近男 -Kindan- (R-18) 改稿版 10 愛の始まり(64~73話) - sazanamiの物語
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    近男 -Kindan- (R-18) 改稿版 10 愛の始まり(64~73話)

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    「あんな所、一人でウロついて、そんなにオトコが欲しかったのかよ。こんなに濡らしてさ…下着通り越して、ストッキングまでビチョビチョじゃん」


    流星の右手の指先は、ストッキングを掻い潜り、輝美のショーツの中の濡襞の入口に到達していた。


    「や、ぁ…やめ…て…」


    くちゅ、流星の中指の先が、輝美の膣の入口をなぞると、ふるり、輝美の内腿が震えた。敏感になった秘処に連動して、輝美の乳首はジクジク疼き出した。


    「さ…」


    触って欲しい、流星に向かってそう言えない輝美は下唇を噛むと、息を止め、漏らしそうな喘ぎ声を堪えた。苦しそうな輝美の表情を見た流星は、輝美の秘処に当てていた指先をショーツの中から抜き取った。


    「輝美、そんなに俺が嫌い?誰でもいい以下の存在?俺、よっぽど輝美に嫌われたんだ…わかったよ、俺、ここ出てくよ」


    「え…?」


    俯いていた輝美は、ハッと顔を上げた。


    「今日だって、真っ直ぐ帰って来なかったのって、俺が嫌いだったからだろ?何となく解ったよ。それで、誰か好きになれそうな男に出逢おうとしてたんだろ?俺…そこまで嫌われる事した憶えないけど、そんなに好かれてもないって今日はっきりしたから、やっと決めた」


    「決めた?」


    「輝美の為に輝美から離れる事にする」


    「私の、為…?」


    「うん。俺、自分の為だったらここから離れられないからさ、輝美の為って思えば、ここ、出て行ける。俺が出て行ったら、輝美は好きなだけ男連れ込めばいいよ」


    「嫌、だめよ、そんなの…!」


    「輝美の家はここだろ。俺が転がり込んで来なければ、輝美はもっと早く、いい人と結婚出来てたかもしれないよね。俺が邪魔してて、ほんと悪かったと思う」


    「流星!」


    「ずっと好きだった。ここを出る前も、出てからもずっと、輝美を忘れられた日はなかった……なんて、ははっ、ごめん。忘れて」


    目に涙を滲ませて言った後、流星は輝美に背を向け、脱衣所から出て行った。


    「まっ…!」


    ガクン!


    折れた輝美の膝が、床の上に崩れ落ちた。そして、腫れ上がり、酷い痛みで動かせない輝美の足首は重かった。


    ズキンズキン、足首より、心が辛い。


    輝美は両手、両膝を床に着け、廊下からリビングを目指して這いずった。


    「流星、流星っ…!」


    必死だった。足の痛みで涙が溢れているんじゃない。悲しいから。流星に誤解されたまま、このまま別れたくないと思っているから。


    リビングに流星の姿はなかった。荷物を置いている部屋の戸が開いている。真っ暗、だけどあそこに居る、多分。今夜、荷物を纏めて出て行く気なのね。わかったわ、あなたが出て行く前にこれだけは伝えておかなくちゃ。流星の顔を見なかったら言える。


    「聞いて流星。私は、あなたが好きよ。本当は、あ…」


    輝美は口籠った。いざ告げようとすると、恥ずかしさが募って口を動かせない。


    『愛してる』だなんて…


    流星は出て行く事を決めたのよ?プロポーズする相手だって見つかったのに、今更私がこんな事を言ってどうするの?でも…今言わなければ、私のこの気持ちを、一生流星に伝える事は出来なくなる。誤解されたまま、死にたくない。これだけは、あなたに伝えておきたい。私の一生で一番大きな恋。


    「愛してるの!私は、一人の男の人として、あなたを愛してるのよ…本当よ……」


    四つん這いになったまま、輝美は顔を下に向け、肩を揺らして荒い呼吸を繰り返した。


    はぁ、はぁ、はぁ…とうとう、吐き出してしまったわ。あなたへの想いを、ついに口にしてしまった。


    しいん…


    返事はない。開いている戸の向こうは暗闇、物音もしない。


    輝美は荷物部屋の戸を開いた。


    いない…流星の荷物は置いてある。どういう事…?


    カサ、という音と、キシという音にハッとした輝美は振り返った。


    輝美の後ろに立った流星が、右手にタオル、左手には黒いジュエリーショップの紙袋を持って、輝美を見下ろしていた。


    「いいよ、そんな、無理して嘘吐かなくて。はい、これタオル…泥付いてる。顔と手、拭いたら?」


    放るように輝美の手の中に渡されたタオルは温かかった。輝美は流星の気遣いに感謝しながら、黙って顔と手を拭いた。


    そして流星は、虚ろな視線を輝美とは交わさず、荷物を置いてある部屋の戸を開け、中に入るとしゃがみ込んだ。輝美はその背中に手を伸ばし、しっかりと流星のシャツを掴むと「無理なんてしてないわ!本当に、流星、私はあなたを一人の男として――愛してるの」流星の背中に額を着けた。


    「そんなの、今更…信じられると思う?」


    「愛してる。あなたの事を、本当にただ一人の人として想っているわ」


    そうはっきり言葉にした時、輝美の目から涙が溢れていた。ぐす、ぐすっ、ひっ、ひっく…しゃくり上げる輝美に向き合った流星は、ようやく視線を交わすと、強く輝美の体を抱き締めた。


    流星に抱き締められた輝美は「やっぱり、出て行かないで。あなたにここに居て欲しいの…!」と更に涙を流しながら訴えた。


    「輝美…」


    「本当は、出て行かないでって、絶対言わないつもりだった。だけど、もう堪えられない。流星と離れたくないの!」


    「うん…輝美…俺もここに居たい」


    流星も、ぐすっ、鼻を啜りながら、輝美に答えた。


    コチコチコチコチコチ…時を刻む秒針の音だけが響く、静寂に包まれた深夜のリビングで二人はしばらく抱き合っていた。抱き締めている輝美が、ブラジャーにパンティストッキング姿だった事に気付いた流星は、自分の着ていたシャツを脱いで輝美の肩に掛けた。それから輝美の涙を指先で拭った流星は、真剣な顔つきで輝美と目を合わせた。


    「流星…」


    「輝美、条件がある。俺がここから出て行かない条件」


    流星は輝美の頬を両手で掴み、じっと輝美の目を見つめながら告げた。


    「条件…?」


    「俺の質問に、輝美が三回”うん”と答えられたら、俺はここを出て行かない、ずっと…」


    「もし、”うん”と答えられなかったら?」


    「出て行く」


    「!──わかったわ」


    「俺を男として愛してる?」


    「うん」


    「俺と一緒に暮らしたい?」


    「うん」


    「俺と結婚したい?」


    え──?それは…


    輝美はうん、と返事をするのを迷ったが、実際に結婚するというより、結婚したいかしたくないかだけで考えると…


    「うん」と答えていた。


    結婚出来るものならしたいけれど、家族の事もあるし…そこまでは望めない──


    「嘘じゃない?」


    「うん」


    「じゃあ、俺の手を握って、目を閉じて」


    流星は左手で輝美の左手を掬い上げた。輝美は胸の前に持ち上げられた左手で、流星の左手をキュッと握り締め、目を閉じた。


    キス…されるのかしら?


