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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

そうそうない 91 2015年12月26日のこと(2)

Posted by 碧井 漪 on  


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夕食後、旅支度をした。


一泊の出張のようなつもりで居れば大丈夫だ、と億劫になりそうな気持ちを奮い立たせて。


美和も、ここへ来た時のリュックではなく、通勤用のトートバッグに着替え詰めている。その量は礼服を持って行く僕より少なく、不安になった。


美和は本当に実家に帰るんだよな?僕が東京へ行った後、僕に黙って、ここへ戻って来たりしないよな?


そうだ、合鍵!


美和から回収しておかないと・・・

馮離 A面 34 (R-18)※BL

Posted by 碧井 漪 on  

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怖い・・・普段と違う賢一の貌に、朝臣は震えた。


嘘だ、夢だと思いたいのに、賢一に触られる感覚はリアルで、とても夢だとは思えなかった。


「んっ、んんんっ・・・!」


与えられる痛みに抗えないまま、この後どうなるのだろうと、朝臣が心配していたのは自身の体の事よりも、賢一との関係の方だった。


こんな事してまで賢さんは俺にBL小説書かせて、それでその後、俺の前から消えて、恋人とどこかへ行くつもりなのか?


裏切られた気分だった。


大事にして貰っていると思っていたのに、実は違ったなんて。


「う、ううっ・・・」朝臣の目から涙が溢れた。


そうそうない 90 2015年12月26日のこと(1)

Posted by 碧井 漪 on  


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今日は、降る雪が弱まった。


美和と二人、お昼過ぎから雪掻きを初め、三時間程で、裏の駐車場から車を道路に出せる程になった。


同じ集落のご近所さんだろうか、チェーンを着けたタイヤで、雪道を物ともせず、慣れた様子で車を走らせているのを雪掻きする間、時折見かけた。


「すごいな・・・」


ザクッ、僕が持っていたスコップを雪の小山に立てて呟くと、


「何が?」とすかさず美和が訊ねた。


僕は前の道路を走り去った車が消えたカーブの向こうに目を遣りながら、


「雪道でもあんなスピードで。」と言うと、


「ああ、別にこれ位なら普通、と言うか慣れちゃってるんだよ。傍から見ると危ないけどね。」


まるでここに何十年も住んでいた人のような口振りの美和。


暁と星 76 不意打ちのしあわせ

Posted by 碧井 漪 on  

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恋愛、恋、愛、ラブ



お屋敷で朝食を用意して貰ったから、それを食べてから治療院へ戻ると並川に電話で約束した後、暁良は朝食前の僅かな時間に星良を庭へ連れ出した。


「星良、寒くない?」


「寒くないわ。」


暁良の腕に支えられて、両肩をショールで包まれた星良は、朝の庭を散歩した。


朝靄をやわらかに照らす朝の光を仰いだ星良は、ほうっと小さく息を吐き出した。


心穏やかに日々を過ごせる事が一番のしあわせなのだと思う星良は、隣に居る暁良の顔を静かに見上げて微笑んだ。


「ここで暮らせたらいいね。」


暁良が言った。星良も頷きたかった。

縺曖 246

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廊下にうつ伏せ姿勢だった伸長は、行き交う生徒の数がまばらになった頃、ようやく起き上がった。


制服に付いた埃を払う心の余裕もなく、とぼとぼと図書室の入口に歩いた。


ドアに付いたガラス窓から中をそっと窺うと、カウンター内にさっきの女性徒の姿があった。


入れない。入った途端、「あの人痴漢です!さっきスカートの中を覗かれました!」とか、ぶつかった彼女に言われてしまうかもしれない。


隣にある、司書室のドアを小さくノックした伸長は、「はい」と副岡の返事を聞いたのち、「失礼します」と小さくした身を司書室に滑り込ませた。

乙女ですって 241 (R-18) 新婚生活

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菜津子と隆人が結婚した半月後、隆人は再び、真喜雄と海外の取引先を回っていた。


帰国は一か月後。後ろ髪を引かれながらも、隆人は綱島家の主人としての仕事を引き継ぐべく頑張っていた。


「6月28日、日曜日、大安・・・ああ、そうだわ。今日だったわね。」


美津子が言うと、菜津子の病室に集まるのが恒例となっていた女性達が一斉に美津子を見た。


「何かあるんですか?」訊ねたのは木南だった。木南は最初、美津子が病室で振る舞ってくれるケーキが目当て訪れていたが、最近では一人で家に居るのも暇な為、ここへ来て、一頻り喋ってスッキリして帰るのが目的となっていた。


