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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

百世不磨の心 4 (R-18・ムーンライトノベルズ13~16話)

Posted by 碧井 漪 on   0 

百世不磨の心4
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    お腹いっぱいな春の日の昼下がりのレジャーシートの上、

    穏やかで、周りの空気の温度より、ほんの少し冷たく感じる風が隠す髪の無くなった私の頬を時々撫でて行く。

    雲間から覗いて地上に届いた陽射しの当たる部分と、隣に寝転んで目を閉じている金ちゃんと繋いだ手のひらだけがあったかい。

    嫌いになれる部分が見つからない。

    一緒に過ごす時間が長くなる程、好きになって行く。

    やさしくてあったかくて大人で・・・えっちで。

    彼の心の中を覗いたら、本当の本当は好きな人がいるかもしれない、その真実を知ってしまったら、きっと私は慌てふためき泣いてしまうと思う。

    私の事を”彼女”と言ってはくれたけれど、それは口先の言葉で、

    もしかすると金ちゃんの心の中には私よりも好きな女の人が居るのかもしれない、という考えに支配されると、苦しくて悔しくなった。

    初恋はいつ頃だった?

    前の彼女とはいつから付き合って、いつ別れたの?

    彼女にした女は、私で何人目?

    私の事、好き?

    どれも訊きたい事だけど、訊けない事。

    初恋は結構前かな?

    それでもって、誰かと付き合った時期は不明だけど、洗面台の引き出しにそれ程古くもなく、しかも開封済のあの箱があったんだから、何回かセックスもしてる筈。

    いいな・・・セックスって、どんなカンジなんだろう。

    そうよ、三年前に金ちゃんが気持ちいいって言ってたんだから、絶対に気持ちイイのよ。

    ごくっ・・・アレ、を使って?

    でも、他の誰かと使った残りのじゃやだな・・・

    『先生と生徒の関係じゃないから、そろそろお前の処女を貰うぞ?』

    とかとかとか・・・なーんて、今日とか、もしかして?

    どっくん!

    昨日より、もっといっぱい気持ち良くさせられちゃう?

    ああ・・・っ・・・!

    思わず、金ちゃんの手をきゅうっと握りしめちゃった。

    馬鹿馬鹿、琥珀。

    こうしてえっちな考えが、手のひらから金ちゃんに漏れ伝わっちゃったらどうしよう?

    『そんなにしたかったのか?それなら今日は銀矢がいないから帰ってゆっくり・・・』

    ゆっくり?何、何するの?

    続きを知りたいけれど知識が無くて想像出来なくなってしまった私は、火照った顔のまま、隣で目を閉じている金ちゃんの顔をそっと見た。

    SとS 8 (BL) 自分と俺

    Posted by 碧井 漪 on   4 

    SとS8

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      パチッ。


      体の内側から上がって来た熱によって目を開いたセイは、あれ?変だな・・・?と感じ、状況を把握するために辺りを見回した。


      自分の部屋のベッドに仰向けに横たわっている・・・裸の体の上にはタオルケットだけが掛けられている。


      何でだっけ?と考えて、ああそっか、シャワーを浴びて、そのあと・・・記憶がないな。


      丁度その時、カチャッと部屋の扉が開き、氷水の入ったグラスを載せたトレーを両手で持った瞬太朗が入って来た。



      告げない言葉

      Posted by 碧井 漪 on   0 

      告げない言葉
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        言える訳がないだろう?


        そんなこと


        照れくさいからかって


        お前はからかうけど


        違う


        そりゃ


        照れもあるんだろうけど


        この前も言っただろ?


        「愛してる」なんて言葉は


        何度も言えるもんじゃない


        本気ならなおさら言えないよ


        嘘でいいんなら言ってやろうか?


