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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

SとS 17 (BL) ※R-18 会いたかった人

Posted by 碧井 漪 on   4 

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    劇場を出た瞬太朗は、後ろから付いて来る女性に向かって、「あの、トイレに行って来てもいいですか?顔を洗いたいので。」と告げ、

    映画館内の通路突き当りにあるトイレへ入ると、鏡を見た。


    酷い顔だな。


    センサーに手を翳すと、出て来たのはぬるま湯で、瞬太朗は顔をザブザブ洗った。


    目を半開きにして、濡れた手のままポケットからハンカチを出そうとしたら、「はい、これ使って。」と、目の辺りに白い布が押し当てられた。



    「え?何でここに・・・」


    ハンカチを顔に押し当てた女性の姿を見た瞬太郎は、ヒヤリとした。



    百世不磨の心 42 (R-18・ムーンライトノベルズ57話) ヘンな気持ち

    Posted by 碧井 漪 on   0 

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      「例え何人(なにびと)に認められなくても変えられないの。私は青木金矢を愛してる。」


      「ち・・・それは、俺が認めない。絶対違う!」


      「うん・・・もう言わないから安心して。銀矢は知ってる。私が金矢を好きな事。昔、私が万世の代わりにあなたにしたキスの事も。あなたも気付いて、たわよね、勿論。」


      「・・・・・・」


      「あなたが愛しているのは琥珀さんだって事は解ってる。それでいいの。私に何かをして欲しいと望んでいる訳じゃないの。ただ、金矢に生きていて欲しい、それを見守っていたいだけ。」


      「医師として?」


      「その前に、人として。」


      「じゃあ、何故・・・俺に、愛してると言ったの?」


      雨のち晴れた日に 5 もういちど

      Posted by 碧井 漪 on   0 

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        「どうやってって?こうやってよ。」


        由佳は立ち上がると、俺の膝の上を跨いで腰を下ろした。


        そして、首の後ろに両手を回し、顔を近付け、キスでもしそうな距離で止めた。


        「好き。キスして。」


        「ば、馬鹿か?」年甲斐もなく、心拍数が跳ね上がる。


        「もー、さっきから、ばかばか言わないでよね。ムカッとする。」


        キスしろだって?こんな話を聞かされた後で、何故キスをねだる。


        由佳の唇に向けた俺の視線の先が肌色にぼやけた瞬間、唇にやわらかい感触を覚えた。


        俺の方からしてとねだっておきながら、結局、由佳の方からキスして来てる。


        こいつ・・・


        俺を昂ぶらせておいて、キス一つで宥められるとか、舐めてんのか?


        雨のち晴れた日に 4 おわりまで 

        Posted by 碧井 漪 on   0 

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          居間の隅に置かれた、どこにでもある茶色の古びたダンボール箱、横面の製品名が黒ペンで消されている理由は何だろう?


          ま、これからする俺の過去話には関係ないが。


          埃とカビ臭さに塗(まみ)れた箱の角は風化して、ボロボロになっていた。


          よっこらせ、と部屋の隅に鎮座していたそれを、二十年近い眠りから醒まそうと、俺は抱え上げ・・・られなかった。


          古くて厚みのないダンボール箱は案外ずっしりと重く、無理して持ち上げたら、頼りない底はたちまち抜けるんじゃないかと思えたからだ。


          畳の上を引き摺って、正座する由佳の前に持ってくのも、どこかカッコ付かなく思えたので、まずは俺が中を改めようと、テープを使わずに組まれていた箱の蓋を、一枚ずつ解(ほど)いた。


          中はスクラップブックや週刊誌がギッシリと詰められていた。


          それらを退(ど)かすと現れたのは、プラスチックのケースに入ったCD一枚と、シングルと呼ばれる短冊形の紙に覆われたケースに入っている8センチCD四枚だった。


          母ちゃん、取っといたのか・・・これ。





          雨のち晴れた日に 3 はじめから

          Posted by 碧井 漪 on   0 

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            「お前、同じ組の原元(ハラモト)だっけ?ここ覗いて何してんの?」


