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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

自殺相談所 11 自ら

Posted by 碧井 漪 on  

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楽に生きたい。


そう口にした事は無かった。


そんな軽口を叩く奴らを、軽蔑した振りをして、本当は羨んでいたと理解出来た。


昨日、自殺相談所所長のタナカと話している時の俺は、嫌なものに目を瞑り、自分のしたい事だけしかしたくない、ただの我が儘な人間だと思えた。


金にならないから、そんな理由は、今だって金にならない仕事しか出来てない俺に振りかざせる言葉ではない。


他の相談員達は別の仕事で生計を立てつつ、自殺を考える人の話を無償で聴く。


その上で何かするのかと訊いたら、『何もしない』タナカはそう答えた。


人の話を聴くだけ、それにどんな意味がある?どんな利益を齎(もたら)す?


俺は考えて、自ら答えを導き出した。

百世不磨の心 81 (ムーンライトノベルズ96話)

Posted by 碧井 漪 on  

百世96

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「ねぇ金ちゃん、何で突然キスしたの?」


「好きだからに決まってるだろ。」


好き、それを嘘だと思いたいか、本当だと思いたいか。


恋って、結局思い込み?


金ちゃんが私を好きなのも、私が金ちゃんを好きなのも、思い込みなんじゃない?


思い込み・・・だとしても、金ちゃんはかなり頑固だから、きっとそれを簡単には認めてくれない。


私だって思い込んだら一直線なところはある。


「好きって言われても、よくわからな・・・」


「琥珀。俺は今もまだ琥珀に恋してる。琥珀は俺のこと、どう思ってる?好き?それとも」「わから、ない・・・これが恋なのかどうか、今はもうわからない・・・」


琥珀は頭を抱えるようにして、両耳を塞いだ。


百世不磨の心 80 (ムーンライトノベルズ95話) 恋の授業

Posted by 碧井 漪 on  

百世95

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「・・・俺も、琥珀のことが好きだから。」


「・・・・・・」好きって・・・金ちゃん。駄目だよ、今更。


どくっ、どくっ・・・あの日から高く響くことのなくなった胸の奥が、強い鼓動を打ち始めた感覚に陥った。


「違う。愛してる、かな。琥珀がこの世に生きていてくれるだけで俺も、生きていたくなる。」


私も、同じこと、思ってた・・・金ちゃんが、生きていてくれればいいって、会えなくても元気ならそれでいいって―――それって、愛してるってことなの?


わからない、私には・・・きっと無理なんだ。もう、あんな辛い思い二度としたくない。恋も愛も、二度と出来ない。


「私は、もう二度と恋とか、愛とか、したくない、ので・・・」


「どういうこと?みゆきちゃんと付き合っているんじゃないの?」


「付き合うって、そういう・・・恋人とかじゃないから。」


「どうして?」


「無理・・・もう、誰かと付き合うとか、出来ない―――だって、嘘だもん。誰かを永遠に好きでなんていられないもん。人の心は変わるの。だから、もう恋とか愛とか信じられない!」


「・・・俺のせい?」


「金ちゃんのせいだけじゃないけど、うん・・・金ちゃんのせいでもある。」


「じゃあ俺が、責任取るよ。恋が出来なくなった琥珀の心、俺が奪っていい?」


「私の心?」奪うって、それって、また金ちゃんに恋しろってこと?


「心臓を俺にくれるって言ってたよね?」あ、そういうこと。


「心臓は、今はあげられません。あの頃の私とは違うので。」


金ちゃんのことを"好きじゃない、嫌い"と言えなかったあの頃とは違う。


でも、心臓はあの頃と変わらずドキドキしてる。


みゆきちゃんといる時には感じないドキドキが、止められない。


「俺の心臓、壊れそうなんだ。琥珀のせいで。」




百世不磨の心 79 (ムーンライトノベルズ94話)