        静穏の切れ端 3 最終話

        Posted by 碧井 漪 on   0 

        静穏の切れ端3
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          主任に彼女がいるという事は知っていた。


          ただ、昨日、元気のない主任に何かあったんですか?と訊いたら、

          『最近彼女と別れたんだ』と返されて、複雑な気持ちになった。


          今日は突然会社を休んだ主任。


          休日出勤した次の日も、深夜まで残業した翌日も、休まなかった主任が、『熱があって、しんどいから休ませて下さい』だなんて。


          私は心配になって、部内でお見舞い代表を買って出た。


          みなさんはまだ、主任が彼女と別れた事を知らないから、私と主任がどうこうという事は想像されないみたいで安心していた。


          勿論、私は噂されても構わないけれど、主任が会社に居辛くなってしまっては嫌だから、そうならないで貰えたらいい。


          静穏の切れ端 2

          Posted by 碧井 漪 on   0 

          静穏の切れ端2
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            「この先俺と一緒に居ても、お前がつまらなそうだから、別れよう。」


            大学時代から数えて五年以上付き合って来た彼から、


            前触れもなく突然、一方的に別れを告げられた。


            つまらなそうな顔だったのかな?と彼の帰った後、鏡を見てみた。


            前触れかぁ・・・特にないなぁ。


            でも、

            確かに・・・

            ほぼノーメイクなのはいつもの事だけど、それに加えて、目の下には隈が出来てて、やつれて見える。


            静穏の切れ端 1

            Posted by 碧井 漪 on   0 

            静穏の切れ端1
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              “いる”と思っていたけれど。


              必要な部分はどっちがどっちかわからなくなった。


              俺にとってお前が必要なのか不必要なのか。


              私にとってあなたが必要なのか不必要なのか。


              取るに足らず、ちぐはぐで居心地の悪い気持ちにさようなら。


              それは静穏だと思っていた日々から切り離した感情。


              一体どっちが”大切”な切れ端だったんだろう。


              どっちを選んだら正解だったのだろう。


              相違相恋 27

              Posted by 碧井 漪 on   2 

              相違相恋27
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                光樹は、強く言い過ぎちゃったかな?と慌てて口を手で押さえた。その仕草は瑞樹によく似ている。


                「あのね、お兄ちゃん。今日、帰った時、眼鏡掛けてなかったけど、どうしたの?失くしたの?」


                さっきとは打って変わって沈んだ声になってしまった夢野の質問を、光樹は無下に出来なくなった。


                「あっ、あの、眼鏡は・・・人に貸したんだ。」


                「それと、新しい制服を注文して来たの?持って帰って来てないっていう事は、出来上がるまでに時間がかかってしまうの?」


                夢野は光樹の制服の事は瞬太朗に聞かされて知っていながらも、わざとそう訊いた。


                「そう、時間がかかるって・・・在庫がないらしいんだ・・・」光樹は夢野に嘘を吐いた。


                「制服はいいとしても、明日、眼鏡はどうするの?」


                「眼鏡?あっ!どうしよう・・・」


                「もうー、お兄ちゃんたら。おとうさんの老眼鏡借りるって言っても、一つしかないから無理よね。」


                「じゃあ、これは?」


                「これって・・・液晶画面のブルーライトを遮って瞳への負担を軽減するメガネ、でしょう?」


                相違相恋 26

                Posted by 碧井 漪 on   0 

                相違相恋26

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                  夢野と瞬太朗が電話をしている時間、光樹はスマートフォンの液晶画面に表示された『発信』ボタンを押せずに、机の引き出しの中から、アニメのキャラクターがプリントされたクリアファイルを取り出した。


                  リリカちゃん・・・僕に勇気を与えて下さい。


                  微笑むリリカのイラストを眺めながら、光樹は思い切って『発信』を押した。


                  トゥルルルル、トゥルルルル・・・呼び出している間、光樹はそわそわと落ち着かない。


                  なんて言おう。


                  希ちゃんの声を聞いたら、上手く話せなくなってしまうかもしれない。


                  という光樹の心配には及ばず、しばらく鳴らし続けても希が電話に出なかった為、光樹はコール中の電話を一旦切った。


                  ふーっ・・・そうだ、慌てないようにシュミレーション・・・ノートに書いておこう。


                  まず、ええと、希ちゃんとあの子・・・こう、ま?ちゃんだっけ?