    期待した輝美は、顎先を心持ち上に向けて待っていると、ガサガサ、パクン、という音が耳に届いた。それから、握っている左手の指を流星の右手の指で伸ばされた。


    指先が触れ合うだけで、どきりとする。


    目を瞑っていると一入(ひとしお)だった。感覚が研ぎ澄まされて、肌に触れられる刺激に敏感になっていた。


    どきどき…何か硬い物が、左手の薬指の先に当たった。


    「なあに?」


    「俺がここで暮らしてもいいっていうしるし」


    「しるし?」


    「これを着けといて。もしも外したら、俺は出て行くから」


    「出て行く?えっ、何?」


    そして、ひやりとしたものが、輝美の指を包みながら通過した。


    何…?


    輝美は怖ろしくなって目を開けた。瞬間、流星が輝美の左の指先にキスを落とした。


    左手の指先に流星の唇のやわらかな感触、そして、硬い物に擦られた薬指を見ると、煌めくダイヤのリングが、ぴたりと嵌められていた。


    見憶えのあるリングを、自分の指に確認した輝美は焦った。


    「え?ちょっと、これ──流星の婚約者のものでしょう?」


    「婚約者?誰の事?」


    「え、だってこれ、流星の結婚したい相手が見つかって、プロポーズする為に買ったんじゃ…」


    「は?何言ってんの?これは輝美に買ったんだよ?サイズだってほら、ぴったりじゃん」


    「嘘…」


    「嘘って、買った本人が言ってんだから、間違いないって」


    「そんな事言ったって、駄目よ。私なんかにこんな指輪似合わないし…」


    「似合わないとか、傷付くんですけど。俺が一目惚れして買った指輪、絶対輝美に嵌めたいって思ってたのに、それを挫くような事を平気で言うなよ」


    「え、あ、ごめんなさい。指輪は素敵だけど、ほら、こんなおばちゃんがするデザインじゃないかなーって、思っただけ」


    「何、おばちゃんって。誰の事?」


    どうして流星が怒っているの?


    「え、あ…わた、し…」


    「俺の大事な輝美に”こんな”とか”おばちゃん”とか、侮辱する事二度と言わないでくれる?」


    「俺の大事な、って…」


    「これ嵌めたんだから、輝美はもう俺のもの。あ、外したら、即 出て行くから」


    「そんな…」


    流星の右掌は輝美の後頭部を包み、あっという間に二人の距離を縮めた。近付けた唇は自然と重なり合い、二人は初めて、キスは言葉よりも心に深く愛を語るものだと知った。


    「俺を想ってたって、いつから?」


    「はっきりとはわからない…でも、二年前、あなたが出て行ってしまった時も、悲しかった」


    「じゃあなんで、この前、俺のプロポーズ断ったの?」


    「自信がなかったの、いつか流星に捨てられるんじゃないかって…勿論、家族に反対されるのが一番の気掛かりだったけれど…」


    「それ嘘じゃない?本当に信じていいの?」


    「嘘じゃない。信じて。あなたの事を一番愛してるの」


    「俺の欲しかったもの、輝美がくれた。愛してる人からの唯一の愛情。輝美が今日から俺のもの…嬉しいよ」


    「流星──愛してる…」


    「俺も──輝美を愛してる」


    抱き締め合い、自然とまたキスを交わしていた。


    「これも、俺の」


    むにゅっ。流星は輝美のブラジャーの上から、乳房を揉み上げた。


    「あん…!」


    身を捩った輝美の肩から流星のシャツがパサリと床の上に落ちた。見つめ合い、唇を重ね、濡らし、舌を絡め、床の上に倒された輝美の脚は左右に開かれ、流星は蜜に湿ったストッキングとショーツを一緒に引き下ろすと、つま先からスッと抜き取った。


    リビングの灯かりの下に晒された輝美の陰部は愛液に濡れ、誘うように光っている。流星が指先を輝美の蜜穴の入口に付けると、くぷっ、と音がして、トロリと蜜が溢れて来た。はぁ、はぁ…荒い呼吸を繰り返す輝美の頬は紅潮し、瞳は涙で濡れていた。


    「これからは毎日、遠慮しないから」


    輝美の胸の谷間に鼻先を埋めた流星は、舌先で輝美の肌を嬲った。ブラジャーを押し上げ、現れた乳首を口に含むと、舌の上で転がし、吸った。


    快楽の渦は、輝美の全身を取り巻き、堪え切れなくなった輝美は「あ、あ…っ、ふ…ぅ、ん…!」妖艶な声を漏らした。


    それにより、流星の雄は更に膨らんだ。


    ベルトを外した流星は、ジーンズと下着を脱いだ。輝美は、すでに両脚を大きく開き、流星を迎える体勢になっている。


    赤い花弁はヒクヒク蠢き、誘う蜜を垂らして、雄蕊の到来を待ち侘びていた。


    「やばい…一週間我慢してたから、相当キてる。一回じゃだめそう」


    ぐちゅっ、流星は輝美の濡れそぼった蜜壺に指を突き挿した。


    「ひ…んっ…!」


    指の根元まで全部押し込んで掻き回す。ぐちょ、ぐちゅっ…蜜がすごかった。


    ひく、ひくっ、ひくん…欲しがって、奥まで呑み込もうとする輝美の濡襞の内を、二本に増やした指で掻き混ぜると、どんどん溢れた蜜は、流星の手首まで滴り落ちて来た。三本に増やすか迷う前に、自分のモノが濡れていることに気付いた流星は、良がる輝美から指を抜いた。


    もっとオクまで、強く突いてやる。


    「あ、はぁ…はぁん…来て、流星、はやく…!」


    「来ないでって言われても、行くよ。我慢出来るワケない」


    こんなイイ女が俺の、俺だけのモノになる…ぶるり、身震いした。


    輝美の蜜穴の入口に宛がった滾る雄芯を、流星はグッと押し進めた。隘路に溢れる蜜を纏った雄蕊は、本能に従って雌蕊の待つ洞の中を穿ち続けた。


    やがて全身を貫く激しい快感に支配された輝美のカラダから力が抜け、手足はくたりとなったが、柔らかな蜜壺のナカは、まだ硬い流星の雄芯をきゅうきゅうと締め上げ続けている。


