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sazanamiの物語

恋愛小説を書いています。 創作表現上の理由から、18才未満の方は読まないで下さい。 恋愛小説R-18

オンナダカラ オトコダカラ 2

Posted by 碧井 漪 on   0 

この人は他のヌードモデルとは違っている。


裸というものをその身に纏っているように、毎回新たな小気味よい錯覚を与えられていた。


写し取るとカンバスに、その肢体から滲み出ているみずみずしさが宿って行く。


しかし、この人の剥き出しの心は純粋で、触れたら桃の皮のように簡単に破れてしまうに違いないと断言出来る。


オンナダカラ オトコダカラ 7

Posted by 碧井 漪 on   0 

あの日からどの位経ったのか・・・おそらく一月程かな・・・そうだ、その位だ。


一梢の日曜日の日課は、小雨程度なら朝から走る事にしていた。


今朝も、薄手で軽い素材のスウェットスーツに身を包み、起伏のある町内をぐるりと一周、


一時間少々走るコースに朝靄(あさもや)の立ち込める中、出発した。

オンナダカラ オトコダカラ 8

Posted by 碧井 漪 on   2 

玉さんに出逢って二年少々。


アパレル広告のモデルやテレビに出演するエキストラなどの仕事を経て、


モデル派遣会社に登録したという玉さんがヌードモデルとしてここに初めて来た頃は、


経験が浅く、指定したポーズさえ出来ないレベルだった。


しかしそれは、今まで描いていた、裸を見せるのに慣れたモデルばかりを描くようになっていた私には新鮮だった。

オンナダカラ オトコダカラ 11

Posted by 碧井 漪 on   0 

ジョギングから帰宅した一梢は汗を流す為にシャワーを浴びていた。


そんな中、侵入者は、昔からそうしていた合鍵の隠し場所を知っていて、


一梢のアトリエ兼自宅玄関を開錠して、一梢がシャワーを浴びている事に気付いたが、気にせず台所へ向かった。


オンナダカラ オトコダカラ 13

Posted by 碧井 漪 on   0 

疲れた・・・薬を飲んで寝よう。


一月前は、この時間ぶっ通しで絵を描いていても疲れたりしなかったのに。


一梢は初夏の陽気の穏やかな日曜日の昼下がり、


横になっていたベッドの上ですーっと深い眠りに落ちていった。


体温が上がり、目覚めた一梢は、何時だろう?とテーブルの上に置いた携帯電話に手を伸ばした。


アトリエにある時計はこの位置から見えない。そして少し早めてあった。


オンナダカラ オトコダカラ (R-18) 14

Posted by 碧井 漪 on   8 

「玉果(きよか)さん。」


「はいっ!」


先生に”玉果さん”と改まった様子で呼ばれて、思っていたよりも大きな声が出てしまって反省している私に、先生は、


「先日申し上げた事は嘘です。あなたを見てイメージが湧かないとは嘘です。大変失礼な事を言いました。今の私にはおそらくあなた以外描けません。」


私が言われると考えていた事と全く逆の事を言われて、とても戸惑った。


レッドリボン

オンナダカラ オトコダカラ (R-18) 16

Posted by 碧井 漪 on   0 

玉果に病気を告白し、別れてから一梢は絵筆に触れようともしなかった。


絵を描く以外、何かをしたいと思わない。


だが、絵はもう描かないと決めた。


玉果を自分の画家として描いた絵の最後のモデルにしたいという想いが、


一梢の気持ちの堰となっていた。


描けば思い出してしまう。


カンバスに向かって筆を取り、記憶の中から写し取るように彼女の滑らかな曲線を辿ってしまえば、忘れるどころか、このまま今すぐ彼女の家の近くまで走って行ってしまいそうだ。


逢いたい。


オンナダカラ オトコダカラ (R-18) 17

Posted by 碧井 漪 on   2 

玉果はコピーした資料を、眠れずに布団の中で読んでいた。


先生がこのAIDSという病気を将来発症して死んで行く。


私を愛した事を忘れて、二度と絵を描けなくなる遠くの世界へ行ってしまう。


ガクガク・・・私の膝が震え出した。


胸の奥も、キンと冷たくなる感じがした。


怖い、とても怖くなった。


先生を失う・・・失ってしまう。


私をやさしく包んでくれる先生との時間が永久に奪われる。


オンナダカラ オトコダカラ (R-18) 18

Posted by 碧井 漪 on   2 

ガチャリ、


シャワーの水音が止(や)んだ後のバスルームのドアが開いた。


そして玉果が出て来た。


水滴と、湯気を纏った、この世にたった一つしかない、彼女の美しい裸体。


だめだ、と頭の中で鳴り響く警鐘音。


それなのに、彼女カラダから目を逸らす事がどうしても嫌だった、出来なかった。


見蕩(みと)れてしまう、魅入られたオンナのカラダに。


オンナダカラ オトコダカラ (R-18) 19

Posted by 碧井 漪 on   0 

「玉さん、着替えないと、体が冷えて来ましたよ?」


「先生と離れたくありません。」


離れたくない、それは私もだと一梢は思っていた。


「それならば・・・今夜からずっとここで暮らしませんか?こんな所で玉さんがよろしければですが。」


「先生!それ、まさか、プロ・・・くしゅん!くしゅんっ!」


「風邪を引いたら大変・・・とりあえず、これに着替えて。」


オンナダカラ オトコダカラ (R-18) 20

Posted by 碧井 漪 on   2 

「あなたに傍に居て欲しいと言ってしまった事を取り消します。」


「だめです!オトコが一度口にした事ですから、取り消しは出来ません。」


「玉さん!」


「バチなら、私にもバチを当てて下さい。


先生を愛して愛されて、離れられなくなってしまったバチを。


移して、私にも。先生と同じ病気になって、同じ日に死にたい。


それがだめなら、今すぐ、ここで私と一緒に死んで下さい。」



オンナダカラ オトコダカラ (R-18) 21

Posted by 碧井 漪 on   0 

「先生・・・結婚したから、初夜ですよ?」


「そうですね。」


あれから一月程の間に二人は入籍して一緒に暮らす事になっていた。


互いの両親には、発病するまでは病気の事を伏せたままでいようと玉果が強く希望したので、一梢はそれに従った。


「そうですねって、それだけですか?」


玉果は続けて「初夜なのに・・・」とつまらなそうに呟いた。


「他に何か?・・・描きたくなるような見事に丸い月ですね。」


「ご主人様、描くなら私のカラダにして下さい。」


せめて絵を描いて貰おう、と玉果は裸になった。


オンナダカラ オトコダカラ (R-18) 22 (最終話)

Posted by 碧井 漪 on   6 

「はっ、はぁ・・・っ・・・!」


ビクン、ビクッと跳ねる、愛らしいカラダ。


とろりと蜜で潤った穴の中に、指を挿し入れて確かめてから、


「・・・いいですか?」と訊ねると、


受け入れるカラダの持ち主は仰向けに横たわって脚を開いた状態でこくりと首を縦に動かした。


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