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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

乙女ですって 29 (R-18) 俺にチョウダイ

Posted by 碧井 漪 on   0 

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    火曜日の夜、隆人は帰宅するとすぐに菜津子に電話をした。


    ドキドキしながら、隆人は電話に出た菜津子に向かって切り出した。


    「もしもし綱島さん、体調はどう?話があるんだ。少しでいいから直接会えないかな?」


    「はい、部長。お夕飯は御済みですか?」


    「まだ・・・」


    「これからすぐ、お宅にお伺いします。」勢いの良い声で菜津子が、いつもより早く喋った。


    「あっ、いいよ。君は今日も休んでいたのだから、俺が迎えに行」


    プツリ。


    電話は切れた。



    乙女ですって 28 (R-18) 心許無(こころもとな)い時間

    Posted by 碧井 漪 on   0 

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      こんなもの、と思いながら唇をなぞる。


      ヌルヌル、ヌリヌリ。


      んー、と上下の唇を擦り合わせた。


      つやつや、テカテカしている唇は、少し若返ったようにも見えた。


      43の俺の唇でも少しは見違えたかな?


      女性の方からキスしたくなるかな?


      乙女ですって 27 (R-18) オトコの悩み

      Posted by 碧井 漪 on   0 

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        月曜日の朝。


        出社する隆人の足どりは重かった。


        はーあ。


        有給休暇も余っている事だし、休みたい、けれど休めない。


        今日は会議も予定されている。


        有給休暇なんて制度が恨めしい。


        休めない休暇なら、他の物で還元するか、時短勤務をさせて欲しいなどという決して主張しない提案=愚痴を頭の中にごちゃごちゃと浮かべながら、


        今朝も冷たい空気を一度に吸い込まないよう、右手拳を口に当てて、会社までの道のりをてくてくと歩く。


        口、くちびる・・・キスか・・・


        唇が右手に触れる感触は、思っていたよりよろしくなかった。


        俺の唇は女性みたいに口紅を塗る訳でもないから、脂分が無くてカサカサしている。


        乙女ですって 26 (R-18) くちづけ

        Posted by 碧井 漪 on   0 

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          赤いバラを一輪下さい・・・とは、キザだった。


          思い出すと恥ずかしくなる。


          商店街の花屋の人に「赤いバラを”一輪だけ”でいいんですか?」と確認された時、顔から火が出るかと思った。


          この花を買うのは、指輪より厳しかった。


          百世不磨の心 7 (R-18・ムーンライトノベルズ22話)

          Posted by 碧井 漪 on   0 

          百世22
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            “もう千里の先生じゃ、ないよ・・・”


            湯気に満ちた温かなバスルーム、バスタブに張られた湯の中で後ろから千里を抱きしめていた銀矢は、それを言うのを躊躇った。


            ぎゅっ・・・何か言葉を発する代わりに銀矢は千里の胸の下に回している腕に力を込めた。


            ちゃぽん。


            天井から離れた水滴が湯の中に落ちた時、それまで黙っていた千里が口を開いた。


            乙女ですって 25 (R-18) 乙女の悩み

            Posted by 碧井 漪 on   0 

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              「好きな人・・・」菜津子は隆人の顔を思い浮かべてしまいそうになり、

              「いっ、いいえ・・・私などが想ってはならない方ですので・・・」

              菜津子は赤くなった顔を下に向けて、手のひらを広げて左右に振りながら否定した。


              「想ってはならない相手って?やっぱり部長の事ですか?」


              冷や汗をかいた菜津子は落ち着かず、ベンチに座っている腰を思わず浮かせてしまいそうになったのを何とか抑えていた。


              二人の後ろに潜んでいた隆人はぐぐっと拳を握り締めて耳を澄ませた。


              「違います・・・部長、では、ありません。」

              絞り出すような声で菜津子は加集に伝えた。




              乙女ですって 24 (R-18) 加集の告白

              Posted by 碧井 漪 on   2 

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                菜津子が商店街で買い物を終えて帰宅しようと歩いていた時、

                「菜津子さん!待ってー!」と加集敦也が商店街の中を走って追いかけて来た。


                「加集さん。」


                「お手伝いしますよ。貸して下さい。」


                加集は菜津子の両手に提げられていた布製の買い物袋を持ち上げた。


                「大丈夫です。後は帰るだけですので私が・・・」


                「こういう時は、男が持つものです。」


                「はい、ありがとうございます・・・」


                菜津子は小さい頃から女の子扱いされた事が無かったので、戸惑っていた。


                そして、過去に菜津子を女性として扱ってくれた唯一の男性の事を思い出していた。



                乙女ですって 23 (R-18) 妄想男

                Posted by 碧井 漪 on   0 

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                  「すみません菜津子さん、部屋の片付け手伝わせちゃって・・・とても助かりました。ありがとうございます。」