    「輝美、イッたの…?」


    「はぁ、はぁ、うん…イケないと思っていたのに、イケたわ…」


    「なにそれ、イケないと思ってたって…」


    「あっ、ああん!あなたも、早く、イッてぇ、っ…!」


    「うん…」


    ぎゅううっ、ぎゅっ、輝美のナカにある俺のモノを更に奥へと呑み込もうとするチカラを、さっきからずっと感じている。


    輝美が俺を求めてる──きもちいい。こんなにも俺が欲しいって、輝美のゼンブで教えてくれてる。俺も欲しいよ。輝美の全部を俺のだって証、貰いたい。


    ハヤク、テルミノナカデ、マザリアッテ、ヒトツニ、ナリタイ…


    身悶える輝美のナカへと激しく腰を送った流星も上り詰め、雌蕊のある最奥へ生温い生殖液を放った。


    ドクン、ドクッ、ドクッ!…っく、クル、一週間ぶりだから、クラクラする。


    これで実を結ぶかわからない。でも、そうなって欲しいと願いたくなる相手。


    ズルッ…結合を解いて、隣に倒れ込む。


    この世で一番愛しい女と抱き合ってくちづけを交わした。これが夢でない事を、切に願った。


    計画とは違うプロポーズ…って言うか、改めて”結婚して下さい”って言ってないけど…いいのかな?こんなタイミングで。


    「何か、勿体ない事したような…でも、俺、もう我慢したくないから、これで良かったんだよね…うん、って言ってくれると安心出来る」


    「うん…流星…」


    「俺のだ、輝美は、俺の…大事な女だ」


    「うん…」


    ぴたりと肌を重ね合わせ、またくちびるを求め合う。深く、荒い息を交わして、お互いの唾液に濡れ、充分交じり合った、それでも、もっと、もっと深く、欲しくなる。


    俺、男で良かった。輝美という女を愛せて良かった。輝美という女に愛されて良かった。









    流星は私を強く抱き寄せた。一度離れた流星の唇は、再びすぐに私の唇を捉えた。軽く触れ、幾度か啄んだ後、お互い口を開いて、舌を絡め合い、深いキスになる。


    私のすべては、あなたに呑まれて、あなたの中に融かされた。


    バスタブの中に張ったお湯は熱めだった。でも、だんだん冷めて行く。それなのに、私の中のあなたへの熱は下がる事を知らず、上がって行くだけ。


    お湯の中で、濡れた肌を合わせた。私を後ろから抱き締めるあなたに落とされた首筋へのキスと、私の耳朶を弄ぶあなたの唇、低く掠れた「好きだよ」と囁く声に囚われた私の全身に、甘い痺れが駆け巡る。


    「濡れ髪の輝美が好きだよ。白い肌に、うねる黒髪が貼り付いているのが艶めかしくて、この世の誰にも見せたくないと思う。本当に、好きなんだよ。輝美の事、この世の誰にも見せたくないくらい好きだ」


    あなたは繰り返し、私に「好きだ」と告げた。


    何年分の「好き」を溜めていたのかしら。


    肩を竦めてくすりと笑いたくなるくらい恥ずかしいけれど、それ以上に嬉しくて、私も、あなたへの愛しさを更に募らせていた。


    「私も、好きよ…あなたが大好き。齢の事も立場も全部忘れてしまえるくらい、好きになってしまったの…」


    少し、熱い…だけど、のぼせても、もうあんな風にはならない筈──輝美は警戒を解いていた。


    「どうしたの、輝美?素直過ぎる。のばせた?そろそろ出る?」


    くすくす、あなたの笑い声がバスルームに響いた。


    「もうのぼせても、あんな風にならないと思うわ。その…一人でしても、ずっとイケなくなってたの。のぼせても、自慰したくならなくて、ああ、もう年だからイケないんだわって諦めてた…でも、さっき…」


    「うん、ちゃんと俺とセックスしてイケたじゃん。大丈夫だよ。いくつになっても、俺が必ず輝美を気持ち良くさせるから」


    チュッ。流星は輝美のこめかみにキスを落とした。


    「いい匂い。輝美の匂いがする」


    輝美の耳の裏に鼻先を押し付けた流星は、ふんふんと輝美の匂いを嗅いだ。


    「や、やだ…やめて」


    「男と女の好む匂いって違うと思う。そう思うのって俺だけかな?俺、女の好む香水と化粧の匂いって苦手。例えば輝美は、輝美の大好きな香水があるとして、俺が嫌がったら着ける?」


    「着けないわ、香水は元々」


    「うーん、例えが悪かったか。じゃあさ、輝美の好きなもの、俺が嫌いだからやめて欲しいって言ったら、やめる?」


    「好きなもの…?」


    「自慰とか」


    「なっ…!」


    「しないで欲しいなー、どうせするなら俺として?」


    「それならさっき、一人ではもう出来ないって言ったじゃない」


    「出来ないって?イケないってこと?」


    「あなたとだからよ。多分、あなたじゃないと私はもう…駄目なのよ」


    「"あなたじゃないと駄目"か…そうやって俺を天国まで持ち上げて、明日には手のひら返して地獄に落とすつもり?」


    「そんな事しないわ。明日も私は流星を──」


    「どうだか。俺、何度、輝美に地獄に落とされて這い上がって来たか知ってる?次はないから」


    「わかってるわ。もう、嘘吐かない」


    「俺の事、本気で好き?」


    「好きじゃない、事はない」


    「何だよそれ」


    「じゃあ、私の事、愛してる?」


    「愛してない、事はない」


    「もーっ、流星だって」


    「ははっ、お返しー」


    「好きよ。ほんと」


    「俺も。ほんと好き」


    流星、もっとキスして…抱き締めて。ああ、胸のドキドキが大きくなる。熱さは感じないけれど…心臓が苦しい。


    「そうだ!輝美。さっきのハゲ、年上だからあんなに好意的だったの?」


    「ハゲ?ああ、豆田さんの事?あなた、また失礼な事を!」


    「失礼って、別に侮蔑して言ったんじゃないよ。正確に伝えただけ」


    「豆田さんは、私より年上じゃないわよ」


    「は?どう見たって4、50代。あ、まだ30代だった?」


    「いいえ、20代よ。28歳、あなたより5つ年上ですって」


    「20代?う、う、嘘だぁ!」


    「嘘じゃないわよ。それにハゲたのはあなたの年齢位からだったらしいわよ?」


    「えっ?!」


    「ハゲる前に学生結婚していて良かった、なんて言ってたけど、関係ないわ。あんな素敵な人と結婚出来た奥様はしあわせだと思うわ」


    "素敵な人"と輝美の口から聞かされた流星は、複雑な嫉妬を覚えた。


    「素敵な人って、どこが…」


    「内面はとってもイイオトコよ。うちの社の全男性社員と比べたら私の中では一番ね」


    「ええーっ?!」


    「豆田さんが結婚してなかったらねー」


    「なにっ?!結婚してなかったら何だっていうんだよ!」


    「うちの社の女子達に、素敵な人が居るわよって紹介したのになって」


    「あいつと、輝美が付き合いたいんじゃないのかよ」


    「私には、あなたがいるじゃない」


    「…正気?」


    「流星が何歳でも、ハゲたとしても、私は流星だから好きになったの」


    「もうのぼせてる?輝美。しかもハゲたとしてもってのは余計だから。俺はハゲない、と思う…」


    「ん…流星に、の・ぼ・せ・て・る」


    本当にのぼせてるみたい…ドキドキが大きくなり過ぎて、ああ、息が上手く出来ない、クラッーはぁ、はぁ…っ!


    「ば…ばかっ、そんな事言われたら、俺…」


    「はぁん、りゅ、せい…!」


    「ちょっと、輝美!やっぱりのぼせてたんだ、早く出よう!」


    ザバーッ。流星は、赤くなった輝美のカラダを抱き上げて、バスタブから脱出した。


    「わたし、すきー?」


    「好きだよ」


    「すきって、ことば、すきぃ…もっと、いって?」


    「はいはい。好きだよ、輝美」


    「じゃあ、は・や・く?抱・い・て?」


    「ちっきしょー、可愛い過ぎる。俺より年上とか絶対嘘だ」


    「りゅー、せー…ん…」


    顔を真っ赤にして、くたりとなり目を瞑った輝美をベッドに運ぶと、流星はキッチンから持って来た水を、口移しで輝美に飲ませた。


    「ん…ぷはっ、んー…はぁん!」


    輝美は目を閉じていても、脚を開き、指で陰部をまさぐって、オトコのモノを欲しがっている。


    くぱぁ、くちゅ、ぐちゅっ、ぐちゅんっ!