                  こうまちゃんに連絡をして、僕の学生証をいつ返してくれるのかという事と、


                  制服と眼鏡は弁償しなくていいからそのまま返して欲しいという事と、


                  それから・・・


                  希ちゃんと僕が付き合うとは、その・・・本当に恋人同士になってもいいという事なのか、というのを、こうまちゃんに訊きたい。


                  僕が希ちゃんの恋人になってもいいの?と、本来なら希ちゃんに訊かなくてはならないと思うけれど・・・訊けないよ。


                  『本当に僕の恋人になってくれるの?』


                  『それはこうまが言い出した事だから、私の意志ではないの。ごめんなさい・・・』


                  その可能性があるかもしれないと、僕は考えていた。


                  「好きだって言われた訳でもないのに、いきなり付き合うっていうのはおかしいよね・・・」


                  「うんうん、そうね。」


                  えっ?!


                  凭れていた椅子の背から背中を浮かせた光樹は振り向いた。


                  椅子のすぐ後ろに夢野が立っていて、驚いた光樹は「わぁっ!」と声を上げた。


                  「お兄ちゃん、彼女が出来たの?どんな人?」


                  「な、何言ってるの?彼女なんて出来てないよ・・・夢野、部屋に入る時は一応ノックしてね?」


                  「ノックしたよ?お兄ちゃん、ぼーっとしてて、それは彼女の事を考えていたから?」


                  バトンというお題の作文 4

                  Posted by 碧井 漪 on   0 

                  森 夕焼け
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                    外気温と共に最近めっきり内容が寒くなったと感じるブログ小説。


                    今までは"面白い"と思ったりφ(*^^*)思わなかったりφ(- -;)、赤面(//x//)したり号泣(T□T)しながら、ただひたすら書いていましたけれど、毎日公開する程のシロモノではないのだから、そろそろブログ存続を真剣に考えないといけないなーと強く思う今日この頃・・・(ブログより優先すべき年賀状が真っ白なせいでしょうか)


                    書いている最中も公開した後も逆風という時間の中を自問しつつヨロヨロゴーンと電柱にぶつかりながら満身創痍気分に浸り切ってそれでもかっ!と進んでいる気持ちです。(どんなキモチなんだか不明瞭・・・)


                    諦めたら「さよーならぁぁー・・・」と簡単に空の彼方に消し飛んでイッてしまえるのに、まだこのセカイでsazanamiとして生き延びたいのか?と今まで無駄に費やして来てしまった時間、そして「待ってsazanami !」と作品内のキャラクター達にしがみつかれて(←妄想)結局きっぱりと捨てられず、明日もまた人生の時間を有効に使えないまま、小説を書くという享楽に耽るのでしょう。(他の享楽に耽った方がカラダに善いことは明白なのに・・・)


                    飽きっぽい自分が、こんなに長く(と書いても三年未満^-^;)書き続けられているのは、偏(ひとえ)に読者様のお力添えのおかげなのに、それなのに、また愚痴になって大変申し訳ございませんm(_ _)m←この絵文字ばかり愛用中


                    いつも応援して下さる皆様に毎日感謝しています。


                    ありがとうございます。


                    倒れるまでは、いえ、倒れて入院しても何とか更新しようと思ってしまうところを直さないといけない・・・φ(T▽T)ノノ・・・デスヨネ。


                    バトン

                    Q1 いつもの散歩道を歩いて
                    A1 子リスを見かけたわ。
                    Q2 小さな木の実を拾い集める
                    A2 そして手のひらに載せて差し出したら逃げられてしまったの。
                    Q3 透明な小川に指を触れて
                    A3 真っ赤で星型の葉っぱを拾った後に
                    Q4 鮮やかな花畑に埋もれて
                    A4 いい香りに包まれながらスキップした先には
                    Q5 色取り取りのキノコ道
                    A5 おいしそうに見えるけれど毒キノコかもしれないから食べてはいけないと言われているの。
                    Q6 静かな時間に揺れる歌声
                    A6 一人だと鼻歌も恥ずかしくないの。
                    Q7 遠くで聞こえる小さな声は
                    A7 森の奥に住む小人さん達の歌声かもしれないわ。
                    Q8 澄み渡る空気
                    A8 深呼吸して目を瞑ると
                    Q9 揺れる木洩れ日
                    A9 頬に感じるおひさまの温かさにゆっくりと目を開けたわ。
                    Q10 幼い小鳥を見つめて笑う
                    A10 おかあさんとおとうさんはどこ?
                    Q11 苔むした大樹に手をあてて
                    A11 私も木になりたいと思ってしまう事があるの。
                    Q12 色づく木の葉
                    A12 はらりはらりと舞い落ちる様を眺めていたら
                    Q13 朱く紅く変わりゆく空色
                    A13 もうすぐ夜になってしまうから早くお家に帰りましょう。