                  「いいえ、こちらこそ。今朝お店のシャッターを直して開けて下さって助かりました。お昼を用意しますので、後で家にいらして下さい。」


                  「では、お言葉に甘えて。後で伺います。」


                  「はい、お待ちしています。」


                  菜津子は三階の加集の部屋から出ると、一階のショップに裏から入った。


                  SとS 11 (BL) 巡り合わせ

                  Posted by 碧井 漪 on   0 

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                    翌日の朝食を終えた後、編集作業で忙しい筈なのに、今朝も明け方まで灯かりが消える事が無かった部屋から出て来た監督は、疲れた様子を微塵も表に出さずに、自分を近くの整形外科に連れて行って受診させた後、車で家まで送ってくれた。


                    「瞬太朗、どうしたの?顔にアザが出来てる。喧嘩したの?まさか、セイが殴ったとか・・・?」


                    リビングで迎えてくれた姫麗の表情が曇った。


                    最近体調が思わしくない姫麗の顔色が悪くなった事を心配した瞬太朗は、何とか宥めて落ち着かせようと思っていた。


                    「お母さん、違うよ。これは自分のせい。通りがかった人と喧嘩になったんだ。」


                    「どうして喧嘩なんてしたのよ!トラブルに巻き込まれそうになったら逃げなさい。もっと酷い怪我したらどうするの!」


                    乙女ですって 22 (R-18) 彼女の好み

                    Posted by 碧井 漪 on   0 

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                      土曜日の九時半過ぎに菜津子は一人で隆人のマンションを後にした。


                      ジュエリーショップの手伝いをする為に帰宅すると菜津子に言われた隆人は少しがっかりしていた。


                      本当は今日、天気も良かったので、菜津子とドライブへ行こうかと考えていた。


                      綱島さんだったら、一緒に出掛けても俺に合わせてくれそうだから、色々気を遣わなくていいと思った。


                      それに、もう少し綱島さんの好みを知りたい。


                      綱島さんは他人を優先して自分の好みを表に出さない人に思えるから、何気ない行動を見て判断するしかない。



                      乙女ですって 21 (R-18) 彼と彼女の関係は

                      Posted by 碧井 漪 on   0 

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                        いつも真面目でお堅いタイプの綱島さんをこんな風にふにゃふにゃにして、喘がせるのは楽しい。


                        もっともっと脱力して俺に全身を委ね、そして乱れ狂う彼女も見たい。


                        「縛りたいな・・・」


                        隆人は思っている事が意識せず口から零れていた。


                        「縛るとおっしゃいますのは・・・あっ・・・」


                        ぷるっ、ぶるるっ、菜津子が体を捩ると胸と一緒に腹肉も揺れた。



                        百世不磨の心 6 (R-18・ムーンライトノベルズ21話)

                        Posted by 碧井 漪 on   0 

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                          眠ってしまった千里が目を醒ましたのは、揺れる救急車の寝台の上でだった。


                          早朝、出勤前の会社員が駅に向かう途中、下着姿で線路の上に横たわる全身あざだらけの千里を偶然発見し、110番した。


                          救急車とパトカーが到着したのは、始発が走るほんの少し前だった。


                          低体温症で意識を失い、危険な状態になった千里が病院に運び込まれ、医師や警察に、

                          「大丈夫?お名前は?何があったか話せる?」と訊かれた千里は、

                          「どうやったら、誰にも迷惑掛けずに死ねますか?一人になりたいんです。」と話した。


                          乙女ですって 20 (R-18) オト×の週末

                          Posted by 碧井 漪 on   0 

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                            あの停電した嵐の夜から四日後、金曜の夜。


                            現在は電話番号も交換して、いつでも連絡が取れるようになった俺は、今夜、俺の部屋に来たいと申し出た綱島さんの為に、というか俺の為に、

                            例の如く残業も早々に切り上げ、コンビニで買って来た売れ残り弁当、今日はビーフシチューだかハヤシライスだか、とにかく茶色っぽい洋風なそれをよく見もせず掻っ攫ってレジに、おっと栄養ドリンクも一つ捻じ込んで会計を済ませた。


                            寒風の中、小走りで帰り着くとすぐに風呂を沸かし、急いであまり好みでない味の弁当を食べ、栄養ドリンクを流し込んで風呂に入った。


                            今夜こそ、挟む!