    流星が輝美の秘処に指を二本突っ込むと、さっきよりも熱くて、激しくうねっていた。


    ここに俺のを挿れるって事が今は、以前のようにただカラダの快楽を得る為と言うより、輝美と愛し合う為に大切な事なんだと思えて来る。


    セックスなら他の女とも出来る。でも、愛し合うのは無理だ。輝美より愛したい女はこの世にいない。


    今から、二人繋がった時にだけ見えるものを見に行こう。


    「可愛くて淫らで、心は少女みたいに純真で、ほんとは弱いくせにそれを見せようとしない意地っ張り。やっと俺を見てくれたってまだ信じられないけど、もう取り消し効かないから。輝美は、俺のものだ」


    「あ、はぁっ、はぁっ…はや…く!」


    「うん」


    ぐ…ちゅ、ずぷっ、ぐぷんっ!


    「あ…っ!あ、、もっ、と…オク、深、くうっ…んっ!」


    喘ぐ輝美の口をキスで塞ぎながら、流星は腰を動かした。


    ぱちゅぱちゅ、ぱちゅっ!


    何度確かめても飽きない。貪欲になればなるほど、愛情が深くなるのかもしれない。


    お互いを求め合う力が強ければ強いほど喜ばしい。一番深いトコロで結び付きを確かめて、 ココロに相手の熱を刻む。


    あったかい…愛があったかいと思うのは、こういう事からなんだろう。


    人を愛する喜びを、輝美に教えて貰った。だからね、俺の人生は輝美がいないと、輝美の愛がないと、しあわせだと思えないんだよ?


    わかってくれてる?


    俺は、俺の力であなたをしあわせにしたい。その時、俺はきっと、愛としあわせに包まれていると思う。


    「輝美を愛して良かった。それでいつか、俺を愛して良かったって、輝美に言われたい」


    死ぬまでずっと、あなたは俺のものだ。俺のしあわせだ。


    『輝美、輝美、輝美ってば…』


    何よ…そんなに大きな声で呼ばなくても聞こえているわよ。カウンターテーブルの傍らの椅子に腰掛けたまま振り返ると、リビングでジャージ姿の流星が、坊主頭を見せながら、私に高校のプリントを差し出した。


    『ここに輝美の署名とハンコが要るんだ』


    またぁ?どこ?


    流星は私の前に紙を置き、手にボールペンを握らせた。


    『ここ、ここに書いて、ハンコは俺が捺しとくから』


    もー、何?何の書類よ。


    ぼんやり。


    あらら、字が読めないわ。しょぼしょぼする。目を擦っても、瞼が重くて開きにくいし…何の書類か分からないけれど、まぁ、学校に提出するものなら大丈夫ね。


    『書いてくれてありがとう、輝美』


    え、うん…


    『同じ塩谷』だから『本当の家族』だと思われているとか、何とか…ただ名前を書いただけなのに、流星は嬉しそうに声を弾ませた。


    『部活の合宿行って来るね!』


    あ、いってらっしゃい。


    部活、合宿、署名、捺印…私、何か忘れてる──


    ぐるり、足元が回転し、眩暈がして、はっ、と前を見ると、真っ暗な部屋の入口に立っていた。そして、トンと誰かの手で背中を押されて『塩谷輝美さんですね?手術台に上がって下さい』と促された。


    部屋の灯かりがパッと点けられた。中央に手術台があった──知っている、それは人工妊娠中絶をした時の…


    『塩谷さん、手術台にどうぞ。この後、麻酔を──』


    背中が、冷たくなった。


    あ…


    そして、お腹のオクはじわっと熱くなり、重く、痛くなった。


    私が署名したのは──『人工妊娠中絶手術の同意書』


    目に涙が滲むのを感じた。


    あの時以降、女だけど、女として生きる事を考えないようにしていた。流星に対して、今まで素直に感情をぶつけられなかったのは、家族の手前、世間体だけではなく、あの時の事があったからなのかもしれない。私が独りで決めて、墓場まで持って行こうとした秘密。


    二年前、流星が家を出る原因になったとは知らなかったあの時の手術の記憶…私は流星と結ばれるべきではない、だから、あの時の夢を見ている。そう、夢──もう一度なんてない。


    今度、流星の子どもを妊娠したら、私は独りで生む。流星と結婚しなくても、独りで生んで育てる。秋子さんだって、流星の事を中学卒業まで女手一つで育てたのだから、私だって…


    『父親が誰かわからない?そんな子ども生んでどうするんだ!』


    『相手は誰なの?知っている人?どうしても責任取って貰えないの?』


    私の妊娠を知った両親が騒ぎ出した。


    「やっ…やめて!私は、絶対にこの子を生むから…!」


    思わず上げた声で、輝美はハッと目を醒ました。隣を見ると、裸でベッドに潜っている流星の目が丁度開いた所だった。


    「お、はよう…」


    「おはよう。絶対に、何?どんな夢見て叫んだの?」


    「何でもないのよ…あ、つぅっ…!」


    「どうしたの?」


    「ううん、何でも…」


    輝美が下腹を一度押さえたのを見た流星は、

    「お腹、痛む?」

    と布団の中で、輝美のお腹に手を当てた。


    直接肌に流星の手のひらの熱を感じた輝美はどきりとして、感じていた子宮の痛みが和らいだ気がした。


    「大丈夫。平気よ。今、何時?」


    「今?えーと、6時前だ。ゆうべ、激し過ぎたから…ごめんね」


    「ううん。私も、流星と出来て嬉しかった。この指輪も…」


    輝美は左手の薬指のダイヤリングを見つめて、口を噤んだ。


    流星にプロポーズされた事は嬉しい。でも、現実問題、入籍するのは難しいわ。


    両親、正輝、秋子さんの手前…事実婚ならまだ…だけど事実婚で、もしも私が妊娠したら、子どもの父親は──流星だと明かせない。


    結婚となると…私と流星では12歳も齢が離れているから、世間体も良くはない。


    好きだけど、入籍は出来ない相手。ただそれをまた口にしたら、流星は怒って、今度こそ本当に出て行ってしまう──私は、どうしたらいいのかしら。自分の思う通りに──なんて、出来ないわ。


    思い詰める輝美を見た流星が「俺にも教えて。どんな夢か憶えてないの?まさか、ハゲ田の夢?輝美は昔っから、坊主頭が好きだからなぁ」 輝美のお腹をさすりながら言った。


    じんわり、お腹のオクが温かくなって来るのを感じながら輝美は「学生時代のあなたの夢よ。学校に出すプリントに署名捺印してって夢。確かに坊主頭だったわ」流星の髪を撫でながら答えた。


