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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

銀と千の心 11

Posted by 碧井 漪 on  

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助手席に乗り込み、シートベルトを締めた千里は、運転席の銀矢に訊かれた。


「さて・・・千里、どこ行きたい?」


「え?どこって、パ、先生の行きたい所でいいですよ?」


「先生って、千里・・・」


銀矢は丸くした目を、やわらかに細めて「千里が俺をパパと呼ばないの、久し振りだな。”パパ”よりは”先生”って呼ばれる方がいいな。」と言った。


「え、そうなの・・・?」


“パパ”より”先生”がいいの?


それってやっぱり、私を生徒として見ていた時の方が好きだったと聞こえる。


「じゃあ、先生。先生の行きたい所へ連れてって下さい。」


「俺の行きたい所か・・・うーん、どうしようかな。千里の希望はないの?」

縺曖 80

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『また今度』


信じようと思った。


「じゃあ、俺はこれで。」

とドアの方へ向かった皇くんの足が止まり、振り返った視線の先に、


さっき読んでいた小説の文庫本があった。


窓辺の床の上に置いたままの本。

紅い唇

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「やだ、カップに口紅付いちゃった。」

並んでまで入った喫茶店の紅茶よりもカップの方を気にする君に、

「どうして落ちない口紅を選ばないの?」と訊ねた。


「落ちないというか落ちにくい口紅はね、私の肌に合わないの。唇が荒れちゃうから。」


「ふうん。」


店に並ぶ口紅なんてどれも同じで、

違うのはメーカーや色や価格なんだとばかり思っていた。


馮離 A面 14

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馮離 A14
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「朝臣、食べよう。」


賢さんの声にハッとしてテーブルの上に目を遣ると、オーブンから取り出された特製ドリアの皿は一回り大きなプレートに載せられ、すでに中央に置かれていた。


白い湯気がゆらりゆらり、

賢さんは車椅子を動かし、俺をテーブルに着かせた。


そして、ポンと俺の肩に手を載せ「多分、美味いとは思うけど、保証はしないからな。」そう言って離れた後、賢さんは向かいの椅子に腰を下ろした。


白い陶器の小鉢に取り分けられたドリアは俺の前に置かれた。


白いソースの中から、グリーンと臙脂色が覗いている。


ブロッコリーとコンビーフ、どんな味になるだろう。


想像出来るような、けれど、想像を超える意外な味であるかもしれない事を期待して、

「いただきます。」とスプーンで掬った。

縺曖 79

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「それじゃあ、服も乾いたし、そろそろ帰ろうかな。」


時計を見ると、午後二時五十五分だった。お昼を食べていない事に気が付いた。


「あ・・・ごめん。着替え出せば良かったね。」


お昼も、という言葉は言い出せず、呑み込んだ。


「着替える程じゃ、なかったし。」


皇くんは両手で太腿の外側をパシンと叩いて見せた。


確かに、濡れた筈の内側と外側の色の差は無くなっていた。


「そっか。」

乙女ですって 180 (R-18) 一等星が消える日まで

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ファン、曲、芸能人・・・


別に、そんなのどうでもいい。


ギターを弾けるから何だって言うんだろう。


私、過去の真琴さんを知りたいって、それで―――知って、どうしたかったの?


これ以上好きになる?これ以上嫌いになる?


答えはどっちでもない。


過去を知っても知らなくても、私はこれからの真琴さんと生きて行く。


秘密にしておきたい事の一つや二つ、あったっていいじゃない。


私が間違ってた。

縺曖 78

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寝耳に水だった。


でも、今だったら本当に、僕の昼寝中にコップの水をバシャッと姉に掛けられても、怒りを感じないかもしれない。


本当に耳が、周囲がぼんやりする。


これは夢?夢なのか?


「俺は、先輩と友達になった気でいるけど、迷惑?」


銀と千の心 10

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「千里、顔が赤いけど、やっぱり熱が・・・」


椅子に座ったまま俯く千里の隣にしゃがみこんだ銀矢は、心配そうに千里の頬に手を当て、下から千里の顔を覗き込んだ。


ぽたっ、銀矢の頬に、温いしずくが落ちて来た。


見上げる千里は、ぐすっ、ぐす・・・と、泣いている。


「千里・・・」


「何で嘘吐くの?」


「嘘?」


「私と結婚したのは間違いだって、思ってるんじゃないの?」


乙女ですって 179 (R-18) ファン

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「西尾さん、どうしたんですか、こんな所で。」


驚いた声を上げた寺沢恵(てらさわめぐ)は、由佳の前でマスクを外した。


「やっぱり。」


同じ営業部の寺沢恵。私は内勤で、寺沢は外勤だけど。


社内一のイケメンモテ男。一時は溪と噂にもなって。


まぁ、溪は加集さん一筋だったから、寺沢には落ちなかったけど、もしやまだ溪の事を好きとか?