                            ふっふっふふっ・・・特に念入りに"欲望に忠実で全身で一番デリケートなオトコ特有の部分"を洗う。


                            乙女ですって 19 (R-18) 二人の朝

                            Posted by 碧井 漪 on   0 

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                              俺の事が嫌なら拒絶する筈・・・と考えたが、あっ!そうか、綱島さんの性格を考慮すると、これは「パワセク」ハラになってしまっているのかも。


                              それはいけない。


                              「や、やっぱりいい、ごめ・・・」


                              「どうぞ。部長!」


                              ああ、やっぱりだ。


                              部長と言われた瞬間、俺は最低な「パワセクハラ部長」の烙印をしっかりと押されてしまった。


                              「あのさ、部長って呼ぶのやめない?会社ではないし。」


                              「では、安藤さまでよろしいでしょうか。」


                              「それでは、お客様みたいだよ。隆人でいいよ。」


                              「隆人さま、お顔を。」


                              「さんにしてくれる?菜津子さん。」


                              「えっ、あっ、あの・・・菜津子さんって・・・」


                              俺が名前で呼ぶと急にオロオロしだした綱島さん。


                              乙女ですって 18 (R-18) 従うハラスメント

                              Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                隆人は菜津子の反応に驚いた。


                                ええっ?


                                そんなに感じてる?


                                「気持ちいい?綱島さん?」と訊くと、

                                「ふ、しぎな、感じが、しています・・・」と目が開けず、息も荒い中で何とかというように返された。


                                「どんな?やめたい?それとも続けてもいい?」


                                もしも続けてもいいなら、「パワセク」ではなくなる、かな?


                                「はい・・・お好きに、なさって下さい・・・」


                                うわ・・・"お好きになさって"とは、いやらしい響き、だけど彼女の場合は天然で、計算したようないやらしさというのは感じない・・・そこがまた、好い感じだと思うのかも。


                                本当に見た目、顔と体型以外は極上の女性かもしれない。


                                乙女ですって 17 (R-18) ゾクゾクする行為

                                Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                  「耳かきは巧い方なのでしょうか?よくは判りませんが、おじいちゃん、私の祖父はよく耳かきして欲しいとお願いされましたけれど・・・」


                                  「おじいちゃん?いつも耳かきをしてあげているの?」


                                  「祖父は、もう亡くなりました。」


                                  「あ、そう・・・それはごめん。」


                                  「いいえ。」


                                  加集とは言わなかった。では、綱島さんが加集にした耳かきは一度きりなのだろうか?


                                  「・・・部長もここ、気持ちいいですか?」


                                  「えっ、あっ・・・あ・・・う、んっ・・・」


                                  菜津子に耳の中の快感スポットを擦られた隆人の中に、再びゾクゾクする気持ち良さが訪れた。


                                  「くすっ・・・おじいちゃんと同じです。」


                                  笑った菜津子のその声は、嬉しそうで、隆人が可愛らしいと思える声だった。


                                  やわらかい膝の上に顔を乗せて全身の力を抜き、耳の中をやさしく擦られ続けてゾクゾクさせられ、菜津子の温かい指先とぽよんとした胸の感触を顔で感じる。


                                  目を閉じると、相手が綱島さんだという事を忘れそうだ・・・

                                  百世不磨の心 5 (R-18・ムーンライトノベルズ17~20話)

                                  Posted by 碧井 漪 on   0 

                                  今回の更新に含まれている20話はムーンライトノベルズ1/14(水)20時更新と同じ内容になります。

                                  次回21話よりブログで一話ずつ先に更新(ブログで書き下ろし)後、ムーンライトノベルズへ転載(水曜20時)します。

                                  千里-1

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                                    ふっふっふっ・・・初めての公開よ。

                                    街中で、この髪型を晒すのは、かなりの勇気が要るわ。

                                    今朝よりも更に短くなってしまった、母の子どもの頃でさえ絶滅していた刈り上げおかっぱ頭。

                                    だけどね、もう一つ、アレが欲しいの。

                                    これはいけないコトだって分かってる。

                                    でもね、二軒分なの、だから許して!

                                    すでに一つ買った物は、もうバッグにしまい込んだ。

                                    本日のタイムセール税込100円の白玉子1パック10個入、御一人様一つ限り!

                                    二個目を通常価格で買えばいいって?