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                    乙女ですって 10 (R-18) 乙女の原石

                    Posted by 碧井 漪 on   0 

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                      土曜日の朝、

                      夜明け前にホテルから帰宅した菜津子は着替えてベッドに横になったが、眠る事が出来ずに、隆人から貰った指輪を眺めている内に、朝を迎えていた。


                      菜津子は部屋のカーテンを開けた。


                      指に嵌める事の出来ないサイズのダイヤの指輪を、向かいの建物の隙間から覗いた朝陽に翳すと、キラキラと輝く美しい光が見えた。


                      今まで、他人からアクセサリーを貰った事が無かった菜津子には、それがたとえお下がりの指輪だとしても関係なかった。


                      綺麗・・・これほど美しい指輪を、私などに下さるなんて・・・



                      百世不磨の心 3  (R-18・ムーンライトノベルズ9~12話)

                      Posted by 碧井 漪 on   0 

                      百世不磨3
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                        「うわー、綺麗になったなぁ。さすが兄貴。」

                        このマンションに住むもう一人の住人が帰って来た。

                        帰宅してすぐに手洗いうがいが、昔からの青木家の決まりで習慣になっている。

                        その男は、洗面台に向かった。

                        手を洗っていると、バスルームの扉が開き、

                        湯気と共に出て来た人物を振り返りながら、

                        「兄貴、風呂入ってたの?ありがと、すっかり綺麗になっちゃって。やっぱ俺、兄貴がいないとダメだって思うよ・・・って、えー?!」

                        「先生、タオル取って下さい。」

                        琥珀は、バスタオルの入っている棚を塞いでいる、もう一人の住人の男に向かってそう言った。


                        相違相恋 25

                        Posted by 碧井 漪 on   0 

                        相違相恋25
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                          カチャッ、パチッ。


                          シャワーを浴びて、半袖パジャマ姿になった光樹がほわーっとした顔をして部屋に戻ると、すぐに机に向かった。


                          手に取った机の上のスマートフォンを指先で操作して電話帳を開く。


                          い・・・


                          伊藤希の文字を眺めた光樹の頭の中では、名前の文字はすでに希の姿に置き換えられていた。


                          stady、恋人、彼女って、それは希ちゃんが僕を好きという事?


                          えー、えー、えーっ?本当に、いいのかなぁ?


                          だって昨日出逢ったばかりで、付き合うなんて・・・と考えていた光樹は、

                          海外でのクラスメイト・メリーという女の子が、「出逢ったばかりだからなおさら付き合ってみなければわからないんでしょう?好きか嫌いかは一緒に過ごす時間が増える事で自動的に決定されているのよ」と言っていた事を思い出した。・・・その時は尤もだと思った。


                          相違相恋 24

                          Posted by 碧井 漪 on   0 

                          相違相恋24
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                            カチャッ。


                            灯かりの消えている光樹の部屋に忍び込む人物がいた。


                            パチッ。


                            灯かりを点けて光樹の部屋の扉を閉めた。


                            制限時間はあと10分。


                            ゆっくり入って来てね、と言ったものの、シャワーだから時間はそうそうかからない。


                            ぐるりと光樹の部屋を見回したおかっぱ姿の中学一年生の少女は、光樹の机の上に置かれている目的の物を見つけて駆け寄った。



                            相違相恋 23

                            Posted by 碧井 漪 on   0 

                            相違相恋23

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                              暗い気持ちを拭い切れないまま自宅に辿り着いた廉は、

                              「おかえり。どうしたの?今日は遅かったじゃない。待ってたのよ。先にご飯食べるでしょ?」と玄関の鍵を開けた母親に訊かれた。


                              きっと早く夕飯の片付けを済ませたいんだなと、母親の一方的な都合だけでこっちの気持ちも考えずに、せっつかれている感じが今日は何故か堪らなく嫌だと思った廉は、「片付けていいよ。食べたくなったら一人で勝手に食べるから。先に風呂入る。」とぶっきらぼうに言うと、