    「ほら、やっぱ輝美って坊主好きじゃん。ちぇっ」


    「じゃあ流星。また、坊主頭にしてって言ったらしてくれる?」


    「えーっ?今?物理的には可能だけど、社会的には難しいかな」


    「社会的には、って?」


    「就職活動しようかと思って。子ども作るには、お金って必要だろ?俺、貯金殆んどないしさ」


    「まさか、この指輪買ったから?」


    「ああ、それは高くも安くもないけど、今まで俺は輝美みたいに高給取りじゃなかったからさ。加えて今は契約社員だし。俺も輝美と同じ会社に入りたかったけどなー、無理だったし」


    「流星」


    「輝美に俺の子、今度は産んで貰えるように、しっかり頑張るからさ」


    流星の言葉に涙が溢れた。


    「うん…」


    涙が頬を伝う中、流星とくちづけた。唇が震えて、上手く息も継げなかったけれど、胸の奥は嬉しさに震えて、私はこの人に出逢えて良かった、しあわせだと感じていた。


    「ふっ、エロいね…朝っぱらから、乳首、勃ってる」


    コリコリ、コリコリ、いつ間にか流星は、輝美の両乳首を両手の指先で抓んで、転がしていた。


    「あ…やっ!」


    「夢はともかくさ、ゆうべのエッロエロな輝美の事は、全然憶えてないの?」


    「えっ…?」


    「スゴかったよ、ほんと。まぁ、一週間分、俺も出し切った感じ」


    「あ…」


    顔を赤らめた輝美は、流星から、ふっと顔を逸らした。


    「今更照れないでくれる?ほんと、フロ入ってノボせると別人」


    「私、お風呂入って、のぼせたの?憶えてないけど、でもこの前はのぼせても何ともなかったのに…」


    「まー、何にしても、俺じゃないと務まんないよ、輝美の相手は」


    「ごめんなさい…」


    「悪いと思ってるんなら、キスして。ほら、俺の上に跨ってキスしてよ」


    「上って…わかったわ。これでいい?」


    「やっぱり逆向いて。俺のCHINCOにキスして」


    「ちょっと、りゅっ…!」


    くるり、輝美は流星の体の上であっという間に回転させられると、流星の朝からゲンキなモノが、跨った輝美の眼下に屹立していた。


    女の熟れたカラダを待ち侘びているかのような雄々しい強直に、輝美は思わずゴクリと唾を呑んだ。


    「欲しい?」


    「さすがにもう…お腹の奥が少し痛むし…」


    「そう?輝美のMANCOから大量の蜜が溢れてるけど?ほら…」


    流星の胸の上を見ると、輝美から漏れ出したと思われる蜜でべっとり濡れていた。流星は輝美の細腰を両手で掴むと、サッとカラダを滑らせ、輝美の秘部に口元が来るまで体を下げた。


    「やっ、ちょっ…と、はぁん、りゅう、せい…だめ、だめよ…!」


    ペロ、ペチャ、ペチャッ、ペロン、ペロッ、ジュッ、ジュルッ、チュ、チュウッ…


    「恥ず、かしい…」


    69の体勢。


    「これは?」


    ヌプ、ヌププッ!流星の舌先が輝美の蜜穴に挿し入れられた。


    「あ、ふぅっ…ん!」


    輝美の口から甲高い嬌声が漏れた。流星はまだ、自分の顔の上に輝美を跨がせた姿勢のまま、次はその舌先が、輝美のクリトリスを弄り始めた。


    クリ、クリン。


    「ひゃぅ…!」


    堪え切れぬ程 痺れる感覚に輝美の腰が浮き、ベッドの上に両手両膝を付いて、まるで雌獣になったような、四つん這いの姿勢になった。


    ズプ、ズブプ…!


    クリトリスを舌先で弄られながら、同時に蜜壺の中へ指を押し込まれ、抜き差しされた。


    「あ、あ、あ…」


    開いた輝美の口の端から溢れ出た涎が、ポタリと流星の下腹部に落ちた。輝美のカラダは快感にプルプルと震えている。


    「気持ちいい?」


    「は…う…っ…」


    コクリ、目をギュッと瞑った輝美が首を縦に動かした。堪らず輝美は、目の前の雄芯を手で扱き、涎の溢れた口でしゃぶり付いた。


    「ちゅっ、じゅっ、じゅぽっ…」


    「はっ、ちょっ、輝美…ヤバ、ヤバイッて!」


    「…ふ?」


    「離して。やっぱり俺の、輝美のココに挿れていい?ほら、ここ。熱くてやわらかくて、気持ちいい奥まで、ずっぽり」


    流星は指を三本に増やして蜜穴を拡げ、掻き混ぜた。しかし、輝美のしゃぶり付いている長い雄芯と違い、指が行き来出来るのは膣の入口付近だけで、輝美の好きな最奥には到底届かなかった。


    「う…っん…!」


    輝美は、涎を纏って、ヌラヌラと淫靡に光る雄芯から手を離した。


    「まだ、イッてないでしょ?イカせていい?」


    「うん…」


    輝美の中で、子宮の痛みより、疼きの方が大きくなっていた。


    流星は輝美の背中をベッドに沈めると、大きく開きながら、輝美の膝裏を抱え上げた。


    ズッ、ズブブッ!


    それまで輝美の蜜穴に挿入って掻き混ぜていた指よりもうんと太く熱い滾根が、輝美のカラダにズンと奥まで突き込まれた。


    「あ、ひゃ…ぅ…!」


    輝美のカラダのナカが流星のカラダの一部に侵され、押し拡げられた。


    「すごい、締め付けてる、俺の…輝美のナカ、最高!」


    ぶるっ、ぶるぶるっ、震えながら輝美は、上気した顔に恍惚の表情を浮かべた。


    ずちゅ、ぬちゅっ、じゅちゅん…!


    甘蜜を纏った雄芯は、熟れた雌穴の内を激しく犯した。


    「あっ、あ…っ、あ…んっ!」


    輝美の両腕は流星の手に握られ、硬い肉棒で激しく奥まで何度も突かれた。敏感な秘穴のやわらかな濡襞は、硬いそれで何度も擦られている間中ずっと、悦楽の蜜をトロトロと零し続けた。


    「気持ちいい?」

    「はっ、うぅん…キモチ、イイ…!」


    「俺も…イキそう。輝美は?」


    「あっ、あ、んっ、わた、し、もっ…はぁん!あっあ…んっ…!」


    「イ…くっ!」


    「わ、たし、もっ、あ…ふぁ…んっ…!」


    キモチ、イイっ……ああぁっ……!


    ドク、ドプ、ン、クプ、ン…ベッドの上、裸で抱き合う二人の熱が、輝美のカラダの奥で一つに混ざり合った。


    また、頭の中が真っ白になって、あなたしか見えなくなって、

    キスをして、私のヒクつくカラダのナカであなたも果てて、

    それからカラダを離す時、寂しくなって、

    またあなたを求めて、キリがない。


    もっとフカク、私をアイシテ。


    アナタの熱を、ワタシのカラダの一番オクにホシイの。


    ゼンブよ──ワタシだけにアナタをゼンブちょうだい。


    ホンノウなら、抗えない。


    この愛しさは尽きないの?


