暁と星 70 (R-18) 春 - sazanamiの物語
    コンテントヘッダー

    暁と星 70 (R-18) 春

    にほんブログ村テーマ 小説15禁・18禁(性描写あり)へ
    小説15禁・18禁(性描写あり)


    並川と初音がリビングスペースで睦み合う最中、治療室兼、星良と暁良のベッドルームでは、並川夫妻に負けない位、星良と暁良は濃密な時間を過ごしていた。


    「はぁ、はぁっ・・・星良・・・・・・」


    「暁良、もう・・・もう、終わりにして?ナカ、いっぱいで、もう───」


    星良の上を覆う暁良の上気した肌からは、絶え間なく汗が滴り落ちていた。


    暁良は二度、星良のナカで果てた後、三度目を試みていたが、呼吸は荒く、星良より具合が悪そうだった。


    「暁良、一旦離れましょう。」ぐぐ、ぐぐっ、星良は暁良の胸を両手で押した。


    「・・・嫌だ。」星良の上を覆う暁良のカラダはビクともしない。


    細いのに、男の人だわ。力では絶対に敵わない。


    特に私は二年も寝たきりだったから、腕の力が全然無いし・・・


    「暁良、クリスマスプレゼントがあるの。」


    「プレゼント?」


    「初音さんに買って貰った本を読んで作ってみたのだけれど・・・ごめんなさい。あまり上手に出来なかったの。」


    星良がそう言うと、暁良は興味を持った。


    「星良が?何を作ったの?」


    「ええとね、ちょっと待って。」体を起こした星良の背中を手で支えながら、ようやく暁良は星良の上から退いた。


    カタン、星良はベッドサイドにある戸棚の引き出しから、小さな包みを取り出した。


    そして、赤いリボンの掛けられたその包みを暁良に手渡した。


    「使えないかもしれないけれど・・・」


    暁良はシュルとリボンを解き、カサカサと包みを開いた。


    「ハンカチ・・・!」


    白いハンカチの隅に、暁良のイニシアル”A”と紅い薔薇を模した刺繍が施されていた。


    長い時間針を持つと震えてしまう手で、一針一針、暁良の為に、星良は毎日少しずつ、一生懸命頑張って刺繍をした。


    「あまり、得意ではなくて、薔薇に見えないと思うけれど・・・」


    「ううん。薔薇にしか見えない。星良は紅い薔薇が好きだった?」


    「ううん。でも、暁良には赤い薔薇が似合うと思って。あの薔薇の花束も私より・・・あ、ごめんなさい。」


    励達から贈られた薔薇の花束、それを暁良が快く思って居なかった事を忘れた訳ではなかったが、引き合いに出してしまった事を後悔した。


    口を噤み、肩を竦めた星良に、暁良はクスッと笑って見せ、


    「ごめん、花束の事は。ハンカチ、とても嬉しい。大切に使うよ。実は僕も星良にプレゼントがあって。」と今度は暁良がベッドから離れ、入口のドアの横に置いてあった紙袋の中から、細長い箱を取り出した。


    星良には、その箱の中身が何なのか、見当も付かない。


    白いリボンを掛けられた、薄茶色の長い箱。


    「なあに?」


    「開けてみて。」


    星良が箱を受け取ると、暁良はベッドの上に腰を下ろした。


    星良がリボンを解きながら、窺った暁良の横顔は、とても穏やかな笑みを湛えていた。


    星良はそれが何よりの贈り物だと、胸を熱くしながら箱の蓋を開けた。


    中には、一輪の薔薇が包まれていた。


    そのまま渡せる状態なのに、何故箱に入れたのかと、

    「どうして箱に入れたの?」と星良が訊くと、

    「本当は花束にしたかったんだ。でも今、庭の薔薇はあまり綺麗に咲いていなくて・・・もう少し暖かくなったら沢山咲くのだろうけれど。だから、すぐに一輪だと分からないように恰好付けたくて。」と暁良は恥ずかしそうに、目を合わせず明かした。


