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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

暁と星 72 無償の愛

Posted by 碧井 漪 on  

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星良は幼い頃に父を亡くし、母と二人、貧しい中でも我慢して生きて来た。


しあわせな人、不幸な人の違いは、お金があるかないかだ、としか考えられなかった。


私が、しあわせがお金で買えないという意味が分からなかったのは、私にとってのしあわせが”無償の愛”だという事を知らなかったから。


“愛”はお金で買えるかもしれない。だけど、”無償の愛”は買えない。


愛そうと考えての事ではなくて、心から溢れ出して止められない想い。


片想いもそうなのかもしれない。ただ愛おしくて、しあわせになって欲しくて。


あなたは私に言ってくれた。


『愛してる』と。


でも、私は、あなたがそう教えてくれる前から、あなたを愛していた。


縺曖 242

Posted by 碧井 漪 on  


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6月1日水曜日は雨だった。


駅から傘を差して、同じ学校の生徒達と足並みを揃えながら、晴れの日より窮屈に感じる道を進む。


【雨が嫌いなのではない。雨に纏わる窮屈さが苦手だ。】───と、ヘキチザザナミのエッセイにあった。


確かに。


もしも僕が一人、雨だれの音を聞きながら、自分のペースで歩けて居たら、どれほど雨を風雅に喩えられる事だろう・・・なんて。


僕は、文章を読むのは好きだけど、書くのは苦手だ。

乙女ですって 237 (R-18) 騎乗位

Posted by 碧井 漪 on   0 

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んっ、ずるい・・・あっ、もう・・・ずるいよ・・・キス上手くて。私、下手だから、どうしていいか分からなくなる。


由佳の口の中で蠢く真琴の舌は熱くやわらかかった。歯列の裏も上顎も真琴の舌でなぞられた由佳の体には、力が入らなくなっていた。


真琴さん、真琴さん、好き、好き・・・・・・もにゅっ。


「ん?」


もにゅっ、もにゅん!


「ちょっ・・・!」


由佳は真琴の肩を掴んで引き離すと、違和感を感じる自分の胸を見た。


すると───


クニ、クニッ!


真琴の指先は、由佳の両胸の突起を抓んで転がしている所だった。


そうそうない 78 2015年12月20日のこと(21)

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「邪魔だし、志歩理に送れば?」


「志歩理社長には、こっちのお菓子と写真を一緒に送るので。」


「僕もお菓子の方がいい。」と言ってみると、

「えー・・・でも、これかわいいよ?ワカメのわーさん。」とか言い出した。


「勝手にわーさんとか名前付けるなよ!」


「いいよーだ!元が要らないなら、私がわーさん貰うから。今夜から一緒に寝ようね、わーさん。」


「やめなさい。貰うから。」僕の声は最後の方、小さくなった。


「え?」


「これを僕にだってくれたんだろ?貰っておく。それじゃあ、僕からはこれ。」


そうそうない 77 2015年12月20日のこと(20)

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「神社の境内で震えていた、白い子猫の・・・メスだったらしい。」


「え?わーさんの初恋って、子猫ちゃん?」


「そう。」


わーさん本人から聞かされた話だった。


美和は『猫は初恋にならないよ』と言うかと思ったけれど、

「そうなんだ。かわいい初恋だね。」とすんなり受け入れた。


わーさんの名誉の為に、というか、僕が話したかっただけかもしれないけれど、

「わーさんは、昔、ゲイじゃなかった。女の人とも付き合ってた・・・らしい。」と打ち明けた。


馮離 A面 29 ※お食事前後の方閲覧注意

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馮離A29
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胸の奥のチクチクした嫌な感じが、飲み込んだカツサンドと一緒に腹に落ちて来た。


チクチク、チクチク・・・胃かな。ストレスだ、多分。


「何が分かってるって?」


「俺、そんな事言った?」


「は?」


笑みを浮かべ、顔を上げた俺は、

「このパン美味しいね。まだ残ってるなら明日の朝、コーヒーと一緒に食べたいな。」と精一杯の明るい声で賢さんに言った。


「あ、ああ、うん。」と俺の偽物の笑顔に向かって、面食らったように返事した賢さんは、


「今、コーヒー淹れようか?」と俺に訊いた。


そうそうない 76 2015年12月20日のこと(19)

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「分かってる。お墓の事でしょう?交換条件だもんね。今日のデートと。」美和の話し声は、さっきとは変わって淡々としていた。


