近男 -Kindan- 78 - sazanamiの物語
    コンテントヘッダー

    近男 -Kindan- 78

    にほんブログ村 トラコミュ 小説同盟へ
    小説同盟




    『私は、あなたを愛して、あなたから愛されたい』


    ずっと好きで、俺だけを見て欲しいと願った女が俺の腕の中でそう告げて目を閉じた。


    ソファーに座った姿勢で俺の胸に頬を寄せ、力の抜けた体を預けて安心しきっている様子をこの目で見ているのは、夢のよう、だけど夢じゃない。


    この腕に確かにかかる重みと体温で現実だという意識を保つ。


    風呂上がりの髪からは、俺とは違う香りを漂わせ、カーディガンを羽織ったパジャマの襟元から覗かせている首筋は白くて、唇に滑らかなことはよく知っている。


    輝美の閉じた瞼の下の頬がほんのり赤い。飲んだのはただの炭酸水。今夜はシャワーだからのぼせたってことは無い、なのに頬が赤い。それは俺を好きだから・・・なんて。


    輝美に対して自惚れられる日が来ることは無いかもしれないと諦め始めていた。


    それなのに、輝美も俺を意識していた、らしい・・・まだ信じられない節(ふし)があるけれど。


    俺の左腕に、輝美のやわらかな胸のふくらみが当たっている。


    通勤スーツを着ると、さほど目立たなくなる輝美の胸。


    でも、脱ぐとデカイ。何カップって言うんだろう?