            「別に・・・」ピアノが弾きたいとは言えなかった。女みたいだと、絶対に馬鹿にされると思った。


            俺をジロジロ見ていた虎太郎が俺のワイシャツの襟首を掴んで顔を近付けた。


            「なぁ、お前さあ、今ヒマ?」


            「え?」


            「ヒマなら来いよ。」


            俺はそのまま虎太郎にいつ鍵を開けたのか気付かなかった音楽室に連れ込まれた。


            「じゃ、お前これな?」と音楽準備室に置かれたスタンドから虎太郎が持ち上げて、いきなり俺に手渡したのは、スカイブルーの「これ何?」「エレキだよ。」「エレキ?」

            真琴が訊き返すと、一瞬呆れたような顔をして舌打ちした虎太郎は、

            「・・・ぎたあ。もしかして初めてか?」と真琴に訊きながら、ギターから手を離した。


            スチールの弦が六本張られたそれは、薄いボディーの見た目に反して重く、ずっしりしていて、真琴は落とさない様に両手で持った。




            SとS 16 (BL) 空っぽにしてしまうまで吐き出したい

            Posted by 碧井 漪 on   4 

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              自分の運命とはどんなもんなんだろう。


              暗くなった映画館の劇場内で、スクリーンからチカチカと発された光に目を細めながら、瞬太朗はセイの監督した映画のあらすじを踏まえ、これからセイの創り上げた世界の中に没頭しようという直前、頭の中で自身にそんな問いかけをした。


              セイ監督の映画は主人公の男性が自分の今まで歩いて来た人生を振り返りながら、この先の人生について考えるけれども、本当に心の底からしたい事が見つからなくて、自分は今まで何のために生きて来てこれから何のために生きて、死ぬまでに何かを残せるのだろうかと悩む男の生き様を周囲の人の人生を交えて描いている。


              主人公は今までただなんとなく生きて来た40手前の独身の男―――それを父・五月梧朗が演じている。


              スクリーンの中の世界で動く主人公の男は、父の顔によく似た別人だと思えた。


              何でも簡単に演じられる人、今までずっとそう思って来た。


              最近は少し違う。


              雨のち晴れた日に 2 奏でられない

              Posted by 碧井 漪 on   0 

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                ピンポーン。


                「あ、真琴さん、誰か来たみたい。」


                「え・・・?」


                一体、誰だ?首を傾げながら玄関へ向かうと、外から、

                「原元さーん、おはよーございまーす。」聞き慣れた通所介護施設の20代後半男性スタッフの声が聞こえて来た。


                デイサービス?今日はない筈じゃあ・・・と思いながら出ると、「お父さん、お迎えに来ました。もう出られますでしょうか?」

                「え、あ、はい・・・だけど、今日・・・?」土曜日だよな?と真琴は下駄箱の上の壁に貼られたカレンダーを振り返った。


                「今週は水曜が祝日だったんで、定員の都合上、土曜日に振り替えさせて貰ったんですけど、あれ?この前お話しして、なかったでしょうか?」


                「あー、そっか、そう言えば忘れてました。すみません、すぐ、支度して出ます。」


                いつも通りの行動が染みついていて、たった一つの変更にも対応出来なくなっていた事を反省した。


                「ゆっくりでいいですよ。慌てないで。」


                「すみません。」


                俺より年下だが、落ち着いた雰囲気の彼を見ると、俺の方が子どものような気さえして来る。


                仕事とはいえ、どんな時でもニコニコした顔を崩さない点は、尊敬に値する。


                親父の支度をして送り出すと、計(はか)らずも、この家の中に由佳と二人きりになってしまった。


                これを『絶好の機会』というのかもしれないが、心の半分に、過去を曝け出す事を望んでない俺がいる。


                『絶好』と言いたくない状況。いや、でもさっき、今日こそ話すと決めたじゃないか。だから『絶好の機会』でいいんだ。両親の居ない今だからこそ、ゆっくり話せる。


                由佳と分担して家事を片付けると、当然だがいつもの半分の時間で終わり、まだ昼まで二時間以上あった。


                早く話せ、いやもう少し後で・・・いや、今だ・・・そんな事を考えていると口を開けず、黙ったままでは間が持たないので、「茶でも煎れるか」とだけ言えた俺を抑え、「私にやらせて」と由佳が台所に立った。


                俺が仕事に行った後の時間、会社帰りの由佳はここに寄っていたらしい。


                だから、やかんも急須も湯呑みも茶筒のある位置も全て把握していて、この古びた台所に母が居なくても一人で慣れた様子でサッサッと茶を煎れる由佳を、目の当たりにした俺は複雑な気持ちになり、また口を開き損ねた。


