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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

自殺相談所 12 自活

Posted by 碧井 漪 on  

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「それじゃあ、自殺を防ぎようがないですよ。」


俺なんかが話を聴いた位で、相談者の自殺を食い止めるなんて到底無理だと思えた。


「自殺を考えるのは、特別な人ではありません。誰しも、命を持っていて、命の価値を考えたことのある人ならば、自殺の選択肢を持っています。そして、他人とぶつかるのを恐れる人は、選択肢を増やすことが出来ません。」


「それって、人と関わらないと自殺を選びたくなるってことですか?逆に、人と話すと疲れて死にたくなるって事もあると思うんですけど・・・」


「話しているだけではぶつかった事にならない場合もあります。建前で話してもぶつかった事にはなりません。しかし、本音を話さず、他人とぶつかるのを避ける人もいます。疲れるというのは、感じている事を吐き出せない時です。嘘を吐く罪悪感、虚無感、他者と自分を比べて感じる敗北感に劣等感。それらを感じても、隠したり我慢したりしなければ、人のストレスは減り、活力が湧くのです。」


「活力?」


「活きる力です。」


「じゃあ、ストレスを抱えたままで、活力が湧かないと・・・」


百世不磨の心 85 (ムーンライトノベルズ100話) 三角関係?

Posted by 碧井 漪 on  

百世不磨の心100
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2019年5月4日土曜日、午前8時、私と金ちゃんは朝早い電車に乗って、みゆきちゃんの予約した宿のある駅に着いた。


待ち合わせは8時半。あと30分ある。


現地集合なのは、仕事の為、みゆきちゃんが違う方面から来るからだった。


とりあえず、と、古い平屋の駅舎を出ると、小さなロータリーを挟んだ向かいに、看板の手描き文字が消えかけた商店があった。時間が時間だからまだ開いていない。


今朝は晴れているけれど、この地方の初夏の風は、私達の暮らす街より温度が低かった。


「朝だから涼しいね。」


「山登るし、長袖だから平気だろ。」


「ねぇ、金ちゃんは山に登らなくてもいいと思うけど・・・」


「じゃあ、宿にチェックインするまで、俺に、ここで一人待ってろって言うの?」


「そんなこと言ってないよ。だけど、カラダ、心配だから。先に宿に行って待ってても大丈夫だと思うよ?」


「嫌だね。琥珀とみゆきちゃんが、山で二人っきりなんて。ナニするか分かったもんじゃない。」


「そんな、みゆきちゃんとは何にもないってば!」


「どうだか。」


「むー・・・ないもん!」


「時間まで、そこのベンチに座って待ってよう。」


「うん。」


SとS (BL) まだまだ続いてごめんなさい編 (R-18)

Posted by 碧井 漪 on  

セイ-1
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「ああ、あの時のは、”こんなこと、して性欲を満たしたって、いつまでも心まで繋ぎ留めておける訳ないんだから、やめよう”って考えてた。でも、今夜はお前が求めたから応じた。」


「心を繋ぎ留めておくってなんですか。」


「心変わりする確率が高いのは俺の方じゃない・・・どんどん頼もしくなって行く瞬太朗を見ていると、そのうち俺なんて必要なくなって、瞬太朗に置いてかれるなと感じて辛くなる。」


「置いてかれる・・・あ、セックスのこと?激しくなっちゃうからってあの、それは気を付けます。つい・・・」


「いいんだ。それが当たり前だし、逆に元気なかったら体調が悪いんじゃないかと不安になるよ。そうじゃなくて、なんかさ、最近の俺は父親というより、母親みたいな気分になってさ。瞬太朗は、いつか誰かを俺のことより好きになって、結婚したいって思うんじゃないかなって・・・その時、俺はヒメみたいに、瞬太朗のことを多分送り出せない。ヨメにしたいという女に嫉妬して結婚を反対して、息子としてでもどうしても一生、縛っておきたい気持ちを我慢出来ないんじゃないかって。その時・・・憎くなるかもしれない、瞬太朗のこと・・・ほんと、今更だけど、ヒメに悪いことしたからその報いだろうなって、心底思う。」


「またそんなこと言ってる。俺は、あなたと結婚したと何度も言ったでしょう?一生縛っていいって言ってるでしょう?この命は、あなたに捧げたんだから。俺は絶対浮気もしないし、あなたに嫉妬もさせません。ただ、あなたの血を残せないのが悔しいけれど。」