「6月の大安って、結婚式とか?」由佳は真琴の実家でお昼を食べてからここへ来ていた。今夜、時間が取れそうだという真琴と、久し振りに食事する約束をしていた。

そうそうない 89 2015年12月25日のこと(8)

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「正直に言った方がいいかもしれないよ。僕のように結婚する気が無いんだったら。」


「うーん。私、レズビアンだって言った方がいいのかなぁ?でも、親は悲しむよね。」


「そうだね。多分、すぐには受け容れられないだろうね。ただ、嘘をつかれるよりいいと思うんだ。」


「うん・・・」


「でもね、縁を切られてしまうかもしれないから、お勧めはしない。」


「もー、元、どっち?」

そうそうない 88 2015年12月25日のこと(7)

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"一緒に行く?"ってどこに?美和を僕の実家に連れて行くつもり?


頭の中で自問自答を繰り返し、黙ってしまった僕に、


「一緒に、何?」と美和はぶつけて来る。


「い、一緒に、この家を出るなら・・・!」


追い詰められた僕は、そう口走った。


この家に、美和が一人で残る状況さえ避けられればいい。


「ここを出て、私はどうするの?」

馮離 A面 33 (R-18)※BL

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「出来ないんなら終わりだって言ってんの。俺、もう限界。お前の事、好き過ぎて、頭おかしくなりそう。」


「俺達、友達やめてどうなるってんだよ。」


「誰か、俺の事好きになってくれる男と付き合う。それで賢一の事、忘れようと思う。」


「やめろよ。そんな事するの!」


「別にいいだろ?友達でもなくなった俺の事なんかほっといてくれよ。じゃあな。」


「待て、秀則。待てよ!」


「追い掛けてくんなよ。」


そうそうない 87 2015年12月25日のこと(6)

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「僕が居るから?意味が分から───」


リリリリリ、リリリリリ、リリリリリ・・・


「電話?」音に気付いた美和が、辺りを見回した。


「あ、ああ。電話。家のだ。こっちにある。」


年に何度も鳴らない家の電話が突如鳴り出した。


僕は台所から居間へ急いだ。床の間の隅に置かれた家の電話。


誰からだろう?と思いつつもディスプレイに表示された電話番号を見る余裕は無かった。


鳴らし続けて切られるのではないかと慌てて受話器を「はい」と取った僕の耳に聞こえて来たのは、


『もしもし?元啓?』聞き憶えのある年配女性の声だった。


「・・・母さん?」

暁と星 75 (R-18) 一番大切で、一番必要な人

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「枝野さん。あなたは暁良の事をどう思う?好き?」


「アキラさんを嫌いな人は、このお屋敷にはいません。」


「そうではなくて、男性として。」


「何故そんな事を言うのですか?」


「私がいなくなったら暁良には、誰か暁良の子どもを産んでくれる人としあわせになって欲しいから。」


「いなくなるって、死ぬつもりなんですか?」


星良は黙っていた。死なないまでも、子どもが産めなければいつか暁良の前から消えようと考えてはいたからだ。


それに、暁良がいなければ、星良はやがて死ぬ。暁良の精子を貰わなければ、クスリの毒に蝕まれた体を維持して行くのは難しいと星良自身が一番よく分かっていた。


縺曖 245

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「大丈夫ですか?すみません。」


ああ、誰かが僕に後ろからぶつかって、僕は下敷きにされたんだなと分かった。


逆では無くて良かった、と顔を上げると、声の方に顔を向けながら、


「大丈夫です。お怪我はありませんか?」と決まり文句を言った。


すると、声の主の女性徒は伸長の顔を見るなり、再び「きゃあ!」と悲鳴を上げ、どうしようどうしようと慌て始めた。


何だ何だ?と下校する生徒達が、廊下の床に倒れ込む二人をジロジロ眺めながら、避けて行く。


早く起き上がりたい伸長だったが、女性徒が伸長のリュックの上に膝を折っていて起き上がれない。


乙女ですって 240 (R-18) 泣きたい位、好きだ

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「真琴さん!」


由佳は何も身に着けていない体を隠そうと、慌てて濡れたタオルを開いた・・・が貼り付いていて上手く剥がれない。


諦めた由佳はその場にしゃがみ込んで真琴に言った。


「何?何か用?」


「寝てるのかと思った。いつまで風呂入ってるつもりだ?」


「寝てないわよ!もう出るし。ちょっとぼんやりしちゃっただけで・・・」


「ふーん。」


バタン。真琴はバスルームのドアを閉めた。


「あっ、ちょっと!・・・何よ、突然。」


ゆうべとは随分な変わり様。


「夢だったのかなぁ・・・」


あんなにエッチな真琴さん初めてだったし。


そうそうない 86 2015年12月25日のこと(5)