                台所の椅子に座ると、テーブルの上に由佳が持って来た、窓付きの四角いデコレーションケーキ箱があった。


                こんな洒落たものは、何年も見てないな。


                子どもの頃、誕生日になると親父が会社帰りにケーキを買って来たのを思い出した。


                「あんまり上手に出来なかったんだけど、良かったら食べて・・・」と、振り向いた由佳は、照れた視線をケーキの箱に落としながら、箱を開けて中身を取り出した。


                「ぷっ・・・!」俺は思わず噴き出した。


                それは、ぺちゃんこの真っ黒な丸い・・・「鍋敷きか?」


                「し、失礼ね!ガトーショコラよっ!チョコケーキ。」


                真っ赤な頬をぷうっと膨らませて、ジロリと俺を睨む由佳、ますますイジメたくなる面白い顔だ。


                「ただの真っ黒焦げに見えるけど?」


                「焦げてないのっ!ビターチョコの色!」


                「はいはい、そういう事にしておくよ。」


                「もー、白い粉砂糖でお化粧したのに、全部溶けちゃったみたい・・・」


                「白い粉、ねぇ・・・」シロイコナ・・・・・・


                「食べる?」由佳は、唇を右手で包み、ぼんやりした視線をケーキに向けたままの真琴に訊ねた。


                「うん・・・」微かに返事と取れる音を、真琴は、隠している唇の奥から漏らした。


                真琴さんは訊いているのかいないのか判らないけど・・・その為に持って来たんだから、と由佳はケーキを八等分に切り分けたのち、皿に載せると、緑茶を注いだ湯呑みと共に真琴の前に置いた。


                湯呑みから上がる白い湯気が、考え事をして固まる真琴の顔をぼかした。


                由佳は自分がここにいてもいいのか訊けずに、ただ真琴から発される言葉を待っていた。


                拒絶されたら終わり、なんだけど・・・もし別れる事になったら、それでも仕方ない、またクラブの客の一人として、真琴に会いに行こうと由佳は考えてもいた。








                風邪みたいに移して 12

                Posted by 碧井 漪 on   0 

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                  2月16日月曜日の朝、

                  公子は、洗面台の鏡の前で大きな溜め息を吐いた。


                  それから出勤時刻ギリギリまで泣き腫らしてしまった目を何とかしようと、蒸しタオルで温めたり、氷水に浸けたタオルで冷やしたりを交互に繰り返した。


                  多少、よくなったけど・・・メイクしてもあまり誤魔化せない。


                  寝不足って嘘ついて、時間と共に腫れが引くのを気長に待つしかない。


                  てっちゃん、気にするかな?


                  ううん、しないで欲しい・・・だから私はお客さんが来るまでなるべく店の外にいよう。


                  外では掃除以外する事ないけどね。どうしようかな。


                  仕事休む、とか?・・・でもそれは今まで考えた事がなかった。


                  私が店内で接客しなければ、てっちゃんはお店を閉めるというかもしれない。


                  百世不磨の心 41 (ムーンライトノベルズ56話) 感じる距離

                  Posted by 碧井 漪 on   0 

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                    下着姿を見せるって本気か?・・・まさか冗談だよな、と思いつつ、琥珀に連れられてランジェリーショップに足を踏み入れた美優生は、周りを取り囲む絢爛豪華な女性用下着に、予想以上に息が詰まり、悪い事をしているような背徳感から逃げ出したくなっていた。


                    やっぱり無理だ、出よう、と自分の左手と繋がれている琥珀の右手を引っ張った時、

                    「いらっしゃいませー、あら、素敵なカップル。こちらに、お二人で入れる試着室ありますからどうぞー。」と、おそらく20代後半の女性店員が俺の背後にさっと回り込み、両手のひらでグイグイ背中を店奥に向かって押した。


                    え、あの、ちょっと!


                    体の両側にあるのがピラピラレースの下着類を陳列した棚でなかったのならば、声を上げたり拒否出来ただろうが、上手に避けなければ販売商品が腕に掠る程狭い所を押されている俺にその余裕はなかった。


                    店奥に着くと、ファッションビルの通路からは、男の俺がランジェリーショップ内に居るのは見えないと、少し息が出来るようになったが・・・赤、ピンク、オレンジ、白、黒!目の遣り場に困る上、別にスケベな事を考えてなくても緊張からか口元が勝手に緩み出す。


                    ははっ、笑ったらマズそうな場所であればある程笑い出しそうだ。


                    女性店員と話し始めた琥珀に背を向け、俺は試着室の方を向いた。


                    俺は穿いているジーンズの尻ポケの下をギュッと抓って、笑い出さないようにするのに必死だった。

                    風邪みたいに移して 11 (続・微BL 「TとK」?)

                    Posted by 碧井 漪 on   0 

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                      今日は疲れたーっ!