    アンダーは細いのに、トップがボヨン、下に向かって丸くてやわらかい。


    しかも敏感に反応する。日によるけれど、生理前とかに弄ると、かなり乱れる。


    ああ、くにゃって、このやわらかな感触、堪らない。じわじわ、アソコに響く。


    血が集まって、硬くなって、はぁはぁ、と腹に溜まった熱い息を綺麗に吐き出したくなる。


    はぁはぁ・・・


    輝美は怪我してるのに、今夜も抱くとかナシだよな。お互い裸になった風呂場でだって自制出来たんだから、パジャマの今の方が我慢出来る筈だ。


    そうだよ、俺だって連日、連発じゃ枯れる。


    でもさ・・・やっと俺のものになった女を抱かずに居られない。


    結婚まであと一押し。


    セックス好きな輝美をセックスで繋いでおこうなんて浅はかな考えじゃ、長続きしないかもしれないけど、


    それでも俺は、何とか入籍して、例え輝美が俺を嫌いになったとしても、俺の妻で居てくれたら、他の男と結婚をしそうでない輝美を、俺が夫として守って行ける。


    初めてここへ来た日には、まさか輝美に惚れるなんて思っても見なかった。


    でも、輝美と暮らす内、俺の居場所は輝美の傍に作りたいと思った。


    伯母と甥、その関係でも輝美は俺を傍に置いていてくれることが判った。


    ・・・と、いうか、輝美は絶対俺を男として見ない、勝手に絶望して、勝手にこの家を出て、他の女と恋愛しようと思って頑張った。


    けど・・・結局、俺の恋愛はもう、輝美に始められ、輝美で終わらされる運命だった。


    他の恋愛って何だよ。俺の恋愛は一つしかなかった。


    結局、輝美以外の女に対して抱く感情を、恋とか愛だと思えなかった。


    セックスもそう。


    経験少ない方だけど、輝美とのセックスが最上。


    それ以上はないし、それ以下は要らない。


    年上だとか、伯母だとか、輝美が悩んで苦しんでることを、俺はもう随分前から考えて、足掻いて、結局ここに戻って来るしかなかった。


    俺は今、今まで生きて来た中で、一番のしあわせを感じているんだ。


    輝美と結婚したら、これ以上のしあわせがやって来る。


    俺と輝美と二人のしあわせ、そして、子どもが生まれたら、三人、四人と増えて行く。


    大きくした一つの気持ちをみんなで分かち合って、この安らぐ時間がずっと続いて行く。


    輝美となら、ずっと続くと信じられる。


    セックスもずっと・・・あー、ヤりたい。


    熱くてやわらかい輝美のナカをナマで犯したい。ゴクリ。


    「・・・輝美?」


    「すー、すー、すー・・・」


    輝美は寝息を立てていた。


    目尻を少し涙で濡らして。


    「ほんと・・・かわいいひとだ。」


    流星は輝美の目の端に、そうっと唇を寄せ、輝美の涙にくちづけた。


    あなたの熱も涙もすべて愛おしい。


    女の人は長生きだっていうから、俺より長く生きてよ。


    じいさんになった俺が逝く時、ばあさんになった輝美はシワシワの手でヨボヨボの俺の手を握っていて。


    嘘でもいいから涙なんか浮かべてくれたら、俺はワハハと笑って逝くからさ。


    その時、輝美と夫婦になれて良かったなぁって、思いたいんだよなぁ。


    あー、やっぱり入籍は必須。


    おふくろや正輝、おじいちゃんおばあちゃんに何と言われようが、俺は輝美と結婚する。


    だって俺の人生だし、輝美の人生なんだ。


    大切なのは、俺の気持ち、そして輝美の気持ち。


    輝美が俺と結婚してもいいと思ってくれているのなら、


    俺は世界中を敵に回しても、輝美と結婚して、輝美を守る。


    「俺も、あなたを愛して、あなたから愛されたい。」


    本当にそう思っているけど、声にしてみたら、すげー恥ずかしかった。


    輝美も、すげー恥ずかしかったんだろうなと思ったら、それだけ俺のこと、想ってくれてるんだと解って、すげー嬉しくなった。


    「う・・・ん・・・」


    輝美の漏らした声で我に返った流星は、急に照れに襲われ、ふふっと笑うと、眠った輝美をそっと抱き上げ、ベッドまで運んだ。


    とさっ。ベッドに降ろしても、輝美は目を醒まさなかった。


    不自由な足で、きっといつも以上に疲れたんだな。


    抱きたいけど、輝美の足が治ってからでいいや。


    「おやすみ。」


    毎晩おやすみを言って、毎朝おはようを言える。


    いただきますとごちそうさま、いってきますといってらっしゃい、

    あなたと、これから何回交わせるだろう。


    毎日毎日、口にする度に、感動は薄れて行くかもしれない。


    そして確実に減って行く。あと何回だろう―――あなたとこうやって挨拶を交わし、あと何日、何時間、何分、何秒、あなたと一緒に過ごせるのか。


    これからもっと愛を深めて、離れなくてはならなくなった頃に、減って行く残り時間を考えて怯える日が来るかもしれない。


    だからこそ、今なんだ。


    一秒でも早くあなたから離れなくてもいい契約を結んで、あなたの心が変わっても、俺はあなたから離れないで居られるように。


    リビングに戻り、後片付けをしながら流星は呟いた。


    「あーあ、早く俺の望む”塩谷”になりたい。正輝の所為(せい)でなった”塩谷”じゃなくて、輝美の婿の”塩谷”になりたいよ。」


    ふんふーん、かわいいおムコさーん、と自作の鼻歌を歌いながら、片付け終えたリビングとキッチンの灯かりを消した流星は、輝美の眠るベッドへ向かった。


    関連記事

    テーマ : R18要素あり恋愛小説
    ジャンル : 小説・文学

    プロフィール

    碧井 漪

    Author:碧井 漪
    絵師 西洋蔦(ib)さんと共に更新中


    作品の著作権は
    sazanami&ibにあります。
    無断転載は禁止しています。



    ☆総合目次☆

    *乙女ですって 相関図*

    *近男 登場人物紹介*

    *SとS 家系図*

    *恋愛小説 官能小説 作品一覧
    +覚書 2017.2*

    応援バナー
    ご訪問ありがとうございます
    にほんブログ村テーマ 恋愛小説(オリジナル)へ
    恋愛小説(オリジナル) にほんブログ村テーマ イラスト・まんが・挿絵・デザインへ
    イラスト・まんが・挿絵・デザイン
    blogramによるブログ分析
    blogramランキング参加中!
    ↑当ブログ成分が
    解き明かされています(//∇//)





    2014.10.16設置



    最新記事
    検索フォーム
    全記事表示リンク

    全ての記事を表示する

    アクセスカウンター2012.6.28~
    ご訪問ありがとうございます
    現在の閲覧者数:
    リンク
    最新コメント
    カテゴリ
    月別アーカイブ