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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

縺曖 116

Posted by 碧井 漪 on  

賑わう人の間を縫ってようやく辿り着いた僕に、「何食べる?俺はうどんにしようかな。安いけど、美味しいよ?」と皇くんが言った。


“安い”、”美味しい”と続いたら、やはり「うん」と言うしかない。


今月のお小遣い3000円と散髪代1100円と先月の残りを合わせて4000円ちょっとある。


大半は本に消える僕のお小遣い。


友達と外食なんて、初めての事だ。


うどん、と書かれた看板の下に、メニュー写真がある。


乙女ですって 184 (R-18) あなたの居る所で暮らしたい

Posted by 碧井 漪 on  

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ドキッ。


こういう時、何て答える?


“男の家”に”覚悟”と続いたらアレよね。そういう事よね。


18ならいざ知らず、28ですから、どんと来い!


「覚悟?何の?」


訊き返しながら、真琴さんもそういう事を考えていたのかと考えて頬が緩んだ。


真琴さんは私を見ても、何も言わなかった。


もう、私だけ恥ずかしい。”覚悟”って何の覚悟よ。ハッキリ言って。


「何の覚悟でしょうか?ハッキリ言ってくれないとわかりませーん。」


私だけそういう気でいたって、あなたにその気がないなら”覚悟”なんて”空振り”だから。


真琴さんは、また何も言わない。


縺曖 115

Posted by 碧井 漪 on  

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図書館から駅まで歩く途中、どちらともなく手を離し、並んで歩いた。


背中側から吹いて来る風が、少し伸びた後ろ髪を擽るようにてっぺんまで持ち上げる。


僕の心みたいに浮かれて踊る髪の先。


中央図書館、本、友達、

しあわせがいっぺんに訪れた僕を、さわやかな初夏の風が祝福してくれているかのようだ。


「このあと、どうする?」皇くんに訊ねられた。


丁寧な口調より、こちらの方が嬉しい。

乙女ですって 183 (R-18) 男の家に泊まる覚悟

Posted by 碧井 漪 on  


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「え、あー、ごほん!」


抱き合う私達の横で、男の咳払いが響いた。


「コタロー。」真琴さんは私を抱いていた腕を緩め、顔を上げた。


「お取込み中、悪いな。」


「あ、いや、俺の方が。ごめん、こいつ勝手に入り込んで。」


「彼女が”例の子”か。へー、そうか。初めまして、ここのオーナーでこいつのダチの飯田虎太郎です。」


“例の子”って何?

縺曖 114

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太枠内の記入欄を埋める事を急ぐ僕に、

「さっきの、ああやってカウンターの上に出されたら、誰だってここで書くものかと思っちゃうよね。」と用紙を覗き込むように顔を近付けた皇くんが囁いた。


「え?」


「俺だったら移動するの面倒だから、ここで書いていいですか?とか言っちゃってたかも。」


トン、と僕の背中が叩かれた。皇くんの空いている左手で。


僕は唇にきゅっと力を込めた。笑い出さないように。でも、口の両端が上がってしまうのは止められなかった。



銀と千の心 22 (R-18)

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小説15禁・18禁(性描写あり)


「んぅ・・・っ!」


クリクリ、クリクリと、銀矢は千里の乳首を左右同時に抓んで転がし始めた。


「感じる?」銀矢の唇は次に千里の右耳を食んだ。


クチャ、クチャッ、


耳殻を舌で濡らされる感覚に、千里はぶるりと身を震わせる。


「俺の事、好き?」


「好き・・・」


はぁ、はぁ、はぁっ、熱い息を繰り返してしまう中、プチッ、ズボンのホックを外されて、ジーッ、ファスナーを開かれた。


銀矢の手は千里のショーツを掻い潜り、その指先は、千里が敏感に反応する場所に辿り着いた。


傾いて赤みを帯びた陽は窓枠の影と共に長く延び、部屋の壁際で息を乱す二人の近くまで迫っていた。


「パ・・・銀矢・・・・・・」


欲しい、また、胸を吸って、蜜穴を指でぐちゃぐちゃ掻き混ぜて、それからここに熱くて太いあなたのモノを・・・

雨のち晴れた日に 14 見つけたんだ

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リアル・恋愛小説



靴下を履いていても、俺のつま先はとうに冷え切っていて、目の前には、いつも使っている俺の布団に包(くる)まる由佳が俺にも布団に入れと誘っている。


エッチな意味というよりも、この寒さに負けた。


頭の中でそう言い訳して、「少しだけだぞ」と入った布団の中は、いつもの布団とは違う熱を帯びていた。


由佳に背を向けると、由佳は俺の背中に体をぴたりと寄せ、両手で俺の体にしがみ付いた。


やわらかくて、あったかい、そして擽ったい。


何故だか急にどきどきと心拍数が跳ね上がり、息苦しくなった。


「真琴さん・・・ありがと。」


俺の背中に響く声。由佳は背中に顔を付けているのだろう。


「ありがと、って何。」


別に礼を言われる事なんか何もしてない。


縺曖 113

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図書館一階の『新規登録』と書かれた看板、その下にあるカウンター前まで連れて来られると、皇くんがパッと手を離した。