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百世94

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「あの人が担任かぁ・・・若くて頼りない感じ。女だし。」


中学一年の男子生徒、鳥飼(とりい)が、窓から覗く夕焼けの終わる空を見つめ、溜め息と一緒に吐き出した。


「そう?頼りなさそうだった?」ふふ・・・とフリースクールの30代の男性教師は目を細めて笑った。


眩しい西日が届かなくなって来た頃、三人で面談した萩原先生は、フリースクールを後にした。


「家庭訪問でフリースクールまで来る先生っていました?」


「うーん、今のところいないね。電話は来るけど。」


「変わってますよね、あの先生。」


「ああ、変わってる、けど、立派になった。」


「立派って?え・・・?先生、萩原先生のこと、知ってるんですか?さっき全然、知り合いっぽくなかったですけど・・・」


「知ってるよ。中学生の時から。彼女の自殺を止めたのは俺だから。」


「えっ!嘘!自殺?さっきの人が?」


「まあ、人生色々あるから。」


「人生色々かぁ・・・ねぇ、先生、自分の運命ってもう決まってるんですか?」


「決まってるって、どういう意味?」


百世不磨の心 78 (ムーンライトノベルズ93話)

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百世93

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健康な人には、"普通"は当たり前。


死に繋がるきっかけなど全く意識しなくてもいい普通の生活というものが0と同じ。


健康に不安を抱く人には、普通は0以上の恵まれたものに思える。


"普通"を持っている人には、真っ直ぐ一生懸命、何にも脅かされない命を大切に生きて欲しいと、0を普通に当たり前に生きていない括りを受けた人間は、自分の願いを託してしまう。


"普通"に持てない制限付きの自由の範囲で生きなくてはならない。


"普通"といわれる世界とは一枚隔てた籠の中で、人一倍気を遣わないと、日常生活というものを送るのも難しい体を抱えている人のことを"普通"の人は考えない。


制限のない人生を自由に楽しめる体と心、しあわせな暮らしを当たり前以下だと自ら捨てようとする人は、なんて愚かなんだろうと嘆きたくなる。


今感じている一瞬の苦しみに、目を閉じたくなる気持ちは理解出来る。


それがずっと続いていたら、自ら生を諦めなくても、人は死ぬ。


痛くて痛くて、苦しくて苦しい。


果てのない痛みも苦しみも終わる日が、いつか来る。急がなくても、いずれ必ずやって来る。




エロひいき 9 投票御礼 投票して下さいました皆さま、ありがとうございました。

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休載中、恋愛小説の投票結果です。




そして comico「それから、ずっと、愛してる」(どこまで削れるのか改稿版)更新中です。


こうして読むと、かなり(//x//;)な内容だなと思います。改めて、ココがアレだと、イロイロ勉強になります。





相違相恋 31

Posted by 碧井 漪 on  

相違31

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6時間目、現国の時間。退屈で、この時間は特に眠い。


廉(すなお)は教室の自分の席に着き、机の上のノートにぼんやり視線を落としながら、少し窮屈になって来たうわばきのかかとをこっそり踏んだ。


誰も気に留めない。


軽く痛んでいたつま先だけじゃなく、全体的に少し開放されたような気持ちを感じた。


ストレス、溜まってる、多分。


でも、上手い発散のさせ方なんてわからない。


放課後は部活だし、余計なことを考えながら練習している暇はない。



自殺相談所  10 自覚

Posted by 碧井 漪 on  

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二度と来ないと思っていたビルに、自ら足を踏み入れる事になるとは、思いもしなかった。


しかも翌日にだ。


9月2日。暑さのキツくなって来た昼前の時刻。


ビルの中は暗く、陽が当たってないから涼しいだろう・・・と考えていたが、エレベーターの中は冷房もなく、肌に風を感じない分、外より蒸し暑いと感じた。


貼り紙の横にぶら提げられたビニール袋には、使い捨てマスクとサングラスが入っている。


相談者なら着けるべき・・・しかし今日の俺は”相談者”なのか?


違う。背中のモヤモヤをばぁちゃんに祓って貰いたい―――つもりだったけど、今は不思議と感じなかった。


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