                      お風呂上がりのホカホカほわほわした体の私は、心地良い疲労感をお共に、ベッドの上にゴロンと転がった。


                      軽くてあったかいフリース生地の真新しいパジャマは、少し早いけど、と中学時代からの友人が誕生日プレゼントに宅配便で送ってくれた物。


                      ケーキとティーカップのプリントされたパジャマで、私がてっちゃんLOVEな事も知ってる友人は「仕事も恋もガンバレ!」とメッセージも付けてくれていた。


                      「恋も、かぁ・・・」ふぅ、と溜め息を吐いた。


                      今日、加集さんとお話していたら、てっちゃんと違うなって思った。


                      私やお母さんの話した昔の溪ちゃんの事を聞いていた時の加集さんは真剣で、お母さんが「結婚」の話を振ると、照れ笑いしながらそうなったらいいなと話してくれて、溪ちゃんはいいなって羨ましく思えた。


                      大好きな人に想って貰えて、結婚も・・・きっと真面目な加集さんとなら、溪ちゃんはしあわせな家庭を築ける、うんうん。


                      乙女ですって 141 (R-18) 非性愛―ノンセクシュアル

                      Posted by 碧井 漪 on   0 

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                        いや・・・でも、俺は菜津子さんにすでにフラれてるし、


                        それに、駄目元で結婚を申し込むなら、溪ちゃんに申し込む。


                        『セックスしなくていいから、結婚して下さい』と。


                        うん、そうしようか・・・


                        でも、真面目な溪ちゃんの事だから、『それは出来ません』とか言われそう。


                        どうしてか解ったかも、哲くんの言った意味。


                        逆に俺がセックス出来ないカラダだとして、溪ちゃんに好きだから結婚して欲しいと言われた場合、結婚しても子どもを授けてあげられないとしたら、


                        俺のせいで子どもを産めなくなる溪ちゃんに申し訳ないから結婚出来ない。



                        乙女ですって 140 (R-18) "K"の恋の行先

                        Posted by 碧井 漪 on   0 

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                          自分の部屋で溪の手帳を一通り読み終えた加集は大きな溜め息を吐いた。


                          そして、先刻の溪に別れを告げられた時の事を思い返していた。


                          溪ちゃんにセックス出来ないと言われた俺は・・・









                          ・・・えっ?


                          一生、セックス出来ない?


                          溪ちゃんはその理由を詳しく話してくれた。


                          君は変わり者なんじゃなくて不器用な正直者なんだね

                          Posted by 碧井 漪 on   2 

                          君は変わり者

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                            今日は朝から快晴だった。


                            天気予報も晴れるでしょうだった。


                            傘を持ち歩く人の居ない日だった。


                            それなのに、午後になると雨雲が蔓延(はびこ)り、

                            夕方には大量の雨粒が、

                            重たそうな灰色に変わり果てた空から落ちて来た。




                            積み重なって解けるとき 20

                            Posted by 碧井 漪 on   0 

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                              「はっ、はっ、はっ・・・あれ、姉ちゃん・・・」コースの半分を過ぎた辺りで、額から汗を滴らせている哲が走る速度を緩め、足踏みしながら振り向いた。


                              「はっ、はっ、哲、眼鏡無くても一人で店まで戻れるか・・・?」吉夜も哲と同じく、今走って来た道を振り向いた。


                              「行けるけど・・・吉夜?」哲は、どうするの?と訊ねる視線を吉夜の横顔に向けた時、


                              「哲はコース通り走って先にゴールしてて。俺が溪さんのとこ、戻る。」と吉夜は後ろに向かってゆっくり走り出した。


                              後方から、こちらに向かって走って来る小さな人影が、外灯の下を通る時だけ見える。


                              「僕が戻るよ。」哲はそう言ってみたが、吉夜の方が先にコースを戻って行っている。


                              「俺が行く。哲、眼鏡ないし、戻らないでこのまま行って。」吉夜は遠ざかりながら振り向き、同時に挙げた手で哲に向かって合図しながらそう叫んだ。



                              積み重なって解けるとき 19

                              Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                二月中旬の夜道の寒さは、素肌に突き刺さるように厳しく、溪の予想以上のものだった。


                                しかし、その寒気の刺激は走る内にだんだん感じなくなり、熱った体と苦しさを増す息の下で、溪は思い出したくなかった昔の記憶を蘇らせていた。





                                百世不磨の心 40 (ムーンライトノベルズ55話) 寂(しず)か 

                                Posted by 碧井 漪 on   2 

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                                  チリン、チリーン。