ああそうか、ここまで来たら手を繋ぐ必要はないから、と僕は、涼しくなった右手をグーの形にした。


そして、そんな僕を振り返って皇くんは、

「貸し出しカード、持ってないですよね?生徒手帳出して下さい。」と、図書館の職員の人の前で、さっきより丁寧な口調で話し掛けた。

馮離 A面 19

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車椅子1
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それから頑張ってはみたものの、

結局、形にならなかった。


これだという題材を決め、それから必要な資料を集め、一つ一つを組み立て、繋ぎ合わせる。


賞を取った小説を書いた時は確か、鉄筋コンクリート造りの三階建てを作ったような気分でいた。


今の俺は、基礎すら築けないでいる。


どうやって書いていた?


終わりの見えない渦の中から逃れたくて指を動かしてみても、それは小説に発展しない言葉の羅列に過ぎなかった。

縺曖 112

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オリジナル小説発表


どうして謝る必要があるのかと、伸長は皇の顔を見た。


「その本もいいですけど・・・」と、皇は浮かない顔で、伸長が開いたばかりの本へ視線を落とした。


伸長も、開いたまま持っている本に視線を移すと、その理由が分かった。


皇くんの言っていた本は、確か『れんあい』。

雨のち晴れた日に 13 これがそうだと言われれば

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恋愛小説(オリジナル)


家に帰って部屋を覗くと、親父はおとなしく眠っていた。おふくろも。


少しホッとしながら、いや、でも、どこで由佳を寝かせたらと考える俺に、

「お風呂、入って来たら?」小声で話し掛ける由佳。


「ああ、そうだな・・・って、お前は?風呂。」


「ああ、私は一日くらい入らなくても平気よ。」


そうは言うが、店の掃除させちまったから、埃被ってるだろ。


「こんなボロい家の風呂くらい遠慮するな。先に行け。あ、でも着替え・・・」


「持って来た。それじゃあ、お言葉に甘えて、お先にお風呂頂きます。」


「おう。」

縺曖 111

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伸長は皇と手を繋いだまま階段を上がり、三階に着くと、目に飛び込んで来る書架から目を逸らした。


皇は握る手にギュッと力を込め、「大丈夫。でも伸長も頑張って。」と言った。


“先輩”ではなく、名前を呼ばれて嬉しかった伸長は、奮起した。


絶対、先生の本以外に手を触れない。


そう決めて、左手をポケットに突っ込んだ。

銀と千の心 21 (R-18)

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ちょいエッチ


「買って行こう。こっちのじじばばの分も。」


「じじ、ばばって?」


視線を棚へ移すと、おじいちゃんの絵の下に『じぃじ』、おばあちゃんの絵の下に『ばぁば』とある。


「親父達のもないと僻むだろ?」


「え?これをお義父さんとお義母さんに?」


ふふっ、と千里は笑い出した。銀矢の両親はイラスト程、老けてはいないと。


「いいんだよ。聖矢達の”じじばば”なんだから。」

馮離 A面 18

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ケーキとコーヒー
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イラスト(イラストレーション、挿絵)


ゆうべを除けば、三日ぶりの食事。


慣れてしまった空腹感を手放す方が怖くなっている。


二人で作ったお粥、今朝は塩の量を慎重にしたから、問題はないと思う。


舌をやけどしないように、十分冷ました。


しかし、お粥の中に入れたレンゲを持つ手が上に上がらない。


俺のそんな状態に気付いて居ながら黙っていた賢さんも、とうとう


「食べられないなら、病院行くか。」脅すようにではなく、仕方がないという風に、考えている事を伝えて来た。

縺曖 110

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パチン。


皇に叩かれた伸長は、我に返った。


はっ!僕は・・・


伸長は、前に立つ皇と、ゆっくり目を合わせた。


「皇、くん・・・」


「・・・・・・」皇は黙って伸長を見ている。


「ごめんなさい・・・」

雨のち晴れた日に 12 しあわせは何かと考えて

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恋愛小説(オリジナル)