「・・・うん。」僕は美和の顔を見ずに頷いた。


自分で言い出した事とは言え、燥いだ余韻をぶち壊してまで、今言う必要があったのかと後悔していた。


助手席で口を噤んだ美和は、思っているだろう。


"そんなにお墓が大事なの?"と。


現世で結ばれなかった僕らは、死後位、一緒に居たい、そう思ってしまうんだ。


けれど、わーさんも美和と一緒の考えだったらと思うと、心がひやりとする。


暁と星 71 苦い記憶と甘い想い出

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初音の妊娠を知ってから、星良は初音の代わりに家事を頑張った。


暁良は、星良に無理をしないで欲しいと思いながらも、生き生きしている星良を見るのは嬉しかった。


「ごちそうさま。」夕食を終えたテーブルに、初音の姿は無かった。


初音は今、別室のベッドで横になっている。


シャツの両袖を捲り、立ち上がった星良に、

「星良ちゃん、いいよ。後片付けは俺がしておく。シャワー浴びて先に休んで。」と並川がテーブルの上の皿を集め始めた。


「でも・・・」


「星良ちゃんがこれ以上疲れ過ぎて倒れられたら、俺が初音の面倒見れなくなる。丁度、お粥でも作って持って行こうと思ってたからいいよ。」

縺曖 241

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「このタオル使って。僕は使ってないから綺麗だよ。」


「え?あ、ありがとう。じゃあ、洗って、明日返す。」


「いつでもいいよ。」


汗を拭ったタオルを皇くんはリュックにしまい、


「そうだ、伸長くん。時間いいの?」と僕に訊ねた。


「時間って?」


乙女ですって 236 (R-18) あやまち

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2015年6月7日、日曜日の朝。


美津子は台所で朝食の支度をしていた。


多津と真喜雄も手伝い、出来たばかりの温かい朝食を、勝手の分からない隆人の前に並べた。


ゆうべ、菜津子が入院し、戻って来てからの隆人はよく眠れなかったようで、酷くやつれた顔をしていた。


「そんなに心配しなくても、菜津子なら大丈夫よ。」


「はい・・・」


美津子にそう返事をした隆人の顔は、やはり暗く、箸は全然進んでいなかった。


「隆人くん、食べたらご両親を見送りに行くよ。」


「あ・・・はい。」


隆人の両親は、真喜雄が用意したホテルの部屋に一泊した。



そうそうない 75 2015年12月20日のこと(18)

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僕は二人の背中を見て思った。


これから二人は、結婚式で永遠の誓いを交わして、病める時も健やかなる時も、共に手を取り歩んで行くのだろう。


しあわせになって欲しいとは思う。


だけど、永遠の愛なんてない。


あると言ってしまえば、それはただ苦しいだけのものになる。


僕のように一人残されて、寂しさの中、それでも延々と相手を愛し続けて行けるかなんて、今の彼らに問うても答えられないだろう。


近男 -Kindan- (R-18) 改稿版 14 本当の始まり(96~104最終話)

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「おかあさん、おふくろ達ってまだ?」


「正輝は昔から時間通りに来ない方だから。多分、10時半位になるんじゃない?車だし」


輝美は、流星が輝美の母を"おかあさん"と呼んだ事に、肩をびくりと動かした。


輝美の父を"おじいちゃん"ではなく「おとうさん」、母を"おばあちゃん"ではなく「おかあさん」と呼ぶ仲になったということは聞かされていたが、たった今の"おかあさん"は「お義母さん」という意味に聞こえてしまい、輝美は、結婚した事についてまだ何も知らない母に対する後ろめたさが強くなった。


正輝、そして一番気がかりなのは、流星の母・秋子と対峙する瞬間。


どの面下げて、とはまさにこの事。


落ち着かない心臓を右手で隠したままの輝美は、流星に続いて居間の隣の和室へ通された。


いつもなら、居間にしている洋室のソファーに座る所だけれど、今日は大人数で集まる上、みんなに大事な報告があると流星が話したからだと思った。


畳の上に並んだ座布団は、全てお客様用だった。その一つへ膝を折って五分程すると、丁度約束の10時になった。


母が持って来たお茶も、わざわざ茶托(ちゃたく)に載せたお客様用の湯呑みだった。


そうそうない 74 2015年12月20日のこと(17)