                              「あら、今、お父さんが入ってるのよ。」と挫かれているかのように返された。


                              「ふーん、そう。わかった。」


                              廉の母親は、帰って来ると「腹減ったぁ!今日のメシ何?」とスニーカーを脱ぎながら大きな声で聞いて来るいつもの様子と違うので心配になったが、そっとしておこうと考え、

                              「食べる時、言いなさい。おかず、あっためるから。虫刺されの薬も出しておくわね。」とだけ言って、居間へ向かった。


                              廉は自分と弟の共同部屋へ向かった。


                              相違相恋 22

                              Posted by 碧井 漪 on   0 

                              相違相恋22

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                                光樹が希の横に並んで歩いていると、希が急に曲がり、図書館の敷地に入った。


                                人気(ひとけ)は無いが、灯かりが見える図書館の入口に向かって無言で歩く希に、「図書館に寄るの?ここに図書館があるって知らなかったな・・・」と光樹は、明るさを作りつつ言った。


                                疲れてしまったのか、何かを思い悩んで沈んでいるように見える希の様子を光樹はずっと気にしていた。


                                「松田くん、送ってくれてありがとう。」


                                "本日は閉館しました"という看板が立てられている図書館入口付近の街灯の下で足を止め、顔を上げた希が光樹の目を見て言った。


                                相違相恋 21

                                Posted by 碧井 漪 on   2 

                                相違相恋21


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                                  希と光樹は混雑している車両の中で、ホームとは反対側の開かない方のドアへ押しやられていた。


                                  車両内は何故か男性の比率が高く、優先席隣に立って扉に手を付き、外を見る希の隣にもサラリーマン男性が押し出されて、今にもぶつかりそうだった。


                                  それが嫌だと感じた光樹は、左肩に掛けていた通学鞄を何とか背中側に押しやり、サラリーマン乗客と希の間に右腕を伸ばして、ドアに突っ張り、遮った。


                                  希はその時、窓の方に伏せていた顔を光樹のいる方へ向けた。


                                  えっ?というような驚いた表情で振り返った希を見た光樹は、「ごめんね。掴まる所がなくて。駅に着くまでこのままでもいい?」と心の中ではまごつきながら訊いた。


                                  別のもっと上手な理由を見つけて言えなかったのかと後悔しながら、希が恥ずかしそうに黙って頷くのを見た光樹は、ドキドキが止まらなくなって、思わず目を伏せてしまった。


                                  再び扉の窓の方へ顔を向けた希と、希の後ろで他の乗客が希の体を押さないように扉に向かって腕を突っ張る光樹は、共に揺られながら、夜の色に染まった車窓に映る顔を、いつの間にか、お互いに見つめていた。


                                  相違相恋 20

                                  Posted by 碧井 漪 on   1 

                                  相違相恋20
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                                    先に希が改札を通過し、その後に光樹も続いた。


                                    手を離してと言われたのは、希がバッグの中から定期券を取り出す為だった。


                                    良かった・・・手のひらに汗をかいていたから、希ちゃんに嫌がられちゃったのかと思った。


                                    また手を繋いでいいか、思い切って聞いちゃおうかな・・・と少し大胆な考えを巡らせていた光樹の耳に、


                                    「ヒロ、おーい、光樹。待てよ。彼女か?紹介してくれよ。」と後ろから廉の声が届いた。


                                    光樹が足を止めて振り返ると、部活のジャージを着て、改札を通り抜けた廉の姿がすぐ目の前にあった。


                                    甘くなくてメンドクサイ 3

                                    Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                    オリジナル小説発表

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                                      自転車を漕ぐ私の頬にぶつかる北風の冷たさ。


                                      その正直な気質を感じて、心が洗われて行くように思えた。


                                      室内から出たてのまだ温い体と中途半端に思える私自身の甘い考えを厳しく律してくれる感覚に委ねると、自分の中が空っぽになって行く。


                                      心の中に燻る靄(もや)もすべて、自然の冷気の前にはちっぽけで意味のない事だと突き付けられる。


                                      もやもやした胸から、はーっと吐く息はたちまち白くなり、闇色に溶けてなくなった。


                                      通り過ぎる家々のオレンジ色の窓の灯かりを見ながら、クリスマスの夜にケーキを囲んで家族で楽しく過ごしているのかしらと、それからはひたすら、寒風の中を無になろうと自転車で突き進む内に自宅に着いた。


