人の冷たい表情はすぐに消え去った。ふっと笑いながら快人は続けた。

「・・・嘘だよ。だけど、この状況下で死んでもとか言うな。」

「はい。」

「お、素直。なんか不気味だな。」

はははと笑う、いつもの快人だと、夢野は少しガッカリしながらも安堵した。

「取り敢えず乗れ。」と夢野のバッグを拾った快人はそれを夢野に渡すと、夢野を自転車の荷台に座らせた。

そして自転車に跨った快人は夢野に言った。

先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 17 ※R-18

Posted by 碧井 漪 on  

────これは夢よ、悪い夢・・・・・・

そんな事はないと夢野は分かって居ても、逃避しなければおかしくなってしまいそうだった。

しばらくして、再びしゃがみ込んだ男は、倒れたままの夢野のコートで局部の汚れを拭った。

目を開けられない夢野は、海老のように丸まって動かない。

男は再びコートを着込むと、ポケットからハサミを取り出した。

ジャキッ、ジャキッ、ジャキッ・・・!

縺曖 310

Posted by 碧井 漪 on  

「はい、薬。」

皇くんに渡された薬を飲んで、二人で歯磨きをした。

小説の中の恋人同士は、こうして並んで歯を磨きながら、鏡越しに見つめ合い、はにかむ。

僕らもそうした所で、"好き"という気持ちがあるのは僕だけで、彼にはなくて。

先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 16 ※R-18

Posted by 碧井 漪 on  

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夢野の悲鳴は長く続かなかった。

ゴリラ男にされているおぞましい行為から、声が出せなくなっていた。

男は夢野のコートを開(はだ)け、セーターの上から胸の膨らみを鷲掴んだ。

「い、痛っ・・・!」

縺曖 309

Posted by 碧井 漪 on  

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「これ飲んだら、寝ようか?」

言われてどきりとしたのは、不埒な事を思い浮かべてしまったから。

頭の中に浮かんでしまうのは、以前読んだ寵姫先生のBL小説。

そのシーンも夜の、メインキャラクター二人きりのシーン。

薄暗い部屋の窓は小さく、ベッドも古くて粗末な物。

隙間風の入る秋の夜、二人は火照る身体を寄せ合って眠りに就く。



先輩の好きにしていいですよ? -女子大生Mの恋愛事情- 15

Posted by 碧井 漪 on  

「ゴ、リラ・・・?」

茂みを揺らして出て来たのは、本物のゴリラでは無く、ゴリラマスクを頭からすっぽり被った「男?」だった。

開いた両手の指をいやらしく曲げ、肩の辺りに構えたまま、ガニ股で近付いて来る、ロングコートにショートブーツのゴリラ男。

────気持ち悪い。まさかこっちに来るとか?

辺りに人けは無く、夢野以外見当たらない。予感は恐怖に変わる。

────嫌!こっちに来ないで!嘘でしょ?

夢野は後退りながら、何か凶器になるものは無いかとバッグの中を探ったが、もしかしたら今日、大和の会社まで行くかもしれないと考えて居た夢野は、いつもなら一つ二つある痴漢撃退グッズを敢えて家に置いて来てしまった事を今思い出した。

縺曖 308

Posted by 碧井 漪 on  

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普段より甘く感じる牛乳をゴクゴク飲みながら、僕はガッカリした自分を可哀相に思えて来た。

心の中、胸の辺りに穴が空けられ、そこをひゅうひゅうと冷たい風が通り抜けて行くような感覚。

当たり前だけど、同性の僕は、皇くんの"恋愛対象者"にはなれないんだ。

僕がいくら望んでも、無理なんだ。

エロひいき 21 ブログSSL化、そして短編のつもりが・・・

Posted by 碧井 漪 on   0 

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皆さま、こんばんは。

s&eです。

最近、更新時刻を守れなくてごめんなさいm(_ _)mキタクシテショクジスルトPCノマエニスワッタママイシキナクシテマスφ(-_-)zzz…

そしてようやく今日、ブログSSL化、それに伴いテンプレートも変更致しました。

前の方が見やすい、或いは新版は見られなくなったという事でしたら、戻す事も出来ますので教えて下さい。

PC版スマホ版共通になっております。

そしてそして、まだ完結していないバレンタイン企画・・・復活させたまでは良かったのですが、更新が滞って居ます。

最近エロが進むと萎えてしまうエロnami・・・心因性の不全症候群でしょうか(^^;)

今回は短編のつもりでサクッと・・・ええ、繋ぎのサクッと───の筈が、ええ・・・・・・またしても変なエロになってしまいそうな予感から進まず・・・(^^;)マイドノダメパターン…

いつか書きたいなと思っていました腹黒美少女・松田夢野。(「それから、愛してる」シリーズの瑞樹と陽芽野、二人の娘です。)

その夢野が成長して、お年頃になり・・・予(かね)てより想いを寄せている高橋大和に怪しげなチョコレートを渡したいと行動を起こす、そんな所から始まったこのお話。





縺曖 307

Posted by 碧井 漪 on  

「ありがとう・・・・・・伸長くん?」

呼び声にハッとした僕が強く掴んで居たのは皇くんの腕だった。

白い肌に赤い痕。

「ご、ごめん!痛かったよね。」

「ううん、これくらい平気。伸長くんこそ大丈夫?」

「僕は大丈────」

縺曖 306

Posted by 碧井 漪 on  

強過ぎる愛はストレスに感じると、ある人のエッセイで読んだ。

皇くんに触られて嬉しくない訳では無いのに、込み上げる切なさが僕を苦しめる。

打ち明ける事も無く、報われる訳でも無いこの想い。

どこにも逃しようがなく、僕の狭い胸の奥にギュウギュウ押し込めて、誰にも気付かれないようにしなくてはならない。

ある人は捨てればいいと言うかもしれない。

またある人は無視すればいいと教えてくれるかもしれない。

持ち続けるなら、この先、多分苦しみしか感じないと、僕にも分かり始めていた。





縺曖 305

Posted by 碧井 漪 on  

皇くんが手で顔全体を拭い、「シャワー、使う?」と僕に訊いた。

「ううん、まだ・・・体洗ってからでいい。」

目の中に溢れた涙を、髪の先から滴る水滴と誤魔化すように拭った。

大好きな人の無防備な姿を見るというのは、どれほど贅沢な事なのかと初めて知った。

服を脱ぐというのは、単に裸になる意味だけではなく、その相手への信頼心まで表している。



自殺相談所 45 休養

Posted by 碧井 漪 on  

所長が休んだ翌日、俺は休んだ理由を訊いてみると、

「歯医者です。急に痛み出してしまいましてね、ご心配をお掛けしました。」と朗らかに言われ、

それが嘘であるかもしれないとも思いながら、「お大事に。」としか言えなかった。

それから数日経ったある日、俺も休みを貰う事になった。

希望してはいない、所長命令での休養だった。

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