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それならば・・・


「美和、それなら、これも持ってくれる?」


僕は大荷物を抱える美和に、更に僕の持つ手提げと土産袋を持つよう頼んだ。


「え?・・・いいけど。」戸惑いながら美和は、僕の差し出す手提げに片手を伸ばした。


その瞬間、僕は美和から荷物を奪い取る事に成功した。


さっきはやられたからな。仕返しだ。


ぱちくり。


瞬きした美和を横目に、僕は退園ゲートに向かって急いだ。


「あっ、ちょっと元ー!ずるいぃー!」


美和は僕と交換した小さな袋を持って追い掛けて来る。


思わず、ふっと笑ってしまった。


こんな悪戯なんて、昔、妹にもしなかったよな・・・と。


「あー、待って待って、元ー!」


呼び止める美和の声に、ゲート前の僕は足を止めて振り向いた。


少し走ったから、背中と額に汗が滲んでいる。


熱い。


はーっ、はーっ、呼吸を整えていると、僕に近付きながら美和が顔の前にスマホを構えた。


えっ?


パシャッ。


微かに聞こえたシャッター音。まさか、写真を撮られた?


馮離 A面 28

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目が醒めて、キッチンに行くと、ダイニングテーブルに朝食が用意されていた。


ヘルパーさんが作ったんじゃない、賢さんだ。


テーブルの上のメモには、賢さんの字で【夕方に帰る。コーヒーはポットに移してあるから】とある。


「ポット?」


見ると、テーブルの上にステンレス製のスリムな水筒があった。


食パン、スクランブルエッグ、ハムサラダ、それからコーヒー。


コーヒーならコーヒーメーカーで淹れたらいいのに───と思って居たが・・・


ポットからマグカップにコーヒーを移して飲むと、熱過ぎず冷た過ぎずで丁度良かった。砂糖も少し加えてあって、好きな甘さの上、普段飲むコーヒーより、味がまろやかだった。


「何これ。美味い。」


強い酸味も嫌な苦みも感じない。コクがあり香りも残って居て、美味かった。


「これ、豆変えたのかな?」

そうそうない 73 2015年12月20日のこと(16)

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「うーん。どうしようかな。」


「何が?」


水族館を出て、入園ゲート付近に林立する建物に囲まれた広場で美和が顎に手を当て呟いた声を、僕の耳は奇跡的に拾っていた。


ワイワイ、ガヤガヤ、お昼は過ぎた筈なのに、レストランとフードコートは沢山の人で賑わっていた。


ここは陽も当たるし、海風が遮られて暖かい。さっきのような、直接海風に晒される日陰も多かった広場には、こっちの広場を知った誰もが行きたがらないだろうと思ってしまう程、ぬくぬくしていた。


「美和は何が食べたいの?」


「うーん・・・何でもいいんだけど、どこも混んでるよね。」

暁と星 70 (R-18) 春

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並川と初音がリビングスペースで睦み合う最中、治療室兼、星良と暁良のベッドルームでは、並川夫妻に負けない位、星良と暁良は濃密な時間を過ごしていた。


「はぁ、はぁっ・・・星良・・・・・・」


「暁良、もう・・・もう、終わりにして?ナカ、いっぱいで、もう───」


星良の上を覆う暁良の上気した肌からは、絶え間なく汗が滴り落ちていた。


暁良は二度、星良のナカで果てた後、三度目を試みていたが、呼吸は荒く、星良より具合が悪そうだった。


「暁良、一旦離れましょう。」ぐぐ、ぐぐっ、星良は暁良の胸を両手で押した。


「・・・嫌だ。」星良の上を覆う暁良のカラダはビクともしない。


細いのに、男の人だわ。力では絶対に敵わない。


特に私は二年も寝たきりだったから、腕の力が全然無いし・・・


「暁良、クリスマスプレゼントがあるの。」


乙女ですって 235 (R-18) 正式採用

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加集と溪は宴がお開きになった後、菜津子実家の隣にあるジュエリーショップ、三階の部屋に戻った。