                                  甲高く澄んだ響きに、ベッドに背を凭れたまま眠ってしまっていた金矢はハッと目を開いた。


                                  しまい忘れ、カーテンレールに吊るしたままの風鈴か・・・一瞬、鈴の音かと思った。


                                  少しだけ開いたベランダ窓の外は、意識の有る時点では茜色だったのに、今はグレーがかっていた。


                                  昼と夜の差が大きくなった温度と秋の草花の匂いを混ぜた風が秋を運んで来た。


                                  涼しい風が吹き込む窓を閉めた金矢は、続けてカーテンを閉めると、部屋の灯かりを点けた。


                                  もう18時過ぎだな・・・夕飯の支度を終えてからずっと眠り込んでしまったようだ・・・


                                  「琥珀が来なくなったから退屈だな。銀矢は今日も遅いだろうし・・・」


                                  琥珀とは毎晩定時に電話で話していたが、試験や課題、それに加えて家庭教師のアルバイトを始めたと、忙しくも充実した学生生活を送る琥珀の大切な時間を削りたくないと、金矢は会話を必要最小限に止(とど)めていた。


                                  夏休みが明ける前から銀矢も忙しく、中旬になってもなお帰りは遅いし、千里(ちさと)とも会っていないのか、「千里は元気?」と何気なく千里の様子を銀矢に訊いてみても、「さあ?兄貴が電話してみれば?」と素っ気ない返事だけ。


                                  ふう・・・・・・


                                  乙女ですって 139 (R-18) わからない

                                  Posted by 碧井 漪 on   2 

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                                    時刻、2月15日20時過ぎ・・・溪ちゃんに会って、俺はたった今、自分の部屋に帰って来た。


                                    色々あって長い一日だった・・・


                                    部屋の灯かりと暖房を点け、コートを脱ぎ捨てると、大きな溜め息を吐きながら、両腕を枕にして、ラグの上にゴロンと寝転んだ。


                                    今日は午前中に美樹ちゃんと会い、ホテルを出た後 昼過ぎに別れ、午後二時頃から、溪ちゃんの弟・哲くんの経営する喫茶店で、溪ちゃんが帰って来るのを待っていた。


                                    溪ちゃんは今日、アパートを引き払う為に出掛けていた。


                                    俺も呼んでくれたら手伝えたのに・・・

                                    そんな風に思いながら、哲くんと溪ちゃんの幼馴染みのお店の女性、サトウキミコさんと、臨時でお手伝いだと、お話の好きなキミコさんのお母さんと、他にお客さんのいない店内でカウンターを挟み、昔の話を聞きながら溪ちゃんが帰って来るのを待っていた。


                                    カウンター内の白いカフェカーテンが朱に染まる頃、殆ど車通りのなかった外からエンジン音が聞こえて来て、思わず入口扉を振り返り、外に出て行ってみようか迷った時、キミコさんが背を向け、西窓のカーテンを捲って、外を覗いていた。


                                    バン、バタン!


                                    車のドアが閉められる音が聞こえた。


                                    「溪ちゃん、帰って来ました。今、外に・・・」


                                    くるっと振り向いたキミコさんは、ほっとしたというように微笑み、どうぞ行って下さいとでもいうように、右手で店の入口をさし示した。


                                    「ありがとう。」


                                    掛けていた椅子から立ち上がるとすぐ、店の外を目指した。


                                    ドキドキしながら。


                                    会えたら、なんて言おうか、何から・・・


                                    伝えたい事を考えていた筈なのに、溪ちゃんと顔を合わせたら、何だか目の前の溪ちゃんが本物みたいに見えなくなって戸惑った。


                                    溪ちゃんは俺に向けた目を瞠ったまま、何も言わなかった。


                                    風邪みたいに移して 10

                                    Posted by 碧井 漪 on   4 

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                                      それから少しして、お店の厨房に戻って来たお母さんと交替でお昼を済ませた。

                                      お天気は悪くないのに、今日は本当にお客さんの来ない日曜日の午後。

                                      普段だったら、パラパラ来るのに、お客さんは、由木さんご夫妻だけだった。


                                      カウンター内側の引き出し内を整頓しているお母さんに「こんなにお客さん来ないお店で潰れないの?」とか言われちゃったらおしまいのような気がして来て、目も合わせられないし、声も掛けずにいた。