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「雪掻きして疲れたんでしょう?後は私がやるから座ってて。」


僕を椅子に促す美和に、

「違う。怪我させた事、考えてて・・・」と言い訳のように言ってしまうと、益々情けなくなった。


「怪我?ああ、これの事?平気だよ、見て。何ともないでしょう?」


美和は右手で前髪を上げ、おでこを見せてくれた。


「ほらね。大丈夫。」


「いや、目尻が赤くなってる。目の中も赤いよ。」

そうそうない 85 2015年12月25日のこと(4)

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「中に入ってみようよ。」


「えっ、いいよ・・・」


いざとなると、足が竦んだ。


「いいから。はい!」


美和の両手に背中を押された僕は、屈んで、かまくらの中に頭を入れた。


当たり前だが、中は暗かった。


そして雪と風が遮られ、音も違う。何というか、大きな巻貝を耳に当てた時に聞こえる音に似ている。

馮離 A面 32

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TL小説の基本形は、ボーイミーツガール。この場合女性が主人公だからガールミーツボーイ。


何かあるのかと思ったけれど、それが何なのか分からないまま読み終えた。


少女漫画の小説版と言えばいいのか。


物語のベースは恋愛。それに尽きる。


ただ・・・これは本当に少女向けって訳でもない描写が度々登場したのには面食らった。


キスの後、官能小説までとは言わないものの性描写がある。


今時の女子中高生は、おとぎ話の姫物語の先に、生々しい現実の性愛に辿り着くまでを見たいと思って居るのかと、少しこの国の行く末を憂えた。

そうそうない 84 2015年12月25日のこと(3)

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「まあ、どうせ今日は雪下ろしは出来ないよ。やみそうもないし。」


「んー、どうかなあ?まあ、これ位の雪じゃ、まだ大丈夫とは思うけど。」


古い家だから、屋根の雪の重みで潰れるんじゃないかと不安なのか?でも、例年の大雪にも耐えて来た家だから、大丈夫・・・だと思うけど。


「そんなに雪掻きしたいならすれば?でも、屋根は駄目だけど。」


「そうだね。今日暇だし、久し振りにやろうかな。」


屋根の上じゃなければいいよ。


暁と星 74 好きになってごめんなさい

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星良の見ていた夢は陽が落ちてからのものだったが、現実の今は、まだ陽が高かった。


正午前、南側の窓辺に立つと、目が眩む程の光に包まれた。星良が暮らして居た治療院は、林の中にあり、昼間でもさほど明るくはならなかった。


キラキラ、キラキラ、この世はこんなに明るかったのだと、星良は子どもの頃を思い出していた。


暖かな陽射しの中、ぽつりぽつり咲く庭の薔薇を眺めて居ると、暁良が庭を見回り始めた。花木の様子を点検しているようだった。


暁良は、ふと二階の窓を見上げた。窓辺に立つ星良に気付き、微笑みながら大きく手を振る。


星良は小さく手を振り返した。


そこへ、枝野が暁良の元へ急ぎ辿り着いた。枝野は一瞬だけ、星良の居る部屋の窓に視線を向けた。


それからすぐ枝野は暁良に向かって何かを告げ、やがて頷いた暁良と共に枝野は庭の中を走って屋敷の中へ消えて行った。


縺曖 244

Posted by 碧井 漪 on  


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席替えで窓際になった僕は、授業の合間に度々、灰色の雨雲に覆われた空を見上げた。


雨はしとしと降り続け、やむ気配は無かった。家を出る前に見たテレビの天気予報では、今日一日雨という事だった。


帰りも雨。だけど僕の心は憂鬱どころか楽しみだった。


もしかしたら、帰りは皇くんと一緒に傘を差しながら並んで駅まで歩けるかもしれないと。


そんな妄想に耽る僕の開いた小説のページは、さっきから同じまま。


皇くんと話すのは、小説よりもドキドキする。


乙女ですって 239 (R-18) 絶頂

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由佳は真琴の下着をずらし、硬くなっている部分にそっと指先で触れた。