風呂上がりの溪は、同じく風呂上がりの加集に、菜津子から貰った1/3のブーケを見せた。


商店街で一か月前に買ったばかりの花瓶が役に立った。


「見て見て、あっちゃん。このお花綺麗ね。」


溪は花瓶に活けた花をローテーブルの上に置いた。


「俺は、こっちの花の方が綺麗だと思うけど。」


そう言って、隣に座って居た加集は、溪のこめかみにくちづけた。


溪は浮かない顔で、唇を尖らせた。


「綺麗じゃないわ。本当の私はとても醜いのよ。あっちゃんが知らないだけだわ。」と冷たく言った溪の横顔を、加集が覗き込んだ。

「どうしたの?疲れちゃった?突然だったもんね。おかみさんが『結婚式するから、是非来”頂戴』って───」


「違うの、そうじゃないの。今日は私、ずっと菜津子さんを羨ましく思って居たの。」


「羨ましいって・・・あ!分かった。一日も早く式を挙げたくなっちゃったんでしょう?」


「・・・その逆。」

そうそうない 72 2015年12月20日のこと(15)

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「元!大丈夫?!」


「何でもない。ほっといて。」


冷たい両頬を、温い物が上から下に伝い落ちた。頬より冷たいのは僕の心の中だ。氷より冷たい。もう血が通ってないんじゃないかって位。それでもいいよ。止めてもいい、臆病過ぎた僕の心臓なんて。


馬鹿だな僕は。本当に馬鹿だよ。


とっくに、冷めていたんだ。わーさんは。


だから僕なんかに看取られたくなかったんだよ、最期を。

近男 -Kindan- (R-18) 改稿版 13 夫婦の始まり(86~95話)

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"善は急げ"って、"怪我の功名"って…これって!


輝美は流星と共に、区役所の夜間窓口に来ていた。


「塩谷流星さんと塩谷輝美さん、おや、ご名字がご一緒なんですね」珍しい、と続けたそうな口からそう放った、小さな窓の向こうの男性は、椅子に腰掛けたまま、引き続き薄紙の書類を眺めている。


「でも血は繋がってませんから!」


「はい、それではお預かりします。おめでとうございます」


60歳前後と思しき容貌の四角い黒縁眼鏡を掛けた男性が、流星の出した書類を開いて、ざっと確認したのち、また二つに折って、後ろの書類ケースの引き出しにしまった。


その時、輝美の目に止まったのは、正面奥の壁に掛かっている大きな日めくりカレンダー。離れていてもはっきり見える白地に黒い文字。


『2015年3月26日木曜日 友引』


友引──そして流星が区役所の夜間窓口に提出した書類は『婚姻届』だったわ…待って、これは夢かもしれないわよね。だって、私は婚姻届を書いた憶えがない。


そうそうない 71 2015年12月20日のこと(14)

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薄暗い通路を抜けたその先は、眩しく陽が射す屋外だった。



風は冷たいが、光が溢れて、視覚的には暗かった室内より暖かく錯覚・・・でも寒い。


「わあっ!」


歓声を上げる人々の視線の先にはプールがあり、その上には、紅白柄の大きなボールが紐で吊るしてあった。


ザバッ、水音を立てて空中に舞う黒い三日月。


イルカ?

馮離 A面 27

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馮離A27
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『書けない』という言葉を心の中から消した日の夜、

クタクタになって帰宅した俺と賢さんは、二人でお風呂に浸かってから、ベッドに移動した。


「いいよ、賢さん。俺、疲れてないし・・・」


賢さんは、ベッドの上にうつ伏せにした俺の体を両手で解し始めた。


首、肩、背中、腰、臀部、大腿、膝から下は感じないけれど、腕、そして頭は───「・・・っあ・・・!」思わず声が出てしまった。


「あ、ごめん。強かったか?」


「ううん、そうじゃ、なくて・・・っ!」


ぞわっ、鳥肌が立った。


短い髪の間に入り込んだ賢さんの指の腹は、俺の地肌をゆっくり這いながら、時々グッと力を加え、心地良い刺激を与えた。


「頭、触られるの嫌だっけ?」


「分からない・・・」素直に”気持ちいい”とは言えなくて、はぐらかすと、

「じゃあ、やめよう。」と俺の言葉を素直に受け取った賢さんは、俺の頭から両手をスッと離した。


そうそうない 70 2015年12月20日のこと(13)

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そして、

「わー・・・」僕は思わず声を出してしまった。


瞬間、足を止めて振り返った美和の顔を見てハッとして、「美和!」と少し大きな声を出して美和との距離を一歩縮めた。


大小、色とりどりのクラゲの水槽の集まるコーナーからは、人けが無くなっていた。他の通路を歩く人もいない。イルカショーが始まったのだろうか。


「どうしたの?元。」


美和のその目は僕を心配する目だった。わーさんと同じ。


『どうした?元。トイレか?』


本当にわーさんが美和の中に入ってる訳がない。


暁と星 69 (R-18) ロマンス

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「やっ・・・ん!もうやめて裕司、イッちゃった、から・・・っ!」


初音は両膝で、秘処を舐め続ける並川の頭を強く挟んでしまっていた。


「力抜け、初音。」


「んっ、だって、裕司がっ、まだ・・・!」


「あー、はいはい。」


並川はようやく初音の秘処から舌を離した・・・と思ったら、


くぷ、ぐぷぷっ!