由佳がそんな事を考えている間、赤いコートの女性は、きょとんとした顔で、由佳と寺沢の顔を交互に見ていた。


「会社の方?」女性は控え目に訊ねた。


「ええ、はい。彼女さんですか?」


"彼女"かと付け加えたのは、由佳が寺沢との仲を疑われたら寺沢が可哀相だからと思っての事だった・・・のに、

「ぷーっ!」吹き出した寺沢に続いて、女性も笑いを隠すかのように、慌てて顔の下半分を両手で覆った。


縺曖 77

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「嬉しい、って・・・」どきどき、僕の胸が再び速く鳴り出した。


「俺、今まで家に友達呼んだ事がなくて、今日みたいなのって実は初めてで。なんか、凄く楽しかった。キャッチボールとか、何年振りって感じで。」


「僕も、楽しかった。あ、でも下手くそでごめんね。」


皇くんは、ふっと笑って、俺も似たようなもんだったでしょと言ってから、少し仰け反り、両手を後ろについた。


雨のち晴れた日に 9 それでも

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ピアノを諦めるしかなかったあの頃の、身を切るような切なさが ふと蘇った。


今の俺なら、ギターもピアノも弾こうと思えば弾けるのに、何故そうしないのか。


出来ないだなんて決めつけて、動けなくなっている、それは分かってる。


だって、二十年も経つんだ―――


楽器に触るのが怖いというのとは違う。


音楽をやめたのは、ファンと周囲の関係者に迷惑を掛けた反省から。


でも・・・


音楽が悪かった訳じゃない。


クスリに手を出した俺が悪いんだ。


縺曖 76

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そよそよ、窓から入って来る風の温度が変わったように感じられたのは、

アイスクリームを食べ終え、ジュースをコップ半分飲んだ時だった。


僕が、こほんと軽く咳をすると、皇くんが顔を上げ、手にしていたコップを床の上に移動しておいたトレーの上に置いた。


「ごちそうさまでした。」


コップの中には、小さくなった氷の粒だけが残されていた。


「あ、いいえ・・・」


僕は残っているオレンジジュースを、一息に飲み干して・・・ごほっ、ごほ!


雨のち晴れた日に 8 苦しみ

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真琴の母がパートから帰った夕方、真琴と由佳は家を出た。

そして駅前の通りを歩いていると、由佳が、

「ここ、入りたい。」そう言って真琴を引っ張り込んだのは、楽器店だった。


独特の匂いを嗅いだ途端、嫌な空気が体に纏わり付いた。


整然と並べられた音を奏でる為の物達が、目も無いのに、俺はじっと見据えられている感覚に囚われた。


『弾くの?弾かないの?』


まるでそんな声を発しているかのようで、俺は楽器以外に目を向けた。


「いらっしゃいませー。」


「ここに入ってどうするんだ?」


「ギター弾いてよ。あの赤いのとかよさそうじゃない?」と壁に提げられた赤いエレキギターを指差して言った。


あれか・・・赤いストラトキャスター。


「あのギター、買うの?」


「え、買うっていうか、その・・・」


「ひやかしで入っていい店じゃないだろ。」


イライラする。早くここから出たい。


「良い物だったら買うわよ!」

縺曖 75

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彼のような人が僕の友達だと、姉は信じてないかもしれない。


でも、だったらどうして家に連れて来たのかと首を傾げているだろう。


「先輩?どうしたの?」


僕はまた考え込んでいたらしい。


ハッとして、止めていた視線を左右に移動した。


窓辺に皇くん、机の上にはトレーに載せられたジュースとアイスクリーム。


「融けちゃう。」思わず漏らすと、

「え?」皇くんは、目を瞠った。

銀と千の心 9 (R-15)

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銀矢と向かい合った千里は、ダイニングテーブルの上に置いた両手を合わせて、ぎゅっと握った。


銀矢はコーヒーを啜った。


コチコチコチ・・・壁掛け時計の秒針の音が耳に迫る。


どうしよう、なんて切り出せばいいの?