                                    それが不思議な事に売られていないの。

                                    最近は玉子が品薄で高騰しているとニュース、andママから聞かされていた私は、現在珍重されている玉子を、しかも特売価格で目の前にしてこのまま帰るなんて考えられない。

                                    この帽子を取れば、もう一度買いに行っけちゃーうもんねー!別人に変身よ。

                                    玉子買ったら、金ちゃんのお家の前に届けてみようかなー・・・なんて。

                                    まだ”ちさと”さんが居るなら、この玉子を玄関前に置いてピンポンダッシュで帰る。

                                    だってさ、今日のお弁当のせいで金ちゃんの家の玉子は確実に減っている筈だもん。

                                    本当だったら今頃、金ちゃんとお夕飯作って、食べて、それで昨日みたいに駅まで送ってくれたのかなぁ。

                                    ううん、送って欲しいとかじゃなくて、もう少し一緒に居て、話をしたい。

                                    帽子を取った頭で再び入ったスーパーの中で琥珀は玉子の特売棚を目指した。

                                    あっ!ラスト二個・・・一個!

                                    琥珀は最後のパックに手を伸ばした。

                                    すると、パックの反対の端を掴む人が現われた。

                                    琥珀の母よりも少し年上位の女性だった。

                                    黄色いプラスチック籠の中には大根、ちくわぶ、はんぺん、がんも、昆布・・・

                                    もしかしておでんかな?玉子は絶対必要よね。

                                    そう思った時、琥珀はパックから手を離していた。

                                    「あら・・・いいの?」

                                    おばさんは驚いて、一度琥珀の方にパックを差し出した。

                                    琥珀は、すでに玉子を一つ買っている後ろめたさから、「はい、いいです・・・」と言うのが精一杯だった。

                                    「ありがとう。」玉子を籠にそっと入れたおばさんは琥珀に向かって軽く頭を下げると、パン売り場の方へ消えて行った。

                                    かーっと顔も耳も赤くなる。決まりが悪い。

                                    この髪型を晒してまでズルしようとした自分が恥ずかしい。

                                    バカバカ、琥珀。

                                    金ちゃんにも、ママにもいい顔しようとしたバツだ。

                                    こんな玉子一個で・・・喜んで貰おうなんて短絡的な考えで恥ずかしい。髪型も恥ずかしい。

                                    あー、何がしたかったんだろうと考え出すと冷静さが戻って来て、人目が気になり始めた。

                                    人の少ないお酒売り場の棚の間までフラフラと歩いた琥珀は、棚の支柱を掴んで、はーっと息を吐いた。

                                    「こら。未成年は酒は買えないぞ?」

                                    え?

                                    項垂れていた琥珀が顔を上げると、その姿をじっと見て立っていた人物は金矢だった。

                                    「金・・・ちゃん?何でここに?」

                                    幻かと驚いた琥珀が聞くと、「買い物。夕方のタイムセールだから来た。さっきのあれ、どうした?コレが欲しかったのか?」と金矢が左手で持っている籠を琥珀の前に差し出した。

                                    中には特売品の白玉子が一パック入れられていた。

                                    「そ、それ・・・!」

                                    「ああ、俺は残り二個だった時に取れた。そのすぐ後、最後の玉子を取った人を見たらさ、琥珀でびっくりしたよ。それで琥珀が、おばちゃんに玉子を譲ったからさ・・・玉子が欲しいならこれ持って会計に行けばいい。」