二本指を初音の蜜穴に押し込んだ。


「やっ、あー・・・っ!」


ブルブル、初音の下肢は震え出した。


「やめて、もう・・・!」


喘がされる初音の頬は、上手く息が出来ずに真っ赤になり、目は潤んでいる。


縺曖 239

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あっ、そうだ!外の駐輪場に行けば、自転車があるかないかで、皇くんが帰ってしまったかどうかが分かる。


古い簀(す)の子の上で回れ右をした僕の足元で、ガタンと音が鳴った。


次の一歩を踏み出した時、

「伸長くん・・・」

その声にハッと顔を上げると、夢か幻か、僕の目の前に皇くんの姿があった。


「皇くん・・・」


昇降口前の緑のマットの上に立つ皇くんの首筋は汗で濡れ、袖を捲ったワイシャツの襟のボタンは二つ外して、中に着ているTシャツの丸首が見えていた。

乙女ですって 234 (R-18) 1/3のウエディングブーケ

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「あー、つっかれたー。まあ、いいお式だったけど。」


帰宅した木南は、キッチンでインスタントコーヒーの空き瓶を水洗いし、八分目まで水を入れた。


それから、水道の蛇口から出した水の中で、束ねたままの白い花の茎の先を、一本一本キッチンバサミで切り落とすと、その透明な、水を入れた瓶の中に茎の先を浸けた。


「これでよし。どこに置こうかな。んー、テーブルの真ん中でいっか。」


コトン、木南は菜津子に貰った1/3のブーケを飾った瓶を、テーブルの上に置いた。


「結婚したら、私も誰かにブーケを渡すのかなぁ?」


想像したら、背中がむず痒くなった木南は、濃紺のワンピースを脱ぎ、


「シャワー浴びて寝よっ。あー、でも小腹空いたなぁ。でもいいや。この時間に食べると太るし。」


下着姿で脱衣所に向かった。


脱いだストッキングとブラジャー、ショーツを一緒くたに洗濯ネットに入れ、洗濯機にポイと放り込むと、バスルームの扉を閉めた。


シャワーを浴びながら、木南は一人、ぶつぶつ呟いた。


「結婚かぁ・・・うーん、何だかすごく面倒で大変そう。その前段階の恋愛も無理そう。この齢でねー、今更中高生みたいな恋も出来そうもないしねー。恋愛結婚以外は味気ないしなぁ。はぁ、寂しいなぁ・・・だけど一人は気楽。んー、どっちがいいとは言い切れない
なぁ。」


そうそうない 69 2015年12月20日のこと(12)

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「今だけ、ねっ?元、お願い!」


何故そんなにあの粗品のベルに拘るのか分からないが、まあ、欲しいと言うのなら仕方ないか。


「じゃあ、ほら、腕が重いから、早く入ろう。」


「やったあ!ありがとう元!大好き!」


“大好き”って、また軽々しく言ってくれたな。


そう言えば、女の”かわいい”、”大好き”は、口癖みたいなものだって、どこかの誰かが言っていたのをふっと思い出した。


そうか、そうだったんだ。


今まで美和が僕に”大好き”と言っていたのは、深い意味はなく、口癖のようなものだったのか。


なんだ・・・今まで美和に"好き"と言われる度、色々考えてしまった僕は馬鹿みたいだ。


そうだよな。本当に好きだったら、軽々しく「好き」なんて言えないものだって、僕は知ってる。


美和も多分、志歩理とこうしていたら、”大好き”なんて口に出来ないだろう。何とも思ってない僕にだから言えるんだ。


近男 -Kindan- (R-18) 改稿版 12 二人の始まり(80~85話)

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終業後、19時30分に流星と待ち合わせ。


今は丁度19時20分。流星は、まだ来ていないみたい。


従業員通用口を出ると、建物の間をヒュウと吹き抜ける夜風が頬に冷たい。片足で立っているのも辛いので外壁に凭れようかと思ったけれど、コートが白く汚れてしまいそうだからやめた。