    思わず笑みを零した星良は、暁良の体に抱き付いた。


    「星良?」


    「嬉しい。大好き、暁良。」


    「暗いから、薔薇の色、よく見えないよね。」


    「色?」


    パチッ、蛍光灯を点けると、箱の中の薔薇の色は「わぁ・・・!紅茶の色ね?」と星良を驚かせた。


    「そう、セピアの薔薇だよ。」


    「珍しい色ね。初めて見たわ。」


    「気に入ってくれた?」


    「うん。」暁良の大好きな紅茶の色。


    「星良に見せたかったんだ。」


    荒れ放題だったお屋敷のお庭には、暁良が沢山の薔薇を植えて、育てていると聞かされていた。


    しかし、外出許可の下りない星良はお屋敷に行く事も出来ず、暁良からその話を聞かされるだけだった。


    「ありがとう。」


    いつか暁良と一緒に、見事な薔薇の咲き誇るお屋敷のお庭を歩きたい。


    そんな風に考える星良の手をきゅっと握った暁良は、

    「もっと沢山の薔薇が咲く頃に、僕が連れて行ってあげる。」と微笑んだ。


    「うん。」


    にっこり返事をした星良の頬に、暁良が手を添えた。


    唇を重ねながら、二人はベッドの上に倒れ込むと、きつく抱き合った。


    「しあわせ・・・」星良がぼつりと漏らすと、

    「うん、だけど───」暁良が言った。


    暁良の腕の中で、星良は顔を上げた。


    「暁良?だけど、何?」


    「だけど、もっとしあわせにしたい。出来たら僕が。」


    「無理よ。」星良はクスクス笑った。


    「どうして?僕では力不足?」


    「ううん。違う。怖いから。」


    「怖いって、何が?」


    「これ以上、暁良にしあわせにして貰ったらバチが当たりそうで・・・」


    「バチなんて当たらないよ。星良は僕がこれ以上星良をしあわせに出来ないと思ってるの?」


    「思ってないわ。だから心配なの。」


    「心配って?」


    「暁良、頑張り過ぎてしまうから。私・・・」


    「ああ、そういう事?」


    「そういう事って?」


    「並川さん風に言うと”ヤリ過ぎ”って事でしょう?」


    「そっ、そういう事ではなくて・・・!」


    「頑張るよ、もう一回。」


    「えっ、あ、ちょっと待っ・・・暁良!」


    「待てないよ。星良が可愛い過ぎるから。ほら・・・入ったよ。」


    「んっ!あ・・・暁、良・・・お、大きい・・・ん!」


    「いつもと変わらない。」


    「うそ・・・さっきより、っ・・・!」


    「星良のココがキュッてなってるんだよ。」


    「ううん、そんな事な・・・はあんっ、あっ、あ・・・んっ!」


    グチュッ、グチュ、グチュッ・・・二人の体液は星良の体の深い部分で混じり、体を離した後も、心は熱いままだった。


    「命は限りあるけれど、僕が最後に手に入れるしあわせは、君であって欲しい。他のしあわせはもう要らないよ、星良が傍に居るしあわせを膨らませる事は止めないけれどね。」


    「私のしあわせは、暁良と生きられる事。」


    生まれて来た意味も、生きる喜びも、すべてあなたに繋がっている。


    あなたが傍に居てくれる事は、命を貰っているのと同じ。


    あなたが居なければ、私は生きて居られなかった。


    そしてあなたは、私を必要としてくれる。


    私に出来る事は、あなたと共に生きる事だけ。


    それが、私とあなたのしあわせになる。


    生きよう。


    この世に生まれて意味のない事などない。


    もしも意味のないと感じてしまう人生を送っているのなら、それはまだ知らないだけ。


    しあわせは必ずある。


    辿り着くまで信じられない日々を送るけれど、いつか必ず、辿り着くと信じられたら、


    しあわせになれる。










    それから三か月経った、四月一日。


    季節は春。暖かくなり、星良の容体は安定していた。あれから一度も頭痛や発熱を引き起こさず、風邪すら引かなかった。


    「並川さん、どうですか?」暁良は、今日こそは星良の外出許可を貰いたいと、星良の検査結果の数値を眺める並川に詰め寄った。


    「あー、うん。そうだなぁ・・・まだこの辺がねぇ・・・」


    「この辺って、どの辺ですか?悪いんですか?」


    「そうだねぇ・・・一つ注意しなければならない事があって。」


    「何ですか?」


    「キスは禁止。」


    「えっ?キス?」


    「暁良、守れないだろう?」


    「ま、守りますよ!・・・もし破ったら?」


    「死───」


    「死・・・?」