                                    「ちが、違うの。玉子はいいの・・・」

                                    斜め下に視線を落とし、フルフルと首を横に振る琥珀の頭に手のひらを載せて止めた金矢は、

                                    「いいって、本当にいいのか?何だか泣きそうな顔してる。」と籠をスーパーの床に置き、屈んだ姿勢のまま、琥珀の顔を下から覗き込んだ。

                                    金矢は琥珀のコートのポケットに突っ込まれていたキャスケットに気が付いて、それを取って広げると、琥珀の頭に載せて、つばの部分を両手で整えた。

                                    キャスケットから手を離した金矢の手を摑まえた琥珀は、「さっきのお家に来ていたあの女の人、誰・・・?」と、おそるおそる金矢の目を見た。

                                    「さっきのあの女の人って?千里(ちさと)の事?琥珀が泣きそうなのってぶたれた事がショックだったのか?それはそうだよな。ごめんな。千里も謝ってた。」

                                    ひた・・・と外気で冷たくなったと思われる金ちゃんの手のひらが、さっきぶたれたほっぺに当てられた。

                                    「ううん、それは平気。」

                                    私の顔が泣きそうに見えるというのはきっと、びっくりして嬉しくて安心したからだと思う。

                                    金ちゃんに会えて、こうして触れて、触れられて、ああ・・・。

                                    「あのさ、混んで来たから話は後で。」

                                    二人だけの世界に入り込み始めていた私を、金ちゃんは一言で現実に連れ戻すと、プラスチック籠を持ち上げて買い物を再開した。

                                    背後をちょこちょこ付いて行く私は金ちゃんに「まだ帰らなくていいのか?」と訊かれて、

                                    「うん。」と答えた。

                                    夕方で混雑しているレジに並んで会計を済ませて、作荷台で金ちゃんは背負っていた空の大きな黒いリュックサックを下ろして慣れた手つきで荷物を詰めて行く。

                                    金ちゃんはプラスチック籠の底に一つ残された玉子パックを薄いビニール袋に入れてから、私に差し出した。

                                    「あのね、実は一つ買ってこのバッグに入っているの。」と金ちゃんに肩から提げたバッグの中身を見せた。

                                    「一つ買ったのか・・・それじゃ、いいの?」とそれじゃあ何で最後の玉子をおばちゃんと取り合ったの?とおそらく思っただろう金ちゃんは首を傾げたけれど、それ以上何も言わずにリュックに玉子パックを詰めて、ファスナーをジーッと閉めた。

                                    二個もズルして買おうとしてた事が金ちゃんにバレてしまった私は、金ちゃんに届ける為だったと説明しようか迷ったけれど、そんな言い訳したって結局ズルには変わりないんだから許されないと口を噤んだ。

                                    スーパーを出て、駅に行くならこっち、金ちゃんの家ならあっちと左右に別れる所で、

                                    「夕飯・・・いや、遅くなるから今日は帰った方がいいな。駅はすぐそこだし。」と金ちゃんがリュックを担ぎ直しながら言った。

                                    お夕飯に呼んでくれない理由はそれだけじゃ、ないよね・・・。

                                    「う、ん・・・あの・・・」

                                    ここじゃゆっくり話せない。ちさとさんの事も、玉子の事も、

                                    明日は?また来てもいい?と訊きたいけれど・・・毎日じゃ、迷惑って言われたらどうしよう。

                                    「駅まで行くよ。」

                                    ポンポンとキャスケットの上に手のひらの感触を感じた後、金ちゃんは一方通行の車道側に立ち、駅前に向かって商店がまばらに続く道を、頭の上に載せた手で私の進行を促しながら、並んで歩き出した。

                                    金ちゃんは私の背に手を当てた。

                                    対向して来る自転車や車が通る度に私の右半歩前に体を出してくれる。

                                    「どうした?疲れちゃったか?」

                                    「・・・・・・」何て言ったらいいんだろう。

                                    「千里の事が気になる?千里は同じ青木家の嫁候補だよ・・・銀矢の嫁、だけどな。」

                                    その言い方・・・やっぱり何だか銀矢先生を羨んでいるように聞こえる。

                                    ちさとさんは確かに、私より大人で知的でどちらかというと美人だから。

                                    髪型がこんな小学生以下みたいになった私なんて、やっぱり金ちゃんから見たらガキなんだろうな。

                                    「だから、お義姉さん的な立場の琥珀が許してあげてくれる?」

                                    お義姉さんって・・・普通なら喜ぶところかもしれないけれど、金ちゃんの気持ちが見えるから手放しで喜べない。

                                    私よりも、彼女を庇いたいみたいに聞こえる。

                                    ズキズキする、心が。

                                    お義姉さんじゃないもん、ズルしようとしたと思われているコドモだもん。

                                    私は金ちゃんにコドモだと思われているのが判り切っているのに、しかも年上に対して「許してあげて」なんて言われたら益々惨め、ピエロだよ。

                                    それなのに、我慢しちゃう・・・へへへって、金ちゃんの前で笑っちゃう。

                                    「怒ってないもん。平気だよ?」

                                    コドモに見られているなら、もうコドモでいい。

                                    仕方ないもん、無理だもん。今すぐオトナになるのは。

                                    背伸びしたってコドモ。

                                    金ちゃんみたいにキモチを隠して誤魔化すオトナに、私はまだなりたくないもん、と唯一のコドモなりのプライドを胸の奥でギュッて抱きしめて「バイバイ、金ちゃん。」手を振りながら無邪気を装って笑って去るしか出来ない。