「あの赤いギター、コタローさんのですか?」


コタロー”さん”とか呼ばなくていい。


「そうそう。あれいいだろ。この前一目惚れして買ったけど、まだ使ってなかったヤツ。」


やっぱり新品かよ。


「コタロー、俺、そんないいヤツじゃなくていいって言ったろ?」


「何だっていいってお前が言ったんだろ?」


「そうだけど・・・」


「俺はずっと待ってた。お前がまた音楽やってくれるのを。」


「コタロー。」


俺は、今初めてコタローの気持ちを考えた。

縺曖 109

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図書館の自動ドアが左右に開いた。


さすが中央図書館、間口が広い。出て来る人と入る人が同時に擦れ違ってもぶつからない。


僕の一歩先で、前を見据えて進む皇くんの足取りは、少しも乱れない。


タッタッタッ、かな、トットットッ、かも。


僕は皇くんの足運びを見ていた。右、左、右、左、右・・・

乙女ですって 182 (R-18) 恋秒針

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リアル・恋愛小説


「ここまでギラギラ照明強くしなくても。熱いし、少し落とせよ。」


この声、やっぱり真琴さんだ。


どうして?さっきは音楽やめたって言って、ギターに触りもしなかったのに。


「いいから、このまま次行くぞ!」


「は?次?」


ダーン!


ドラムの音が鳴り響いた。


そして、タタタンタタタンタタタンタタタン、音を刻み出すと、

「やだよコタロー、俺ソレやんないよ。」とマイクを通した真琴さんの声がした。


「やれよ、練習だろ?俺、お前のこの曲叩けるんだよ。」


練習?あのコタローって人に誘われたからギター弾いてるの?


「・・・っとに。」仕方なさそうに吐き出した声は、笑ってた。

縺曖 108

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「先輩、怖いんですよね?分かりました。じゃあ・・・」と皇くんは背中を向けてしゃがみ込んだ。


「背中に乗って下さい。」


背中に乗る、って?


この体勢から見ると、おんぶするという事かな?


おんぶって、僕を?


銀と千の心 20 (R-18)

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「ごほごほ、ごほっ。」


何にも飲んでないのに、突然噎せたみたいに咳き込んだパパ。怪しい。まさか生徒を連れ込もうと考えた事が・・・?


「怪しまれない為、はあったのかもしれない。ただセックス目的で入ったんじゃないから。」


そうは言ったって、あれだけセックスした後だから、説得力がない。


「ほんとだって。千里を寝かせたいと思ってたんだ。」


「私を寝かせたいと思ってたのなら、出掛けるのはおかしいでしょ?」


どうしたんだろう、今日は口が止まらない。


「千里に悪いと思ってさ。本当は連れて行きたい所があったんだ。」


「本当にぃー?」

縺曖 107

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「先輩?」


足を止め、振り返った皇くんは、早くと手招きした。


でも、僕は動けない。どうしてしまったのだろう。


「行けないんだ。」


「いけないって、何がですか?」


雨のち晴れた日に 11 安らぎを覚える

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ダーン!


タタタンタタタンタタンタタタン、聞いた事のあるリズム。


俺の作った曲?ああ、そうだ。多分アレだ。


「やだよコタロー、俺ソレやんないよ。」とマイクを通して反抗すると、


「やれよ、練習だろ?俺、お前のこの曲叩けるんだよ。」意外な事を言い出した。


「・・・っとに。」いつの間に練習したんだよ、と呆れて笑った。


コタローは同じ小節を何度も繰り返して、俺が入るのを待っている。


・・・ったく、分かったよ。


マシココ、一番のヒット曲。

縺曖 106

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目の前に聳え立つ建物の外観は、開館当時の建築デザインにしてはモダンと言えるつくりで、一目見ただけでは、これが五階建ての建物だとは簡単に判らないようになっていた。