                                      それこそ「他にお勤めしなさい」と、バックにカゼキチをつけて説得されたら、言い返せなくなりそう。


                                      この店の経営が苦しい事は知っているようで知らない。


                                      てっちゃんは収支の帳簿を私には見せてくれない。


                                      こっそり知りたくても無理だった。


                                      それら全ては、てっちゃんのお部屋のデスクトップPCで管理しているって話だから。


                                      私は大学を出て、このお店に勤めさせて貰って以来、てっちゃんのお部屋に入った事がない。


                                      大学在学中は勉強を教えて貰ったりしてお邪魔したけれど、それでもお店の中で教えて貰う比率が高かった。




                                      風邪みたいに移して 9

                                      Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                        「何それ、どういう意味?お母さん。」


                                        「いつまでここにいるつもりかって訊いてるの。」


                                        「・・・家を出ろって事?」


                                        「そうは言ってないわよ。あなたもいい年なんだからそろそろお嫁に行くとか、他の勤め口に行くとか」「行かない。」


                                        「行かないって、お母さんがあなたの年にはもう結婚」「だから?」


                                        いつもそう。


                                        お母さんは23歳で結婚して、25歳でお姉ちゃんを産んで私を30歳で産んだ、その話ばかり。


                                        だから何?


                                        私はお母さんと同じ年で子どもを産まなくちゃならない理由って何?って言いたくなるのを毎回我慢してる。


                                        親と同じように生きられたらしあわせとでも思っているのかな?



                                        風邪みたいに移して 8

                                        Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                          14日の夜、いつもの時刻より遅れて、てっちゃんと吉夜は日課のジョギングに出発した。


                                          いつも時間通りなのに、何かあったのかな?


                                          一か月経過して、てっちゃんの体重は現在18キロ減、すごいでしょ、すごいよね?


                                          これからあと一か月足らずでマイナス7キロって、無理・・・じゃなーい!


                                          無理って思っちゃうと無理になる、絶対にいける、やれる、てっちゃんなら達成出来る!


                                          ゼイゼイ、ハアハア、走ってもないのに興奮して息切れしちゃったわ。


                                          私に出来る事は、こうして毎晩、二階の窓から見守る事くらいで・・・って、これは何もしてないのと同じよね。


                                          うーん、しかも今日はチョコ渡して、困らせちゃった?し。


                                          てっちゃんがダイエット成功したら、たとえテレビの企画で優勝出来なかったとしても、何かてっちゃんの欲しい物をプレゼントしよう。


                                          何がいいかな?


                                          うーん、その時訊いてみよう、てっちゃんの欲しい物。


                                          百世不磨の心 39 (R-18・ムーンライトノベルズ54話) 虚飾の代価(だいか)

                                          Posted by 碧井 漪 on   0 

                                          百世54
                                          にほんブログ村 大人の生活ブログ 恋愛小説(愛欲)へ
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                                            唇を塞がれて覚える息苦しさに、彼の事を考えてしまう。


                                            いつもこんな苦しさに耐えて来た彼とは金矢、その彼と同じ顔を持つ双子の弟の銀矢は、塞いでいた私の唇から離れ、今、この首筋を鎖骨へ向かって辿っている。


                                            ぞく・・・


                                            肌が濡らされる刺激に、私の体は熱を帯びて来る。


                                            彼(きんや)にされる事のない行為を、こうして彼(きんや)によく似た人にされる。


                                            心にずっと開いたままの亀裂の中に、補うように埋めてくれるのは愛じゃなくてもいい。


                                            裏切り続けている罪悪感、それ以上に隠しているのは彼への想い。


                                            金矢に生きて居て欲しい。


                                            それを傍で見て居たい。


                                            私の欲望は、彼(きんや)の弟・銀矢を巻き込んでいる。


                                            銀矢が私以外の女の体を求めた事は決して責められない。


                                            心の中で私も同じ事をしている、当然だと思う。


                                            けれどもそれを認めて銀矢から手を離したら、私は金矢の傍に居る事さえ叶わなくなる。


                                            結婚なんてしたくない。生涯独りのままでいい。


                                            医者として、一人の人として、彼(きんや)の人生を最期まで見届けられたら、それだけでいい。


                                            それなのに、周りは放って置いてくれない。


                                            仕事でもそう、勧められるのは海外に留学して勉強したらと・・・日本を離れたくない私は断り続けている。


                                            両親は、兄弟のいない私に家を継げ、婿を貰えと次々にお見合いをさせ、断るのが大変だった。


                                            今落ち着いているのは、銀矢が私の婚約者として居てくれるから・・・こうして彼(きんや)の傍にも行ける生活が送れている。


                                            銀矢が別の女の許へ行ってしまったら、

                                            私は困る。愛もお金も要らない、ただ彼(きんや)の弟、家族であるという事が必要。





                                            風邪みたいに移して 7

                                            Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                              コツン、私の鼻の頭に何か触れた。