                                    金ちゃんは帰ったら銀矢先生とちさとさんとご飯を食べて三人で過ごすのかな。

                                    次に会う約束も切り出せない、ビビッて縮こまってしまったコドモの私。

                                    会いたいって、カラダの奥で叫んでても、口から零せない。

                                    そんな私の耳に、

                                    「琥珀!電話するから!」

                                    改札を抜けて階段も降りていた時に届いた金ちゃんの声。

                                    くるっと回って、下って来た階段を急いで駆け上ったけれど、さっき通り抜けた改札の外に金ちゃんの姿はもう無かった。

                                    丁度今到着した電車に、私が乗ったと思って帰っちゃったんだろう。

                                    うん、バイバイしたから別にいいんだけれど。

                                    琥珀は電車の出発したホームへと階段を下りた。

                                    空を見上げると、もう星が見える位、暗くなっていた。

                                    金ちゃん、帰り道、気を付けてね。

                                    「すき・・・」思わず零れていた。

                                    溜め息と一緒に、誰も居なくなった寂しいホームで、ちさとさんみたいなオトナをやっぱり羨ましいと思いながら。

                                    乙女ですって 16 (R-18) 秘められた夜の愉しみ

                                    Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                      お茶を啜って、飲み干した菜津子は、湯呑みをテーブルの上へコトリと置くと、静かにソファーから立ち上がった。


                                      そして菜津子は洗面所から自分のバッグを持ってリビングの隆人の前へ戻って来て告げた。

                                      「服が乾きましたらすぐに失礼します。その間に、見せて頂いてもよろしいですか?」


                                      「見せる・・・って、何を?」


                                      隆人は、ちらりといやらしい想像をしてしまった。


                                      菜津子は床に置いたバッグの中をゴソゴソと探り始めた。


                                      ここに訪れた時には手提げビニール袋の中に入れていたそのバッグは、少しも濡れていなかった。


                                      「何を探しているの?」


                                      「これです。」と菜津子が取り出したのは、沁みないという傷薬と軟膏、ガーゼと肌にやさしいテープ、脱脂綿に鋏まであった。


                                      「それ、どうするの?」


                                      「部長のお顔の傷が気になっていまして・・・それに”輪っか”の件でご連絡をしなければなりませんでしたのに、今まで出来ずに申し訳ありませんでした。」

                                      乙女ですって 15 (R-18) 嵐の中の訪問者

                                      Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                        ザーザー、激しく雨が降り出した時、隆人は間一髪だったと、マンションの入口に駆け込み、濡れずに済んだ。


                                        三十分でとは行かなかったが、いつもより早く残業を切り上げたおかげで雨に当たらず済んで今日は運がいい・・・のか、それとも悪かったのか。


                                        結局、朝から考えていた綱島さんに秘密裏に接触大作戦は失敗に終わって、今夜は寒くて雨も降り出して、だからトイレも近くなる・・・


                                        帰り際にコンビニに寄って買って来たハンバーグ弁当、奇跡的に一つだけ残っていて、迷えず手にしたそれを抱えて、エレベーターを降りた隆人はポケットの中の鍵を探りながら、足早に廊下を歩いた。



                                        ううう・・・振動で漏れそうって、やっぱり齢かな。いや、残業中にトイレに行くのを我慢したからだ。

                                        玄関を入って靴を脱ぐと、トイレに直行した。

                                        あー・・・おしっこの方が温かい。今夜は冷えるなぁ。

                                        風呂を沸かしながら、弁当食べて、風呂に入って体が温まったら寝よう。

                                        ふぁー・・・眠い。

                                        何だか、疲れた日って、眠ったら朝、目が醒めなければいいのに・・・と考えてしまう事が最近多くなった。


                                        乙女ですって 14 (R-18) 乙女をめぐる秋の夜

                                        Posted by 碧井 漪 on   2 

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                                          階段を下りていると、足を踏み込む振動が下半身に伝わり、寒かったせいもあって、隆人は急に催した。


                                          う・・・トイレ行こう。


                                          隆人は三階の男子トイレに書類を抱えたまま入った。


                                          置く場所がないので、個室に入って脇の棚に書類を置いた。


                                          ベルトを外してズボンを下ろすと、温かい便座に腰掛け、ふーっ・・・と息を吐いた。


                                          何だか今日は朝から気疲れしたな。


                                          今朝早くから運転したから疲れたのかな。ふあぁー、早く帰って寝たい。


                                          ふー、立ちたくない。だけどこんな所でゆっくりはしていられないか。


                                          拭き終えたトイレットペーパーを捨てて立ち上がろうとした時、誰かが連れ立って男子トイレに入って来た。




                                          乙女ですって 13 (R-18) 乙女の輪っか

                                          Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                            昼過ぎから行われた、会社の上役を集めた会議が終わったのは夕方だった。