千里は迷っていた。


浮気の事実があったら離婚。


ただし、銀矢が浮気をしていたとしても、今ここで銀矢が千里に正直に打ち明けるかどうかは分からない。


あっさり浮気を認められる事は嫌だけれど、しらを切られるのは、もっと嫌だった。


複雑。


乙女ですって 178 (R-18) 秘密のある関係

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「いらっしゃいませー。」


「ここに入ってどうするんだ?」


楽器店の中で淡々と訊ねる真琴の様子に、由佳は内心ビクビクしながらもそれを表に出さず、

「ギター弾いてよ。あの赤いのとか良さそうじゃない?」と壁に提げられた赤いエレキギターを指差して言った。


「あのギター、買うの?」


「え、買うっていうか、その・・・」


「ひやかしで入っていい店じゃないだろ。」


縺曖 74

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伸長が皇を ぼうっと見ていると、コンコン、背後でドアをノックする音が聞こえた。


その音にハッと顔を上げた皇と伸長の目が合った。


どことなく気まずいと感じた伸長は、コンコン、更に音のするドアを振り返り「はい」と返事をした。


ガチャッ、姉の手によって開かれたドアは、伸長の右側頭部にゴンとぶつかり、鈍い痛みを感じた。


「いた、っ・・・!」伸長は、思わず声を上げ、ぶつかった部分を右手で押さえた。


「あら、ごめんなさい。」


姉が僕に謝った。


雨のち晴れた日に 7 悩んで

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「さっき言ってたホワイトデーって何するんだ?」


洗濯物を干し終えて、台所の椅子に腰を下ろした俺は、お茶を煎れている由佳に、さっきされた話の続きを振った。


「バレンタインデーのお返しよ。」


「あの、座布団みたいなお菓子のお返し?おはぎでも作るか?」


何とかショコラ、硬くてモソモソして、甘いと言うより焼け焦げた味の由佳の手作り菓子。


思い出すと笑える。一生懸命作ってあれかよ。


由佳は、むーっ、とほっぺたを膨らませた。


「違うわよ!普通はクッキーやキャンディーやマシュマロ・・・」


そこで由佳は、ハッとし、口を噤んだ。


お茶を啜った俺は、ふーっと息を吐いてから、

「俺だってテレビ見て、ホワイトデーの知識ぐらいはあるさ。ただ、お前はそんなもん欲しがらないかと思ってさ。それとも、マシュマロでいいのか?」

そう言って、にやりと笑ってみる。


縺曖 73

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友達を作る―――小学生の時に出来なかった事は、高校生になった今、

もっと難しくなったと感じている。


「あんた、それだけ持って行くの?」


ぼんやりしていた耳に姉の声が突き刺さり、僕の背筋がピッと伸びた。


「それだけって、えっと・・・」


僕は理解出来ずに、丸盆の縁を握りながら姉の言葉をただ繰り返した。


乙女ですって 177 (R-18) しあわせ配達人

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翌日、3月14日土曜の朝。


加集の部屋に泊まった溪は、隣で眠る加集の頬に人指し指で触れた。


すると加集はビクリと肩を揺らし、目を開いた。


溪は指が冷たかったのかもしれないと、「ごめんなさい」と呟いた。


溪を見た加集は目を細め、「おはよ、どうして謝ったの?」と訊いた。


「指、冷たかったのかと思って。」


「ああ、溪ちゃんは体温低いから。」


「やせっぽちで、抱き甲斐ないですもんね・・・」


残念そうにそう言った溪を、加集は手招きし、掛布団を捲り上げた。


加集はシングルベッドを捨て、溪が泊まりやすいように厚目のマットレスと布団を二組用意した。


今は溪と二人、シングル布団を二つ並べ、くっつけて使用している。


銀と千の心 8

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「いってらっしゃい。」


「わーいわーい、でんしゃー!」


「お弁当は持ったし、あなたカメラ持った?・・・持ったの。それじゃあ、いってきます。」


「すみません。お父さんお母さん、よろしくお願いします。」


「心配しないで、千里ちゃん。たまには家でゆっくりしてね。」


「お母さん・・・」


「帰る時に電話するから。」


「はい。」


千里は家の前で手を振り、動物園へ向かう四人の背中を見送った。


そして、振り返ると家を見上げた。


馮離 A面 13

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馮離A13
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賢さん特製ドリアが焼き上がった。