初めて見た人は、ここが図書館だと言われて驚くだろう雰囲気が漂っている。


「ここですよ、中央図書館。」


それは一度来た事がある僕は勿論知っている。


知らないのは内部、一階の児童書コーナー以外は知らない。


そういう訳で、ここは、何度か来た事がありそうな皇くんに任せた方が良さそうだ、と初めて訪れた人と大差ない僕は考えた。


何も知らない振りで・・・というより、一階フロア以外ほぼ知らないのだから、知らない、でいいんだ。


「じゃあ、行きましょう。」


皇くんは図書館の入口に続く階段前で、僕の手をパッと離した。


図書館に入るのに、手を繋いで・・・というのは確かに人の注目を浴びてしまう。



乙女ですって 181 (R-18) ギターを弾く男 ※「雨のち晴れた日に 10」

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現在23時10分前。


クラブの営業時間は0時まで。


真琴さんが店を出るのは、いつも午前1時過ぎだと言っていた。


それから家に帰って、お父さんの様子を見て、問題ないようだったら二階で寝ると。


23時からの入場だと確か1000円になった筈。


真琴さんはホール係だから、今夜も受付に居ない。


ワンドリンクのチケットを受け取り、騒がしい店内への扉を開けた。


ドンドンドンドンドン・・・派手な音楽とキャアキャア騒ぐ男女の声が混ざって落ち着かない雰囲気。

積み重なって解けるとき 57 (「風邪みたいに移して 47」)

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本当はキャンディーよりも、きみちゃんの唇が欲しいんだ。


昔もそうだった。


きみちゃんの小さな唇に触れたくて、僕のキャンディーはわざと最後まで残しておいた。


その事をきみちゃんに知られてしまったら軽蔑されそうだから、絶対に言わないけれど。


あの頃と同じようにどきどきしながら、僕はきみちゃんの唇に唇で触れた。


やわらかい。


さっきくちづけた時よりも、愛おしさを強く感じる。


好きだよ、この唇も髪も、きみちゃんのすべてが大好きだよ。


「・・・っ!・・・ん!」


縺曖 105

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それから皇くんが僕の右手に握っていた携帯電話をパタンと閉じると同時に、ジリリと鳴っていた音も止(や)んだ。


黒電話の音の出所(でどころ)は、皇くんの左手に握られた白いスマートフォンと思われる。


「逸(はぐ)れたかと思って、捜したんですよ?」


「ご、ごめんなさい。」


皇くん、僕を捜してくれていたんだ。


一人で先に行っちゃったかもしれないと思って、ごめん。


僕を待っててくれた事、捜してくれた事、嬉しくて、胸の奥がじんと熱くなった。

銀と千の心 19 (R-18)

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ちょいエッチ


二人なのに一つになれる、心もぴったり同じになれた。

あったかくて、

しあわせで、

昔は知らなかった。


セックスは、お互いを解り合う為に必要で、こんなにもしあわせになれる事だったのだと。


昔、カラダをおもちゃのように扱われ、された行為。


セックスは遊びなのだと、男を悦ばせる為に創られた女なのだからと、力尽くで組み敷かれ、嫌という程、苦く苦しい味を刻まれた。

風邪みたいに移して 47 (「積み重なって解けるとき 57」)

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公子は右手で胸をドンドン叩いて、苦しそうな表情で目を瞑っていた。


ごっくん!


「きみちゃん!」


「げほっ、けほけほけ・・・ほっ、ごほっ!」


「ごめんね、余計な事しちゃった。きみちゃん、大丈夫?」


哲は、キャンディーを飲み込んで苦しそうな表情になった公子の背中を手でさすった。


「う、うん、ダイジョウブ・・・」


「苦しかったね、ごめんね。」


哲が公子の背中を撫で続けていると、公子が涙を零し始めた。


「きみちゃん、苦しい?」


あ、ダメ、泣きそう。


苦しいよ、苦しかったよ、本当に、好きで好きで、切なくて苦しかった。


縺曖 104

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そうだ!皇くんの携帯電話に電話してみよう、と伸長は携帯電話を取り出した。


伸長は皇から貰ったメモに書かれていた携帯電話の番号を、自分の携帯電話の電話帳に登録しておいた。


パカッ。


二つ折りの黒い携帯電話を開き、ボタンを押した。

自殺相談所 20 自己防衛

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「どうしてですか?学校も会社も休めるのに、母親は休む事が許されないとでも?だからあなたはやめるしかないと考えて、死のうとなさったのですか?あなただけではなく、シュウくんも一緒に。」


「それは・・・」


「そうですね、一週間程、あなたには母親を休んで頂きましょう。別人になって下さい。それに伴って、シュウくん母である事、シュウくんのお父さんの妻である事も忘れて下さい。」


「そんな事、夫が許す訳がありません。」


「コズエさん、あなたは自分の為に死のうとした。それならば、自分の為に一週間生きてから死んで下さい。あなたの人生です。誰かが許す許さないは問題ではありません。夫にはあなたの葬儀の手配でもお願いしておく位でよろしいかと思います。」


「葬儀・・・」

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