                                            まったく。会議と言っても最後の方は単なる世間話というか常務のさりげない自慢話ではないか。


                                            年末に向けて忙しい時期なのに、くだらない話に調子を合わせて神経をすり減らす事は、労力の無駄以外の何物でもない。


                                            残業させるな、効率重視、無駄を省けと動かそうとする上の人間達自身の存在が無駄を引き起こしているという自覚がないから憤っている。


                                            ただ会社に来て、あれをやれ、こっちはどうなってる?そんな指示だけして定時で帰り、残業の実態も知らずに、俺達がやむを得ず皆を残業させたら管理職連中を叱責する・・・あなた達く口先だけで何の現場業務に役立っているのかと伺いたい。たかがお茶汲み、たかがコピーと馬鹿にしている仕事をしてみてから残業するなと言ってみてと言いたい。


                                            最新コピー機の使い方も解らないくせに・・・


                                            はぁ、部長という役職の人間がこの会社では一番いいように使われてる気がするな。



                                            乙女ですって 12 (R-18) 経理課室での密事

                                            Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                              菜津子の後に付いて総務の部屋の中を段ボールを抱えて歩く隆人の姿は、お昼の時間に残って居た社員達の注目の的だった。


                                              ザワザワ・・・


                                              同じ部屋の奥の続き部屋が経理課のスペースだった。


                                              パタン、とその閉められたドアの向こうに菜津子と隆人が消えると、


                                              「綱さんが安藤部長を従えているみたい。」


                                              「ほんとだ、女ボス的な。」と総務課の社員達がひそひそとお喋りを始めた。


                                              「綱さんはそんな事出来そうな人じゃないでしょ。」


                                              「人って意外だからなー。何か部長の弱味を握ってるとかさ・・・綱さんのが社歴長いんだっけ?」


                                              「そうそう。経理課長より長いでしょう。うちの会社ってみんな結婚退職しちゃって女性課長いないから。でも綱さんが課長になったら厳しくなさそう。」


                                              「綱さんが課長になって残業がなくなるならいいんじゃない?」


                                              「もしそうなったとしても、それって経理だけでしょ。」


                                              総務の女性社員三名と男性社員一名の集う場所に、


                                              「今、戻りましたー。九子(くし)先輩、次お昼どうぞ。」


                                              同じく総務の爽やかな感じの三十代男性社員が昼の休憩から戻って来た。


                                              「加集(かしゅう)、お帰り。あ、そうだ、ちょっとちょっと。」


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                                              Posted by 碧井 漪 on   2 

                                              相違相恋30
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                                                放課後の部室で聞かせて貰う約束まで待てないこうめは、午前中の休み時間に希を引っ張り、トイレへ連れて行った。


                                                広くて綺麗な女子トイレの中をキョロキョロ見回すと、ひとけは無かった。


                                                大きな鏡を壁一面に備えたアンティーク調の洗面台の前で、こうめは希に訊いた。


                                                「ねぇ、イケナイコトって、もしかしてキス?希、松田くんとチューしちゃったの?」


                                                「えっ?!何を言うのこうめ。チューって、私、松田くんとキスなんてしていないわ。」


                                                「じゃあ、何かしら?イケナイコトって。教えて?」


                                                「いけない事って、それは・・・私は他の人が好きなのに、松田くんとお付き合いするというのは間違っているという事よ。」


                                                「それは分かっているけれど、でも、本命の彼には告白出来そうにないんでしょう?練習と思ってお付き合いしてみたらいいのよ。松田くんはいい人みたい、希もそう思うでしょう?」


                                                「え、ええ・・・」


                                                あんなにつんけんした態度で接していたこうめが、松田くんの事をいい人と言うなんて、と希は驚いた。


                                                相違相恋 29

                                                Posted by 碧井 漪 on   0 

                                                学園 門
                                                にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
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                                                  光樹の視線に気が付いたこうめは、どきりとした。