    いつまであなたを愛して、いつまであなたに愛されていられるのか、知っているならオシエテ。


    口に出せない想いが、私の心の中をいっぱいにしている。


    何度体を重ねても、不安って完全に消えてはくれないのね。


    寂しさは無くなった、疑う気持ちも、でも不安は、一つ消えてもまた新たなものが芽生えてしまう。


    私の方が先に齢をとって、あなたとカラダを重ねられなくなる時が来ても、あなたは私を愛していてくれる?十年後、二十年後、考えるとやっぱり自信がないの。


    だけど、もう、あなたから離れようとする選択は、二度と出来ない。苦しくて痛くて辛い未来が待っているとしても、あなたの傍に居る覚悟を決めたの。


    愛されなくなる日を迎える事に怯えて、愛されている今を捨てようとするなんて、
    私は、なんと愚かだったのかしら。


    命も愛もいつか終わりを迎える。


    怯えていても終わるの。


    だったら、怯えないで飛び込んで、終わりまで行ってしまうしかないのよ。


    あなたと一緒に、世界を見られるしあわせを得るのだから、引き換えに、あなたを失った時の悲しみも覚悟しよう。


    ──あなたを失う日。


    ほんの少し考えただけで、心の奥がとても冷たくなった。


    ぎゅっ、とあなたの手を握った。そして、きゅっと握り返されると、涙が溢れて来た。


    「どうしたの?輝美」


    「ぐすっ…流星と離れるの、こわい…」


    「…そんな事 言うなんて、輝美とは思えない。顔赤いし、まさかまた熱出した?」


    「こわくなったの。流星が私から離れて行くんじゃないかって…あなたがここに戻って来てからは、ずっと怯えてたみたい」


    「俺は、ここに戻って来た時、死ぬまで、いや死んで幽霊になったとしても、輝美にくっ付いて居ようって決めてたよ。なのに、輝美は俺を受け容れてくれなくてさ…」


    「受け容れるって、だって…」


    「伯母だからとか言うなよ?伯母の前に女。それに血が繋がってないんだから、他人じゃん」


    「他人…」


    その言葉が輝美の胸に刺さった。


    「まあ…それももうすぐ終わるけど」


    「え…?」


    それは、あなたが私の許を去るという…事?もしかして、あなたはまだ私の気持ちを疑っているの?


    ゆうべ打ち明けてしまったのは本当の事だけど、今までの私の態度から考えると、カラダ目当てだと思われても仕方のない事…


    「私、本当にあなたを愛してる、から…」


    「俺も、愛してるよ、お前を」


    「お前?」


    「お前。いいじゃん、俺の"妻"なんだし、"お前"って呼んでも」


    『妻』という響きに、輝美の顔が火照った。


    「"妻"ってそれは…!」


    「なーに?やっぱり"事実婚にしましょう"トカはナシだから」


    「だって、それは…」


    「そんな困った顔しないでよ。それじゃ、気持ちだけでも妻ってコトで」


    『事実婚』でもいいって、認めてくれるの?


    流星の一言で気持ちが軽くなった輝美は、"内縁の妻"として、"夫"を呼んでみようと考えた。


    “あなた”今までも呼んでいたその言葉の中に、”夫”という意味が加えられて流星の心に響くのね…


    「それじゃあ、ア…」


    「あ?」


    「アナ…タ?」


    「ぷっ…くくくっ、似合わねー!あーっ、はははっ、ははっ!」


    「もうっ!絶対言わないわ!」


    「ウソウソ。嬉し過ぎて心臓止まりかけたから、そう言っただけ。もう一回言ってみてよ。真剣にさ、アナタ…って。不特定多数の”あなた”じゃなくて、”夫”として唯一の”アナタ”だからね?」


    「あ、あ…ふーっ、無理だわ、言えない」


    「あれ?でも輝美、いつも言ってるじゃん。俺にむかって”あなたが、あなたが”って」


    「その”あなた”と、この”アナタ”は違うのよ」


    「どう違うの?」


    「それは…」


    「輝美は、夫って意味の”アナタ”では、俺を呼べないって事?」


    「……」


    「そうなんだ。じゃあ、”夫”って意味の”あなた”って呼んでくれるまで、ベッドから出さない」


    流星は、裸の輝美を後ろから強く抱き締めた。


    「…あなた」


    輝美がぽつりと、小さな声を漏らした。


    「今、なんて?」


    聞こえなかったのかもしれないと輝美は思った。輝美の胴体を抱き締める流星の腕の力が、きゅっと強められたからだ。


    「あなた」


    こんどはハッキリ、輝美の口からそう発せられた。


    「お前」


    返した流星の声が裏返っていて、輝美は思わず吹き出した。


    「わ、笑うなよ。輝美の緊張が移ったんだよ!」


    「くすっ、だって、かわ…」”かわいい”と言いそうになった輝美は、慌てて口を噤んだ。


    「かわ?もしや、かわいいとか言おうとした?」


    「ううん、違うわ」


    「今の内、正直に言った方がいいよ?」


    「はい、ごめんなさい。言いそうになりました」


    「罰として、おっぱい舐めさせて」


    「えっ?!」


    「早く」


    「でも、もう会社に行く支度をしないと、時間がないわ。今夜じゃ駄目?」


    「今夜?どうしようかな…」


    「お願い、あ・な・た…ねっ?」


    マジでカワイイ…と、流星は輝美の甘える姿に屈服した。


    「…ったく、しょうがないな。じゃあ一つ確認ね?」


    「確認?」


    「さっき俺と離れるの怖いって言ったじゃん?例えば俺の寿命があと半年で終わるとして、輝美の寿命が分けられるとしたら、そしたら、俺に輝美の命、分ける?」


    「うん」


    「どうして分けるの?理由は?」


    「逆なら、あなたは…?」


    「決まってる」


    「何が決まってるの?」


    「独りで生きるより、二人で生きて行きたいから、結婚しようって言ったんだ。だから、輝美が俺に寿命を分けてくれるなら、俺と結婚して命を預けてくれないと無理だよ?」


    「命…預けるって…」


    「今の状態は、伯母と甥っていっても所詮他人なんだ。もし、自分が意識を失った時、命に関わる最終決定を下せるのは家族しかいない。俺は輝美と結婚して、輝美に俺の命を預かって欲しいって思ってる」


    「流星…」


    「俺も輝美の命を預かって、守るから…俺達、正式な夫婦になろう?」


    「それは…でもやっぱり籍は違…」


    「世の中で正しいか間違ってるかなんてどうだっていいんだよ。俺は一度の自分の人生、正直に生きたい。好きなら好きって言いたい。好きなのにキライなんて言いたくない。輝美が好きだから、輝美を守る為なら何だってする」