                                      SとS 7 (BL) バスルーム

                                      Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                        瞬太朗がシャワーを浴びてバスルームを出ると、脱衣所の籠の上にバスタオルと着替えが置いてあった。


                                        体を拭いた瞬太朗がTシャツに袖を通すと、思わず匂いを嗅いだ。


                                        当たり前だけど、洗濯されたTシャツからはセイ監督の匂いはしない・・・だけどこのシャツはセイ監督のカラダを包んでいて、変だとは思うけど、まるで自分がセイ監督に包まれて守られているような気持ちになる。


                                        嬉しいな。


                                        いっそセイ監督の息子だったら、まだ良かったとさえ思う。


                                        家族として愛して貰えるのならそれでもいい。


                                        尊敬してるし、愛してる。


                                        セイ監督の役に立つのなら、自分は何でもしたいと思う。


                                        SとS 6 (BL) 受け継いだ血

                                        Posted by 碧井 漪 on   4 

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                                          「さてと、弟子。俺は中断してる編集作業の続きやるから、ふぁー眠い・・・そうだな、暇ならコーヒー、アイスで淹れてくれるか?」


                                          穏やかになったセイの顔を見た瞬太朗は、自分の中から焦燥感が消えて行くのを感じた。


                                          やっぱり安心する、セイ監督の傍は・・・


                                          「もうすぐお昼ですから、何かさっぱりしたものでも作りましょうか?買い物に行って来ます。」


                                          「買い物なんていいよ、外はまだ暑い時間だから。確かそうめんとかあったからテキトーに作ってくれたら。」


                                          「わかりました。」


                                          学校が休みになる土日に瞬太朗は忙しい両親に代わり、料理をしたり掃除や洗濯などを行う事をここ何年も当たり前のようにしていたので、家事はお手の物だ。


                                          その事を瞬太朗と昨年と一昨年、二度の夏休みを一緒に過ごしたセイは十分知っていた。


                                          乙女ですって 9 (R-18) 自己辯護

                                          Posted by 碧井 漪 on   0 

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                                            菜津子の家、ジュエリーショップツナシマと書かれたシャッターが閉められた店の前に立った隆人は、自分の腕時計で時刻を確認した。


                                            土曜日の朝、八時五分か。


                                            決して早くはないが、遅くも無い。


                                            ちらりと辺りを見回すと、そこはまだシャッターの閉められた店が立ち並ぶ駅前の商店街だった。


                                            綱島さんの家は、おそらく店の上にある二階と三階部分ではないかと考えられるが、どこから自宅玄関へ向かえるのかが分からない。


                                            店と店の間には細い隙間のみで、猫ならすり抜けて行けそうだが、人は入って行けない。


                                            商店街の端にあるジュエリーショップの隣は、木塀に囲われた平屋建ての小奇麗な民家が建っている。


                                            表札はない。この商店街の関係者が住んで居るのだろうか?


                                            丁度この民家の建っている敷地までで、商店街のタイル敷きの道が終わっている。


                                            御互い

                                            Posted by 碧井 漪 on   0 

                                            御互い

                                            にほんブログ村 トラコミュ イラスト・まんが・挿絵・デザインへ
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                                              あなたの声がする。



                                              まどろむ、薄い膜を張った様な私の意識の向こうで感じる、



                                              その心地良い響き。



                                              私があなたを好きな理由は、



                                              思っている事と同じ言葉を声に変えてくれるところ。



                                              私みたいに、



                                              無理したり、誤魔化したり、裏腹な言葉を使ったりしない、



                                              真っ直ぐで正直なあなたを、



                                              尊敬しています。

                                              相違相恋 19

                                              Posted by 碧井 漪 on   0 

                                              相違相恋19
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                                              ブログランキングならblogram





                                                その頃、光樹の制服ズボンと採寸データを手にしたこうめは、学園に迎えに来た車に乗って自宅へ戻っていた。


                                                大急ぎでマツダくんのズボンの裾上げをしたら、おばあちゃんの家へ行くと言って抜け出そう・・・


                                                そう考えていたこうめだったが帰宅してすぐ、姉のあやめに、「出掛けるの?今夜のお食事会にこうめも連れて来る様にって、おとうさんが・・・」と言われた。


                                                「お食事会?行かないわ。私、おばあちゃんの家に行くの。」


                                                「駄目よ。嘘でしょう?」


                                                「嘘じゃないわ。」


                                                「私には本当の事を言ってもいいのよ。わかっているから。だけどねこうめ、今夜のお食事会には春野のおじいちゃんもおばあちゃんも高橋のおじいちゃんもおばあちゃんも来るから、その言い訳は通らないわ・・・」