百世不磨の心 84 (ムーンライトノベルズ99話)

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百世99
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今度こそもう・・・と思った琥珀は、迫る金矢の視線に身震いした。


「金ちゃん・・・」


「・・・・・・」


布団の上に倒した琥珀の体の上に覆い被さり、両手首を上から押え付けた金矢を、仰向けの姿勢のまま見ていた琥珀は、黙ったまま目を閉じ、力を抜いた。


何を言っても伝わらないなら、何も言わない。


諦めた訳じゃない。本当にわかって欲しいよ。


でも、どうすることも出来ない。上手く伝えられない。


こうして私がもどかしいように、金ちゃんも、もどかしいのかもしれない。


だったら、金ちゃんの気の済むようにしていい。

心に滲む色

Posted by 碧井 漪 on  

心に滲む色
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夕焼けだ。


今日は特に大きく見える夕陽が追い掛けて来る。



好きになれない時間。



目を伏せ、逃げるように家路を急いだ。





綺麗な色なのに、好きじゃなくなったのは、


悲しみで胸が潰れそうな位、苦しくなる記憶からかもしれない。



別れたのは、こんな夕方だった。最後にしたのは私から。




あの人に愛されていた、そう思えばもっと辛くなる。


今もしがみついていたら、まだ傍にいられたのかな。


バッドエンドアンドハッピーリスタート 3 最終話

Posted by 碧井 漪 on  

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過去のあの時、二つあった道は、一つしか選べなかった。


未来は二つあったと考えていたあの頃を振り返って思う。


結局人生は一つしかなかったと。


初めからこうなる運命だったのかと考えたり、

いや、あの時、もう一つの人生を選んでいたらと溜め息を吐いてみる。


あの頃の私の人生を大きく動かす力になったのは、なんといっても「恋」だった。


「恋人」と別れる、それを決めた日が分岐点だったと思っていた人生は、そうではなかった。





百世不磨の心 83 (ムーンライトノベルズ98話)

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「明後日、一泊、温泉・・・場所はメールした?うん、わかった。それじゃ、また・・・」


美優生との電話を終えた琥珀を待ち構えていたのは、真っ直ぐな金矢のまなざしだった。


「電話、みゆきちゃんだったの?」


「うん・・・」


「一泊って、二人で旅行でも行くの?」


「・・・うん。」


「そう・・・」


それから、金ちゃんは黙ってご飯を食べ終え、片付けを始めた。


洗い物をする金ちゃんに向かって、「私がやる」と言うと、金ちゃんは、


「階段から奥、西側が風呂場だから。」それだけ言って、私の下げた食器も洗い始めた。



百世不磨の心 82 (ムーンライトノベルズ97話)

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「死んじゃう・・・か。俺は、死ぬまであと何回、しあわせって思えるのかな。」


「あと何回って、それは自分次第でしょう?」


「自分次第?」


「そうだよ。しあわせはね、待っているだけだったら掴めないの。あっ、これだ!って思ったら、こうね、走って行って、ガッ!て掴・・・あっ、ごめん、走らなくてもね、掴めるよ。」


「いや、走らないと無理だったよ。さっき、もし、琥珀に追い付けなかったら、昔みたいにまた、諦めてたかもしれない。死んでもいいって思った訳じゃないけど、追い掛けなかったら死ぬまで後悔すると思った・・・なんて、実はさ、あれくらいなら走っても平気なんだ。引き留めたくて少し芝居した。ごめんな。」


「金ちゃん・・・」


「鳥飼さんと話していて思った。運命が決まっているなら頑張っても頑張らなくても同じだなんて、諦めること、俺もそうだったって反省した。やりたいこと、掴みたい夢、本当にあるのなら、不安を大きくする前に踏み出せって背中を押したくて・・・実は俺が押された。俺自身、踏み出せないのに生徒に踏み出せって間違ってるだろ?俺の夢は二つある。一つは掴んだ、教師になること。もう一つは・・・」


「なぁに?」


「その前に、昔の約束って、まだ有効?」


「どんな約束?はっ!処女の件は・・・」


「違う。もっと重要。」


「え・・・?えーと、えーと、何?」


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