賢さんがミトンを嵌めた手でオーブンを開けると、白い湯気と共に、焦げたチーズの匂いがキッチンに立ち込めた。


「ありゃ、焦げた。」


オーブンの前にしゃがみ込む彼の横顔、赤い舌の先が口から覗いた。


車椅子で近付く俺と視線の高さが一緒。


両脚が不自由になる前は気にならなかった他者の目線の位置。


今はとても気になる。背が低い、そういうレベルではない。


相手が立っていると、常に座位の低い位置に目線がある俺は、見上げる姿勢になる。

首が疲れる、それはあるけれど、大した事ではない。


見下(みお)ろされる、見下(みくだ)される。


相手が全員、俺を見下(みくだ)している訳ではないだろうが、文字通り、そんな気持ちにもなる。


縺曖 71

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僕の部屋には面白い物が何もない。


不機嫌な姉も居る家に招かれた皇くんには、何も得る物がない。


ごめんね。これじゃあ、皇くんが帰ると言っても仕方がない。


結局、僕は家に友達を呼ぶ事の叶わない人間だったんだ。


僕と一緒に居ても、楽しめない。


それが分かっただけでも、良かったじゃないか。

馮離 B面 22

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「ザッとシャワー浴びて、支度したら出よう。」


俺はベッドの足元をぐるりとして、朝臣の方へ回り込んだ。


俺を見上げる瞳が眩しい。


朝臣の小説の中で、キスマークは所有印だという表現があったが、

今まで半信半疑だった。


しかし今日の朝臣は、この背中を、俺以外誰の目にも触れさせる事が出来なくなった。


元より、俺以外に見せる事は無いのだが、

それでも・・・という、更に枷を増やしたような気持ち。


「何、見てんの?」


「いや・・・」


「あのさ、一つ忘れてた事があって。」


「何だ?」


馮離 B面 21

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馮離21
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「今日は熱無いだろ。自分で飲め。」


「ケチ。じゃあ要らない。トイレ行きたくなるし。」


「飲めよ。脱水になるだろ。」


「嫌だ。おやすみ。」


そう言った朝臣は、背中に当てていた枕を抜き取ってポイと投げて戻すと、

両腕の力だけで、布団の中に頭まで潜り込んだ。


「こら、朝臣!」


縺曖 69

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「はぁ?伸長?鍵持ってるでしょ?チャイム鳴らさないで、鍵位、自分で開けなさいよね!」僕だと判って豹変した姉の金切り声がドアの向こうから響き、

その後すぐに、

カチャン、と鍵が内側から開いた。


腹を立てながらも開けてくれる所は親切だけど、「もう!折角、本読んでたのに!」姉は一言多かった。


「ごめん・・・お母さんは?」


僕の計画では、チャイムを鳴らした後、出て来た母に皇くんを紹介する筈だった。


銀と千の心 7 (R-15)

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ゴトッ。


震えた千里の手から、机の上にスマートフォンが滑り落ちた。


千里は机の上のスマートフォンを両手で拾い上げ、隠すように胸の前に抱えると、おそるおそる振り返った。


聖矢も寿矢も銀矢も、今の物音では起きずに、よく眠っていた。


ほっと胸を撫で下ろした千里は、両手で握る銀矢のスマートフォンの画面を再び見つめた。


スクールソックス、ラブホテル、女子生徒、えっち・・・


頭の中をぐるぐると巡るのは、銀矢が女子生徒とラブホテルでえっちな事をしようと考えているという想像だった。


千里の胸に、夢の中で感じたモヤモヤと吐き気が蘇った。


気持ち悪い・・・自分も同じ事をしていたとはいえ、あれは卒業する頃で、


先生とカラダの関係を持っていたのは二か月に一度位で、それもラブホテルではなく、先生のマンションでだった。


馮離 B面 20

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ペットボトル
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そう言う俺にも、秘密はあるが。


胸の奥に、何かがじわりと熱く滲む。


こんな事しなくたって、俺は朝臣の事を、いつまでも変わらず―――いや、それは違うか。


無償で不変な愛は、この世界に存在しない。


何か、見返りがあるから成り立つんだ。


俺の場合は、小説。


朝臣の最高傑作が読みたい。


小説が完成した時、俺の役目は終わる。


縺曖 68

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伸長は、自宅へ向かう道を黙々と辿りながら考えていた。


どうしたんだろう、今日の僕は。


いつもと違う。


高揚する気持ちを落ち着かせようとするけれど、落ち着かない。


とてもいい気分だった。


友達として皇くんを自宅に招く事に成功した僕は、昨日までの、一人も友達が居ない駄目人間じゃないと思えた。


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