欲しかったのに・・・これを与えて貰える唯一人(ただひとり)の女になりたかっただけなのに。


はむっ。


由佳は真琴の赤黒く滾ったその塊の先端を口に含んだ。


はむ、はむっ、はむ・・・由佳は真琴の欲望の塊を咥え込んで、しゃぶり続けた。


「やめろ・・・由佳・・・」


そう言うけど、真琴さんは私を撥ね退けない。出来る筈なのに。


濡れてる・・・涙と同じ味がする。


何でも欲しいと思った。あなたの汗も涙も、唾液も精液も全部好き。


頭おかしくなったと思われても、好きなんだもん、やめられない。


そうそうない 83 2015年12月25日のこと(2)

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りんごの皮のように真っ赤な頬を緩めて「お味噌汁作るの?」と訊ねる美和に、「うん。」と小さく返すと、

「お豆腐のよね?作っておくから着替えて来て。寒そう。」と言われた。


確かに寒かった。まだパジャマ姿の僕には特に。


この台所には暖房器具がなく、コンロの火で少し暖かくなった程度。


まな板に向かって すでに包丁を握ってしまった美和に僕は「じゃ、着替えて来る。」と言うほか無かった。


僕が服に着替えて台所に戻る頃には、出汁と味噌の匂いが立ち込め、さっきよりも台所内の温度は上がっていた。


僕に気付いて振り向いた美和は、「座ってて。ベーコンエッグ、すぐだから。」と微笑む。

そうそうない 82 2015年12月25日のこと(1)

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デートした日の夜から、僕は美和に距離を感じていた。


でも、翌日の美和はいつも通りで、僕だけが、美和が僕をどう思って居るのか思い知っただけだった。


美和は僕の事を全く気にしていない。


僕が美和の事を気に掛ける間も、美和は僕の事なんて考えてもいない。


どちらかと言うと、僕よりわーさんの事を気に掛けていると思う。


生きている僕より、死んでしまったわーさんの方を気にするのって、それはすなわち、美和の中で僕の存在が小さいという事だ。


馮離 A面 31

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馮離A31
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「コーヒー飲むか?」


病院から帰って来るなりすぐにキッチンに立った賢さんは、そう俺に訊きながらコーヒーを淹れる準備を始めた。


どっちでも良かったけれど、俺のマグカップまで用意されては断れないと、

「うん、飲む。」と答えた。


手を洗いに洗面台へ向かった。


ゆうべ散らかっていた脱衣所は、綺麗に片付いていた。しかし、今日はまだヘルパーさんが来ていない。


今朝は病院へ行く支度で慌ただしくて気付かなかったけれど、ここは全部、ゆうべから今朝の内に賢さんが片付けたんだと分かった。


いつもして貰うばかりで───と思う俺の胃がキリキリ痛んだ。


賢さんに言い出しづらい。小説を書けない事。


そうそうない 81 2015年12月20日のこと(24)

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「え?・・・っと?」


僕は耳を疑った。レズビアンの美和が僕を"愛してる"?何故だ、僕は男なのに───


「昼間も言った通り、私は人として、元を愛してる。元はわーさんの一番大切な人。私もわーさんの夢を見たの。ここに住むからには、元を愛して欲しいって。私は、わーさんに"はい"って返事をした。」


「わーさんの?」


僕は首を動かして仏壇を見た。


僕を"愛して欲しい"だって?


そんな事、わーさんは言うかな?って考えたけれど、もしそうなら、わーさんはまだ僕の事を気に掛けていてくれているという事になる。

暁と星 73 侵食

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お屋敷一階のティールームは、以前食堂だった部屋と音楽ホールを改修し、それぞれ、利用客の要望に合わせて案内していた。


星良は利用客を多くもてなせる音楽ホールだった部屋へ通された。


「こちらの方が賑やかなんだ。」


そう言って、暁良は星良専用にテーブル席を用意した。


「体調に異変を感じたら、すぐに知らせるんだよ?」


「はい。分かっています。」


うん、と頷いて暁良はチェストの中から膝掛けを取り出し、星良の膝の上にそっと掛けた。


「寒くない?」


「大丈夫。」


縺曖 243

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一年生の靴箱の前を通り過ぎ、二年生の靴箱の前に差し掛かる時、みんなとは違う気配を放つ男子生徒を、視界の端で捉えた。