                                              ハッとして、瞑っていた目を開いたら、てっちゃんの両手が私の体から離れ、

                                              「これ僕に作ってくれたの?ありがとう。毎年すごいね、きみちゃんは器用だよね。」と調理台の上の艶々ガトーショコラを、てっちゃんは体を屈め、顔を近付けてじーっと見始めた。


                                              「やだ、そんな恥ずかしい、てっちゃんの方が器用だし、お菓子作るのも上手よ。」


                                              「そんな事ないよ。きみちゃんのお菓子の方が美味しいよ。後で、一緒に食べよう?」


                                              私を振り向いたてっちゃんの丸眼鏡の奥の目が細くなる。私の一番好きな顔。


                                              「うん!」


                                              大好き、てっちゃん。


                                              今日も面と向かって言えないけれど、心の中では毎日叫んでいるからね。



                                              風邪みたいに移して 6

                                              Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                                「な、何でもないっ!」と公子が厨房調理台下の冷蔵庫の前にしゃがみ込んで、背中で隠すようにしたのが逆効果だった。


                                                「今、何隠した。出せ。」


                                                調理台を回って来たカゼキチは、冷蔵庫扉の前にしゃがみ込んだ私の右腕を掴んだ。


                                                「やっ!いたっ、やめて・・・っ!」抵抗したけど、無駄だった。


                                                私をなんなくどかしたカゼキチに、見つかってしまった、冷蔵庫の中に隠した箱が。


                                                かくして、てっちゃんの為のガトーショコラは、顔を顰めたカゼキチの前に晒された。


                                                「このケーキって、もしかして・・・」


                                                風邪みたいに移して 5

                                                Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                                  ダイエット中のてっちゃんが、カゼキチにお菓子を作るのを禁じられて一か月。


                                                  公子が哲の為に手作りするのは毎年バレンタインデー。それ以外、クリスマスのお菓子はお店で一緒に作り、ホワイトデーのお菓子は哲一人で作る。


                                                  クッキー、キャラメル、マシュマロ、ホワイトチョコ・・・毎年、前年と違うものをくれる。


                                                  今年はどうするのかな・・・作っちゃだめって、言われてるから。


                                                  私の為ならと作ってはくれそうだけど、それをてっちゃんの前で一人で食べるのは嫌。


                                                  毎年一緒に食べてくれる時間が楽しいのに。


                                                  風邪みたいに移して 4 (微BL)

                                                  Posted by 碧井 漪 on   2 

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                                                    片想い中の乙女にとって、年に一度の大切なイベント、バレンタインデーがやって来る。


                                                    付き合っている恋人同士なら、お互いの誕生日やクリスマスに想いを確かめ合うのだろうが、


                                                    片想い中の私にとって今重要なのは、明日、2月14日のバレンタインデーだった。


                                                    2月13日金曜日、公子の自宅のキッチンの灯かりが消えたの深夜25時頃、つまり、バレンタインデー当日2月14日土曜日の午前1時を迎えてしまった。


                                                    ギリギリになってしまったのには訳があった。


                                                    積み重なって解けるとき 17

                                                    Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                                      加集さんはゆうべ僕にかけて来た電話で、今日の午後、コーヒーを飲みに店に来ると言っていた。


                                                      その前に姉ちゃんに電話を代わってと言われたけれど、その時姉ちゃんは部屋に籠って電話を代われそうな状態じゃなさそうだったから、代われず・・・つまり、加集さんはコーヒーを飲みたいんじゃなく、姉ちゃんに会いに来たいんだと分かった。


                                                      引越しの手伝いの為に店を臨時休業しようかと考えてもいたから、店を開けていなければならない状態で、引越しの話をしたら吉夜が車を借りて来てくれるといい、父も休みだからと手伝いに行ってくれる事になった。


                                                      それを知ったきみちゃんも、店番をきみちゃんのお母さんと一緒に引き受けてくれて、僕も引越しを手伝い、急いで終わらせて、あとは店で姉ちゃんを加集さんと引き合わせるだけだと思っていたのに、


                                                      それを戻る前に姉ちゃんに知られてしまうとは・・・


                                                      乙女ですって 138 (R-18) 恋慕

                                                      Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                                        世の女性から見て、男というのは性欲があって当たり前、しかも強くて、夜な夜な女を欲して発情しまくる生き物・・・

                                                        とか思われているんだろうか?溪ちゃんにも、美樹ちゃんにも・・・だからこうして美樹ちゃんが強行色仕掛けに打って出たのかな?