                                                  自分の顔に自信のないこうめは、綺麗な顔の人間が苦手だった。


                                                  不細工な顔だけど、大会社の社長令嬢だから仲良くしていると、小・中学時代からの周囲の可愛い女子達は本気でそう思っていると考えたこうめに気の許せる友人は居なかった。


                                                  初め、希も苦手だと思っていたこうめだったけれど、希の容姿はモデルとして理想的だったので思い切って話し掛けてみた。


                                                  そうしたらとてもやさしくて思いやりのある子で、すぐ打ち解けたこうめにとって、親友と呼べる存在になった。


                                                  乙女ですって 11 (R-18) 昼休みの思惑

                                                  Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                                    「好きだ。俺には君が必要なんだ。傍に居て、ずっと愉しませ続けて欲しい、菜津子・・・」


                                                    隆人が菜津子の両肩に手を置いて、目を見つめて言った。


                                                    どっくんどっくん、ばっくんばっくん、どくどくどくどく、ばくばくばくばく・・・


                                                    そのような事をおっしゃるなんて・・・部長、私、息が出来ません。


                                                    嘘です、夢です、一体どうなさったのですか?


                                                    隆人は菜津子の体を引き寄せようと、菜津子の両肩を掴んだ手にぐっと力を込めた。


                                                    SとS 10 (BL) 愛される要素のない自分

                                                    Posted by 碧井 漪 on   2 

                                                    SとS10

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                                                      シャワーを浴びてパジャマに着替えた瞬太朗にセイは冷ました玉子雑炊を食べさせた。


                                                      その後セイは、ゲストルームのベッドの上に横たわる瞬太朗の体に湿布薬を貼り、顔の傷も消毒してガーゼで覆った。


                                                      それから、ガーゼでくるんだ小さな保冷剤を瞬太朗に手渡した。


                                                      「色男が台無しだ。腫れてるから、これで顔を冷やしておけ。」


                                                      「色男なんかじゃありません。・・・セイ監督にフラれたのに。」


                                                      「ばーか。フルもフラないもないだろ?そんな事でヤケになって飛び出して、目的もなくフラフラ歩いてたのか?」


                                                      「そうですね・・・どうなってもいいとは思ってました。セイ監督の心の中には、自分じゃない人がずっといて、それは何をしたって変えられなくて・・・こんな何もない自分、もう嫌だって思います・・・父の事も・・・」


                                                      「俺の昔の現在進行形じゃない気持ちを捨てさせたら満足なのか?

                                                      サツキを、梧朗を愛してたって事実を否定した方がいいのか?それは俺と梧朗の間で”愛”と呼べば”愛”になるし、”友情”と言えば”友情”に変わりない。

                                                      俺は梧朗に永遠に会うなと、例え息子のお前に言われたとしても、俺と梧朗が、お互いが生きてる間は俺は受け入れられない。

                                                      人間として五月梧朗が好きだから、会いたいと思う。だけどそれだけだ。俺は梧朗の家族にはなれない。

                                                      梧朗が今、確実に愛しているのは、俺じゃなく、お前のかーさんと、お前達三人の息子、家族だ。」


                                                      「そんなの、本人にしかわからないでしょう?あの人は俳優だから、そういう風に見せる事はいとも容易い事なんです。」


                                                      SとS 9 (BL) 一人では癒やせない傷

                                                      Posted by 碧井 漪 on   0 

                                                      SとS9

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                                                        さよなら、って言った。


                                                        今も世界中で一番大好きだと思っている人に、さよならを告げて来た。


                                                        空っぽだ。


                                                        なんて、ははっ、最初から空っぽだった。


                                                        俺はそれに気付かないで自惚れていい気になって、告白までして、叩きのめされた。


                                                        馬鹿だな、惨めだな。


                                                        生温くて気持ち悪いビル風に乗って、浮付(うわつ)いていた気持ちみたいにフワフワと飛んで行って、あの闇の果てに消えて戻って来られなければいいのに。


                                                        誰も悲しまない。


                                                        自分でさえも持て余す行き場のない感情を抱えて、これからどうやって行けばいい?


                                                        父の居る家には帰れない。


                                                        他に行く当てなんてない・・・







                                                        甘い夢

                                                        Posted by 碧井 漪 on   0 

                                                        甘い夢
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                                                          笑顔の彼を前にして

                                                          今日こそは言えそうな気持ちになっている


                                                          『好きです』


                                                          いつもより傍近くにいて

                                                          好意的に見える表情を浮かべている彼に

                                                          今日”こそ”告げる


                                                          どっきどっき、どっきどっき、

                                                          彼にもきっと私の心臓の音が聞こえちゃうなんて心配が

                                                          熱くて真っ白になりそうな頭の中を過ぎる




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