    「流星…」


    「目を逸らすな輝美。俺は真剣だよ。本気で輝美を愛したいんだ」


    「私だって、本気よ。愛してる」


    輝美は、朝からこんな話をする事になるなんて──と思いつつ、切り上げようのない話を、流星の気持ちを損ねないように終わらせようと慎重に言葉を選んでいた。


    「俺って輝美にとって要らない存在?」


    「どう答えたら、あなたは納得してくれる?」


    「俺が死ぬまで傍に居て」


    「いいわよ」


    「…今、なんて言った?」


    「いいわよ、って言ったの。それが?」


    「いいの?それって俺と結婚してくれるって事?」


    「それとこれとは…」


    「じゃあ、セックスは毎晩OK?」


    「はあっ?!毎晩って…」


    「してもいいの?」


    「ダ…」


    「ダメと言われても、するけどね。今夜、また輝美から”して”ってねだられる自信はある」


    「もう!流星!」


    流星は、輝美を強く抱き締めた。


    「無理だから、俺。輝美のいない生活なんてもう嫌だ」


    「私もそうよ。独りより、流星と暮らしている方が、一生懸命生きてる感じがする」


    「輝美…」


    流星の唇が降って来た。


    冷たい空から流れ落ちて来た星みたいなキス。


    いつもと同じ私の日常を輝かせてくれるあなたの存在。


    私の価値を、空高く押し上げるたった一人の流星。


    そんなに求めてくれるなら、残りの人生、あなたにあげてもいいかもと絆されたみたい。


    ご飯を食べて、お風呂に入って、ベッドで抱き合って、愛を囁く。


    それはいつか終わると、私が一人で憂いていただけだった。


    流星は終わらせる気がないみたい。私もそうかも。


    「じゃあ、そろそろ解放しよう。輝美は着替えて支度して。俺はご飯作るから」


    「うん」


    ふー、やれやれと、内心ホッと溜め息を吐いて、ベッドから起き出した輝美の足首に「つぅっ!」激痛が走った。


    床に足の裏を半分付けただけで、ズキンズキンと踵から上の方まで痛み出した。


    「輝美?足首痛い?夜中、湿布は貼っといたけど、腫れ引いてる?見せて」


    流星は、輝美の足首に貼られている白い湿布薬をペロンと剥がした。


    「あー、ちょっと青紫になってる。曲げると痛い?」


    流星が輝美の足の裏に手のひらを付け、クイッと上に押し上げた。すると…


    「いっ、たたたた…っ!痛いわ!」


    「歩けないね、これじゃあ」


    「どうしよう…固定したら何とかならないかしら?」


    ふぅ、と流星は息を吐くと「もっと悪化したらどうするの?今日は会社休んで安静にしてなきゃ駄目だよ」と言った。


    「でも駄目よ!」


    「セックスの最中は、夢中になり過ぎて痛みを感じてなかったみたいだけど」


    「夢中にって、何よ」


    「俺が訊きたいよ。俺のカラダにのぼせてたのか、それともココロにのぼせてたのか」


    「りょ、両方…」


    「かーっ、またそうやって、俺を手玉に取ろうとしてさ、年下だからって侮り過ぎ」


    「そんなことないわ!それより、急いで支度しないと、会社に遅れちゃう。年度末だから忙しいのよ。資料整理して、来年度の…」


    「しょうがないな…ま、勤務地一緒だからいいけど」


    「え…?」






    3月24日火曜日。社員食堂で働く流星と共に出勤。


    私はマスクに帽子を被り、流星に負ぶられて出社することになった。


    包帯できつく固定した足首は、地面に踵をつけると痛んだ。踵の低い靴を選んだけれど、痛みは変わらないように思える。


    「やっぱり休むか遅刻して病院行こうってば!」と言う流星に「お・ね・が・い!」と甘えて「わかった…」を勝ち取った。


    痛み止めを飲んで、今夜も痛むようだったら病院へ行くと約束をさせられて、現在、会社の従業員入口から入って、エレベーターへ乗り込んだ。かなり早めに出社したので、社内に出社した社員は殆んど居ない──筈が、一人、私達の前に立っている女性社員がエレベーターに乗り込んだ。私を負ぶったままの流星が続いて乗り込むと、マスクに帽子姿の私を見ている、同じくマスクを着けた女性の視線に気付いた。


    「あの、塩谷さん、ですね?おはようございます」


    どうして…名札でばれてしまったのかしら?


    「おはようございます」私と流星の声が揃った。


    「塩谷さん、ご婚約なさったのですか?」


    「えっ?!」綱島さん、どうしてわかったの?と、輝美は驚いた。


    「どうしてわかったんですか?」流星が婚約を肯定してしまった…


    「そちらの指輪、私の実家のものです」


    「え…?あ、綱島さん…」


    「実家?…ツナシマ、って、ジュエリーショップの?」


    「はい。ご婚約おめでとうございます」


    「ありがとうございます」流星は私を負ぶったまま、綱島さんの方へ体を向けて、にこやかにお礼を言っている。


    婚約相手は流星ではないと、上手く誤魔化す事は出来なくなった。


    「いえ、綱島さん、これは、その婚約とかではなく…」


    急いでいた上に足首に気を取られて、左手の薬指の指輪を外すのを忘れていたわ。あ、でも、外したら流星が出て行くとか何とか…外せない!会社で外して失くしても嫌だし…どうしよう!


    「よろしければ、お使いになりますか?」


    綱島さんは肩から提げる黒色の通勤鞄のポケットから、オレンジのゴム製指サックと大きな絆創膏を取り出した。


    「これは…?」


    「業務中に指輪を傷付けないように、半分に切った指サックを指輪に被せて、その上から絆創膏を貼るとよろしいですよ」


    「あ、はい…ありがとうございます」


    さすがジュエリーショップの娘さんだわ。ただ、私が気にしているのは、指輪に傷を付ける事より、周囲に綱島さんのように婚約を悟られてしまう事だけど…噂を消す部署に勤務する私が、自分の噂を作ってしまったのでは示しが付かないから。


    カーッ。


    その時、まだ行き先の階数ボタンを押して居なかったエレベーターの扉が開き、外に人の気配を感じた輝美はビクリと驚き、身を縮ませた。


    「おはようございます、塩谷さん」


    立っていた二人の社員の内、後ろの女性社員が、マスクと帽子を着用しているのにも拘わらず、菜津子同様、輝美に気付いた。


    「塩谷、さん?」驚いた声を出して固まったのは、流星に睨まれた男性社員の方だった。


    「加集さん、溪さん、おはようございます」菜津子が”開”ボタンを押した。


    扉は開いているが、戸惑う加集とその後ろに立つ溪は、エレベーターに乗らずにいた。


    このままでは他の社員達も出社して、話が広まってしまうと危惧した輝美は、ボタンの前に立つ菜津子とエレベーターに乗るのを躊躇う加集、その後ろの溪に向かって「綱島さん、”R”階、お願いします。加集さん、綿雪さん、早く乗って下さい」と切羽詰まったような早口で言った。


    「は、はい!」


    輝美の声に頷いた溪は加集の背中を両手で押しながらエレベーターに乗り込んだ。菜津子は輝美に言われた通り”R”ボタンを押し、扉を閉めた。


    始業時刻まであと40分を切った社内のR階に向かうエレベーターには、マスクと帽子を着けて負ぶられた恰好の輝美と、加集を睨みつける流星、信じられないという表情を隠し切れていない加集と、それを気にする溪、いつもと変わらず落ち着いている菜津子の五人が乗っていた。


    菜津子に続いて溪が、輝美の左手の薬指の指輪に気付いた。そして自分の指輪と見比べて、似ている…もしかして、婚約指輪かもしれないと思い始めた。


    溪の視線に気付いた輝美は、鞄を押さえていた右手を伸ばし、左手を包むようにして隠した。


    輝美が手を離した鞄が前にぶらんと揺れ、バランスを崩した流星が「暴れるなよ、輝美」と注意すると、輝美は、加集、溪、菜津子が息を呑んだ…ような気がして、益々居心地が悪くなった。