うう…中で待っていれば良かったかしら。それともコンビニに移動して流星に電話しようかしら?そうしよう。


輝美が片足で一歩跳んだ時「輝美、お疲れさま!」輝美の体は突然、後ろから太い二本の腕に抱き締められた。


「きゃっ!流星?」


「当たり!もう一本」


何のクジよ。


「ここ、会社の前よ?ベタベタしないで。誰かに見られたら──」


「見られたらイケナイ関係?俺達、悪い仲なの?」


「そ、そうじゃないけど…」


昨日の朝は、隠してくれるつもりのような事を加集さん達の前で言っていてくれたのに、どうして急に…


「コソコソしたって、俺達は何も変わらない。だろ?」


変わらない──それは、私達の事が公になっても、流星は私から離れて行かないという意味に聞こえて嬉しかった。


そうそうない 68 2015年12月20日のこと(11)

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ベンチに腰を下ろして海を眺めると、耳を掠める海風の音は、ピュービューなんて可愛いものではなく、ビュウビュウ!と耳朶を削ぎ落さんばかりの音だった。


なるほど・・・この中ではとてもお弁当を食べる余裕は無いなと妙に納得する僕に、


「はい、元。おにぎり。お弁当の残りだけど。」美和はバッグの中から、アルミホイルに包まれたおにぎりを取り出し、僕に手渡した。


ええっ?持って来たの?


おにぎりは、ひんやり冷たくて、ベシャッと潰れている。


「ありがと・・・」

馮離 A面 26

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馮離A26
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「賢さん、珈琲!」俺はソーサーから持ち上げた白いカップを賢さんに手渡した。


受け取ってグビリと飲んだ賢さんは、

「ん・・・ぐっ、あちぃー!」と大きく息を吐き出した。


「もうっ!食べながら喋るから噎せるんだよ。」


「ははっ、ごめんごめん。朝臣も、はい抹茶。」


今度は賢さんが、抹茶椀を俺に手渡した。


「ありがと。」


ずっ、ずずっ・・・想像していたより甘くない、粉っぽい。


そうそうない 67 2015年12月20日のこと(10)

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「ほら、これで大丈夫だろ?」


「うん。」


美和は僕の胸の辺りに頬を寄せ、じっと固まっているから、その表情は見えない。


落ち着いたかどうか確かめたくて、つい、

「落ちる時は一緒に落ちるから。」フォローにならない事を口走ってしまい、すぐに後悔した。


「うん。ありがと・・・海、綺麗だね。」


言われて視線を窓の外に向けると、


ちょうどてっぺん辺りで、さざんなみランドの外をぐるりと囲う、穏やかな海が見えた。


暁と星 68 (R-18) 初蜜恋

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「星良!」はぐらかされた暁良は向きになった。


「暁良の初恋を教えてくれたら──」


「星良だよ。」


「嘘。」


「本当。写真の中の君だけれど。」


「写真?」


「昔、お義母さんが父宛に送って来た星良の写真。とてもキュートで、妹のように思えた君を僕が守ると誓った憶えている。」


「それは、妹としてなのでしょう?初恋ではないわ。」


「17歳の君も、好きになったよ。」


「え・・・あ、そんな・・・嘘・・・・・・」


「嘘だったら、結婚してない。それで、君の初恋は?」


「え、っと・・・」


「励さん?」


「違う。」


「侶偉くん?」


「ううん。」


「───僕?」


首を振る星良に、

「じゃあ、並川さん?」とまさかと思いながらも暁良が訊くと、

「・・・旺治郎。」と星良が明かした。


自殺相談所 32 他心

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「ははは、仲がいいって?そんな事ないよなぁ。」


「そうよー、ないわよ。いつもこんな感じ。喧嘩したら悲惨よ。二人しか居ないんだから。だから喧嘩にならないように、小さい事はなるべく気にしないようにしてるの。」


「もうさ、家族減らしようがないからさ、いつも仕方ないなって諦めてる感じだよ。」


「あら随分ね。私が我慢してないとでも?」


「俺だって我慢してらぁ。」


「あ、あのー・・・」


「ふふっ、こんな調子になるまではほんと、色々あったわよー。あり過ぎて、一々憶えてない位。」


「そうなんですか。」


「おお、そうだ、いつものあれ、聞かせてくれよ。」


「あれって何だっけ?」

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