    「死、ぬ訳ないだろ、馬鹿!」


    パコーン、並川は丸めた冊子で暁良の頭を叩いた。


    「いったー!何するんですか!このニセ医者!」


    ポコーン!暁良はやり返した。


    「エイプリルフール。知らないのか、暁良は。」


    「あっ・・・今日か。知ってますよ───という事は・・・」


    「いいよ。星良ちゃん、試しに一泊。お屋敷に連れて行きたいんだろ?」


    「はい!ありがとうございます!」


    「何もないと思うけど、何かあったらすぐに連れて来る事。俺が行ってもいいけどな。」


    「分かってます。」


    笑顔の暁良の目には涙が浮かんでいた。


    「星良ちゃんにも知らせたら?」


    「はい。あれ、星良は?」


    「初音の腹痛を心配してたから、トイレの近くじゃないか?」


    「初音さま、お加減よろしくないのですか?」


    「お前はどーして初音の時だけ、丁寧な言葉になるんだよ。」


    「何となく、です。」


    「さま、とか付けるのがよろしくないんだよ。」


    「はぁ・・・ですが、そう呼べと仰せでしたので・・・」


    「初音の執事じゃないんだからいいって。」


    「はい。では、初音さん・・・」


    「んー、なんかそれもムカ付く。」


    「はいはい。それでは、僕は星良と支度して───」


    バタン!


    その時、星良が勢いよくドアを開け、部屋に飛び込んで来た。


    「並川さん、大変です!初音さんが・・・!」


    「星良、どうしたの?初音さんがどうしたって?」


    「それが・・・」


    「騙されるなよ、暁良。初音は俺に復讐しようとしてるんだ。」


    「復讐?」


    「実は、今朝、俺が不治の病に侵されたと、軽い冗談のつもりで言ったら、初音のやつ真に受けて、今日が何の日が明かしたら、ビンタしやがって。だからさ、俺に仕返しって訳。腹が痛いってのも嘘だろ。朝飯、綺麗に平らげてたし。」


    「並川さん、違います。初音さんは───」


    「星良ちゃん、いいわ。私から言う。」


    「初音さん、横になっていて下さい。」


    「平気よ。吐いたら楽になった。」


    初音の顔色は、間近で見ると良くない事が暁良にも分かった。


    離れた位置に座る並川は、初音の具合が悪い事に気付いていないと見える。


    初音は、つかつかと並川の前に歩いて、バン!机の上にある物を叩き付けた。


    「何、これ。」


    「何って、ご覧の通りよ。」


    「赤インク?」


    「違うわ。本物よ。」


    「最近、こういうの、ネットで買えるらしいじゃないか。」


    「ばっかじゃない?私が買う訳ないでしょ!何なら、あなたの前で証明しましょうか?」


    「え?マジで?」


    「マジよ。」


    「嘘だろ、え・・・?」


    初音が並川の机の上に叩き付けたのは、陽性反応の結果の出た妊娠検査薬だった。


    「並川パパ、おめでとうございます。」


    星良と手を繋いだ暁良が、にやにやしながら並川に近付いた。


    「おめでとうございます。」星良にダメ押しされて、

    「あ、お、俺・・・えー?」そう言いながら、口の端が上がる並川を見て、初音も恥ずかしそうに微笑んだ。



    関連記事

    テーマ : 恋愛小説
    ジャンル : 小説・文学

    プロフィール

    碧井 漪

    Author:碧井 漪
    絵師 西洋蔦(ib)さんと共に更新中


    作品の著作権は
    sazanami&ibにあります。
    無断転載は禁止しています。



    ☆総合目次☆

    *乙女ですって 相関図*

    *近男 登場人物紹介*

    *SとS 家系図*

    *恋愛小説 官能小説 作品一覧
    +覚書 2017.2*

    応援バナー
    いつも応援ありがとうございますm(T▽T)m
    にほんブログ村テーマ 恋愛小説(オリジナル)へ
    恋愛小説(オリジナル)
    にほんブログ村テーマ 小説15禁・18禁(性描写あり)へ
    小説15禁・18禁(性描写あり)
    blogramによるブログ分析
    blogramランキング参加中!
    ↑当ブログ成分が
    解き明かされています(//∇//)






    2014.10.16設置



    最新記事
    検索フォーム
    全記事表示リンク

    全ての記事を表示する

    アクセスカウンター2012.6.28~
    ご訪問ありがとうございます
    現在の閲覧者数:
    リンク
    最新コメント
    カテゴリ
    月別アーカイブ