    R階に着くと、溪、加集、輝美を負ぶった流星、菜津子の順に降りた。屋上出入口のドアの小さな明かり取りの窓から、頼りな気な朝の光が射し込んで来る。


    チュン、チチ、チュンチュン…すずめの声?そんな事より──


    「輝美、こんな所に来てどうすんの?」流星が訊いた。


    「その声どこかで・・・ああ、もしかして塩谷さんの甥御さんですか!確かお電話で…」


    加集が流星に向かって腑に落ちたという笑顔を見せると、


    「違います。俺は輝美の夫です」と言った流星が、加集にイーッと歯を見せた。


    「夫…!」思わず発した溪は、慌てて両手で口を塞いだ。


    輝美は慌てて否定した。


    「ち、違います違います。甥です…けど…」ここでまた”甥”と紹介したら、流星は拗ねる。


    何よりそれが嫌だった輝美は、帽子とマスクを取りながら「大事な人です」と、三人の前ではっきり言った。


    しかし、"甥"で"夫"?で"大事な人"と言われれば、誰でも困惑する。


    「……」敢えてなのか、何も言葉を発さない三人に向かって流星が補足した。


    「ええと、俺は塩谷流星って言って、輝美の弟と結婚した女の連れ子なので、甥とは言っても血は繋がってないです。今はこの下の社員食堂の契約社員で、ゆうべ輝美が足を挫いて歩けないので負ぶって会社に来ました。それと正式な入籍はまだなんですが、輝美と結婚する話が、ゆうべ纏まりました」


    「え、えーっ?!」


    声を上げたのは加集だった。まだ流星の背中に負ぶられたままの輝美は目を瞑って俯くと、左手で左目を隠した。


    「本当ですか?おめでとうございます」溪が微笑んでそう言うと、流星は「ありがとうございます」態度が柔らかくなった。


    流星ったら、綿雪さんが美人だからって、デレッとしないでよね。しかも『結婚する話が纏まった』だなんて余計な事を会社の人達に打ち明けなくてもいいのに!


    「おめでとうございます」菜津子が控え目に言うと、輝美は菜津子の方を向いた。


    「あの、綱島さん…」


    輝美はこの中で唯一、自分より年上の菜津子が、自分と流星の結婚話についてどう思うか意見を聞きたくなっていたが、流星も居る上、同じ部署の加集と溪の前では訊けず、輝美は一度開いた唇を閉じ合わせた。


    「どうぞおしあわせに」


    にっこりと微笑む菜津子に穏やかに言われた時、輝美の目に涙が滲んだ。12歳も年上の自分が流星と結婚して、しあわせになってもいいと初めて許された気がして、緊張が解けた。


    結婚…それを考え出した輝美の鼓動がどきどきと速くなった時「あの、でもですね」流星が口を開いた。


    「俺は結婚したら『結婚しました』って公表したいんですけど、輝美は隠したいみたいで、その辺の事情は俺わからないので、出来たら社内で言いふらさないでやって下さい」


    加集、溪、菜津子の前で、流星が軽く頭を下げた。


    流星、本当は、きちんと私の会社内での立場まで考えてくれていたのね。


    輝美は家では見せなかった流星の大人の態度を目の当たりにして、嬉しくなった。


    二人きりだったら、安心感の増した流星の背中に顔を埋めていたでしょう。


    「あ、はい、その点は安心して下さい…黙ってますから」加集が言うと「まぁ、お互い塩谷だから、籍入れても名前変わらないんで、黙ってれば結婚したってバレないとは思うんですけど」と流星が言った。


    「でも、結婚したら、家族の事は総務には届けないと…いけないですよね?菜津子さん」加集が菜津子の方を向いて確かめた。


    「はい。健康保険や扶養控除など、申告に必要になる場合もありますから。ご結婚された場合、総務への届けは必要です」


    「はい」と返事をした輝美も、総務への届けが必要な事は知っている。


    輝美は、実際に流星と入籍することは難しいと思っていた。


    同じ名字の流星と、知らない土地で暮らせば、夫婦に見え…ないかしら?姉弟って思われるかもしれないわね。


    幾つものハードルが見える。一つ一つ、無理矢理倒して強行突破したとしても、それで本当に”しあわせ”な結婚と言えるのかどうか。当人達だけが納得した結婚──輝美はどうしても、それが最善の選択だとは思えずにいた。


    輝美の心に引っ掛かっているのは、義妹で流星の母親である秋子の存在だった。


    もし私が秋子さんだったら、流星とこんなことになった義姉(私)を一生許すことが出来ないでしょう。私には息子が居ないから想像でしかないけれど、良い気はしないと思う。大切に育てた息子を義理の姉に奪われる…どんなドラマや映画でも観たことがないわ。


    「そろそろ、戻りませんか?」制服に着替えなくてはならない溪が促した。


    「戻りましょうか。俺達、この事は誰にも言いません」


    「ありがとうございます。カシュー?さん、皆さん、輝美の事、よろしくお願いします」


    「はい」三人揃っての返事を聞かされた輝美は、途端に顔がカッと火照るのを感じた。


    嬉しいけれど恥ずかしい…でも、秋子さんのことを考えると、胸に鉛が埋まったよう。私は人として、間違った選択をしようとしている。時間をかけて、流星には、入籍出来ない事を解って貰わなくちゃ。


    事実婚で秋子さんを欺くのは辛い、でも、本当の事を告げて、秋子さんを傷付けたくない。私を恨むだけならまだいい…だけど明子さんが、正輝や両親、流星の事も憎くなってしまったら嫌だから。


    「二階に着きました」綱島さんの声がして、ハッと顔を上げた。


    そして私は、私を負ぶったままエレベーターを降りようとする流星を止めた。


    「待って、流星。ここから歩くわ。ありがとう。あなたは一階でしょう?」


    「痛むんだろ?歩くの無理だって」


    「大丈夫よ。降ろして」


    つっ…!足首に走った鋭い痛みに輝美は顔を顰めたが、声は上げずに我慢した。


    「すみません加集さん、肩を貸して下さい」


    「はい」


    「……」流星が一歩後ろに下がった。


    私が加集さんの右肩に掴まると、綿雪さんが私の右側に回り込んで、バッグを持ってくれた。


    二階のフロアに降りると、振り返れないまま、背後でエレベーターの扉が閉まったのは判った。その後、一階に下りて行ったか総務のある三階に上って行ったか判らない。


    多分、一階…綱島さんなら流星を優先しそう。加集さんと綿雪さんもそうだけど、綱島さんにも時間を取らせてしまって、申し訳なかったわ。


    そして、結婚について、誰にも反対されなかった。ううん…いくら周囲に反対されなかったとしたって、喜べない。


    秋子さんは、絶対に賛成してくれない…それを良いとも悪いとも思わない。


    私と流星の結婚は…少しも簡単ではない。


    足の痛みより鋭く刺さる胸の痛みに輝美の心はどんよりと曇り、指輪を嵌めた指を見るのも辛くなってしまった。




    ※続きはこちら mecuru「近男 -Kindan-」(R-18)
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    *乙女ですって 相関図*

    *近男 登場人物紹介*

    *SとS 家系図*

    *恋愛小説 官能小説 作品一覧
    +覚書 2017.2*

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