彼の手前に一人、そしてもう一人やって来て、彼の姿は隠された。


けれど間違いなかった。


「こ・・・」躊躇って、それでもやっぱり名前で呼んだ。


「皇くん!」


すでに履いた彼の上履きのつま先がピタリと止まった。


そして、ガタ、ガタッと木製簀の子を鳴らしながら、


「先輩、おはようございます。」と皇くんは人波に逆らって、濡れた傘を片手に立ち尽くす僕の前に来てくれた。

乙女ですって 238 (R-18) 恋のままでいよう

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可能性、一、私のカラダに女としての魅力を感じなかった。


可能性、二、加齢のせいで勃起しなかった。


可能性、三、気持ちが冷めていた。


可能性、四、・・・・・・




可能性はもういいわ。何でもそうよ。気持ちが冷めたら終わりなのよね。


真琴さんがテレビに出るようになってから、私なんかより若くて綺麗な歌手や俳優と知り合って、その中の誰かに気持ちが傾いているとしても何もおかしくない。


真琴さんは45歳とは言っても、全然そうは見えないし、今年29歳になる、しがないOLの私より、同じ業界で仕事する若く華やかな女性の方を好きになってしまったと言われたら、私・・・引き下がるしかないの?


付き合ってるとは言っても、現時点でセックス未遂状態なんだから、別れやすいと言えばそう・・・なのかも。


別れるつもりで私とはセックスしなかったの?そうなの?


そうそうない 80 2015年12月20日のこと(23)

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「気にしないで、元。」


「えっ?何で?気持ち悪かったでしょう?僕にあんな事されて・・・」


美和はレズビアンだ。それなのに男の僕にそうされる事がどれだけ気持ち悪いかって事、ゲイの僕なら分かっている筈なのに。


「・・・何をしてもいいよ。わーさんにしたのと同じ事だったら。」


「どういう意味?」


「元はわーさんを愛してた。わーさんも。だから、元がわーさんにしていた事なら、何してもいいよ。」


"何しても"の所で、変な想像をしてしまった僕は、


「そんな事、出来る訳ないよ!」と大きな声を出してしまった。


そうそうない 79 2015年12月20日のこと(22)

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観念した僕は、美和に謝り、ビンタでも何でもして許して貰おうと、シャワーを止め、風呂場から出た。


タオルで体を拭いていると、籠の中に僕のパジャマが畳まれている事に気付いた。


下着まである。


美和か・・・怒ってる相手にこんな事しなくていいのに。


僕は、美和に謝ろう、と拳を握り締めた。


そっと居間の戸を開けると、灯かりと暖房は点けられていたが、美和は居なかった。


布団は二組、ちゃんと僕の分もいつも通り敷かれていた。


すると・・・あっちか。


磨り硝子の戸の向こう、灯かりの灯る台所。


馮離 A面 30 ※お食事前後の方は閲覧注意

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馮離A30
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「あっ・・・うっ!」


メリメリ、ミリミリ、軋むような感覚と痛みのピークが同時に肛門を過ぎ去った。


重苦しかった下腹部の感覚と痛みは、いつの間にか和らいでいた。


「はあ、はあ、はあ・・・」呼吸が荒くなってしまう俺の背後で、ふーっと息を吐いた賢さんが「もう大丈夫だと思う。苦しかっただろう?全部出し切れ。」と言った瞬間、


ピュッ、ピューッ、


俺のペニスの先から尿が飛び出して、防水シートの上にパタパタ落ちた。


自殺相談所 33 相談とは

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【そう-だん 相談】とは、

どうするかを決めるために話し合うこと。また、意見を述べてもらうこと。




俺が毎日なんとなく自殺相談所に通うようになってから十日あまり。


バーコードはげづらに鼻髭眼鏡を掛けた所長の後ろで、今日も黒子姿の俺は、残暑に耐えていた。


一時、扮装をひょっとこ面に変えて貰ったが、やって来た相談者がチラチラ見ては、気まずそうに視線を逸らすので、やはり黒子に戻そうと、結局こうなって今に至る。


暑さ以外は快適だ。俺の中の黒子のイメージは、喋らないというものだったので、自然と聞き役に徹せるこの扮装は、相談員初心者の俺に合っていると言えば合っている。


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