                                                        男は年中発情スイッチポチッとONが可能、そんな事”も”ない。


                                                        そんな事”は”ない、と言い切った方がいいか?


                                                        勿論、無性にそういうコトをシたい日もあるが、それは女性の生理と同じに(・・・してはいけないのかもしれないが)、男性もホルモンの働きによって・・・詳しい事はわからないけど、したい日もあるというだけで。それが女性より強く出やすいというだけで。


                                                        年齢や体調によって、女性の裸を見たからといって必ず勃起する訳でもない。


                                                        勃起する男性象徴の形や大きさが機能性を左右するという迷信みたいな見栄もある社会。


                                                        裸の女性を見ても勃たない事が公(おおやけ)に知られたら、相手の女性を傷付けたり、見下されたり、生殖能力なしと飛躍して心配されたりするから絶対にバレないようにする・・・というのは九子先輩だけの持論だけど。

                                                        まあ、男のアレは女性の胸と同じく、サイズを気にするものだという事は、一般社会に浸透している。


                                                        平均サイズが女性の胸より知られていないのは、ブラジャーのようにアレにサイズ別で付ける下着がないからだろう。


                                                        俺って平均位かな?と思ってても、AV男優のアレを見てしまうと見劣りするサイズ・・・


                                                        だからという訳ではないが、俺は別に胸が大きいから女性を好きになるという順序ではない。巨乳好きと言われてもそれ以外が駄目な訳ではない。


                                                        菜津子さんは、たまたま胸が大きかっただけ。


                                                        溪ちゃんは、胸が大きくはないけれど関係ない。


                                                        美樹ちゃんは、菜津子さんとはまた別スタイルの爆乳。


                                                        AVを参考資料にしてはイケナイだろうが、それから考察すると、世の男性の大半が好むのは、美樹ちゃんのような爆乳にくびれた腰、丸いヒップにむっちりとした太腿、引き締まったふくらはぎと足首、という抜群ボディースタイルの女性であろう。


                                                        それに美樹ちゃんは溪ちゃんと比べたら積極的で、俺の性欲が強いと思い込んでいるようだから、AVを観てるとバレても軽蔑しな
                                                        そう。


                                                        それどころか、『AV観る位なら私のカラダのナカにダシテ下さい』とか、さっきの様子だと言われそう。


                                                        百世不磨の心 38 (R-18・ムーンライトノベルズ53話) 偽る愛

                                                        Posted by 碧井 漪 on   0 

                                                        百世53
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                                                          とびきりの美人って訳じゃない。


                                                          だけど、可愛いって思う、俺はね。


                                                          頭の回転は普通、より ほんの少し遅いかもしれない。


                                                          それでも、補ってあげたいと思う方が強い。


                                                          体つきも標準的で、そそられる程の凹凸はない。


                                                          そんな事は何も関係なく、抱きたくなる、見ているだけで もう。


                                                          男が好きになる魅力的な女の要素は皆無でも、手遅れだ。


                                                          俺は好きになってしまった。


                                                          恋に落とされた、何の策略も持たない天然ボケた琥珀に。


                                                          琥珀の彼氏の金ちゃんという男に、毎日嫉妬している。


                                                          はらわたが煮え滾りそうな位、ジリジリ熱くなって堪んないって程に。


                                                          俺が琥珀の彼氏ならこうしてやるのにと、考えて止まない。


                                                          琥珀の好きな彼氏と別れて欲しいとまでは願えないけれども、


                                                          この手で掴んで離したくないと思ってる存在ではある。


                                                          今まで何度も言うのを我慢して来た。「好きだ」と告げたら終わってしまう関係の俺達だってわかりきってるから。


                                                          俺の事は男として見てない琥珀。


                                                          それで一緒に居られるならと、告げずに押し込めたままの気持ちが溢れそうだ。


                                                          募る想いは、俺の胸をただ苦しくさせるだけで、てんで役に立たない。


                                                          もしも 俺が琥珀に「好きだ」と告げたら、そこから先には一歩も進めなくなるってわかってる。


                                                          行き止まりで、恋には発展しそうにない関係を、このまま続けるかどうするか。


                                                          これはもう、友人として我慢の限界を迎える日まで過ごすしかない・・・?


                                                          それとも、琥珀にいっそ告白して、遠く離れてしまった方がいいのか。


                                                          はーあっ。


                                                          琥珀は今頃、金ちゃんの部屋でキスして貰ってるのかな?


                                                          いいな、金ちゃんとやらは。


                                                          相思相愛、かぁ・・・。








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