                                                「えっ・・・そんな、どうしよう。」


                                                「お友達と約束でもしたの?それなら待っているかもしれないから早く連絡した方がいいわ。」


                                                「うん、お姉ちゃん・・・この事は黙っててね。」


                                                「ええ、もちろん。それよりもあまり時間がないから、出かける支度をして来て。私は将大を見て来るから。」


                                                「うん・・・」


                                                SとS 4 蘇る想い (BL)

                                                Posted by 碧井 漪 on   4 

                                                SとS4
                                                晶
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                                                  キスをされて嬉しかった。


                                                  それは、自分にキスしてくれた相手を好きだから。


                                                  そう、それがとても年上で同性の人であっても。


                                                  自分の父を愛していると判る人、それも男を男の自分が好きになるなんてない、事は、なかった。


                                                  現に、こうして名前を見るだけでどきどきする。


                                                  「潮田晴之輔」


                                                  その人の名前。


                                                  父の恩人で親友、いつも父が笑顔で話してくていたその人の事を、


                                                  自分も知らず知らず好きになっていたのかもしれない。


                                                  いつも前向きで暗い顔を見せたことのないセイ監督。


                                                  二十年前、父と一緒に暮らしていたというマンションは、現在セイ監督が日本滞在中の住まい兼仕事部屋になっている。


                                                  瞬太朗はセイにキスをされた六日後、その部屋の前に居た。










                                                  相違相恋 18

                                                  Posted by 碧井 漪 on   4 

                                                  相違相恋18

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                                                    「おーい、マツダくん?」


                                                    こうめは広げた手のひらをサッサッと光樹の目の前で上下に振って、固まっている光樹の意識を確かめた。


                                                    「えっ?はいっ!」


                                                    「学生証、貸して?」


                                                    「学生証?」


                                                    「制服注文するなら身分証がいるでしょう?時間がないし、手っ取り早いのは学生証を持って行く事。この制服買ったのってこの上のお店?」


                                                    「そうだったと思う。」


                                                    「それなら採寸データもあるから・・・ズボンの裾丈は同じでいい?」


                                                    「うん。だけどいいよ、僕が自分で行くから。」


                                                    「映画観られなくなったら困るでしょう?いいから、私に任せて。ね?希。」


                                                    「うん・・・あの、松田くん、こうめに任せても大丈夫です。こうめは自分でお洋服を作れるの。このワンピースもこうめが・・・」


                                                    「そんな事より、早く。希、映画が終わったら電話して。マツダくん、学生証。」


                                                    捲し立てたこうめは、はい、と光樹の前に手のひらを差し出した。


                                                    「そろそろ行かないと、次の回に入れなくなる。」


                                                    瞬太朗は後ろから光樹の肩を掴んで、軽く引いた。


                                                    相違相恋 17

                                                    Posted by 碧井 漪 on   0 

                                                    相違相恋17

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                                                      「光樹!おーい!」


                                                      改札口の方面から聞こえて来ている筈の瞬太朗の声に光樹は反応しなかった。


                                                      「私は一度学校に戻るけどまた来るから・・・そうね二時間位時間を潰していてくれるかしら?」


                                                      「こうめ・・・私、よく知らない男の人と話せないわ。」


                                                      「あら?茉莉香ちゃんのお友達でしょう?大丈夫よ。あのね、彼は”そんなにアイシテル?”のリリカちゃんが好きなんだって。今の希はそっくりだから、その姿で彼を何とか虜にして、”いいなり”になるようにするのよ。いい?」


                                                      こうめは昨日と同じ三つ編みに高校の制服姿、しかし希は、こうめの用意した白いガーリィーなワンピースに着替えさせられた上、三つ編みを解かれ、アニメに出て来るリリカによく似た姿にさせられていた。



                                                      該当の記事は見つかりませんでした。