sazanamiの物語
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    乙女ですって 249 (R-18) ヒニン


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    はぁ・・・と玄関の上がり口から立ち上がった木南は、イマイチ、トイレ長いわねとトイレのドアを見た。小窓の灯かりは消えている。いつ出たの?


    カチャン、カチャ。


    キッチンから音がした。覗くと、イマイチが勝手にコーヒーを淹れていた。


    「何してんの?」人んちのキッチンで。


    「コーヒー、貰った。飲む?インスタントだけど。」


    悪かったわね、インスタントで。


    マグは二つ。誰かの結婚式の引き出物のブランドペアマグ。パステルピンクとパステルブルー。


    「要らない。」


    木南は冷蔵庫から発泡酒を出して、カコッ、蓋を開けると、一気に半分呷った。


    「いい飲みっぷり。」


    そう言って、イマイチはコーヒーをぐびり。


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    そうそうない 114 205年12月31日のこと(4)


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    年が明けたら、数えで46になる僕だけど、未だ知らない事が沢山ある。


    ただし、それを全て知って行く事は不可能な事だと思って居た。知らないまま終わる事が大半だと。


    でも、日々生きて居れば、一つ一つ、僕には縁が無い事だろうと考えていた事にも出逢う事があると知れた年だった。


    ───今朝もこうして、目が醒めても布団の中でぼんやりしていた僕。早起きが苦手なのではない。朝、血圧が上がり難い体質というだけ。


    さあ、決意も新たにした事で、そろそろ起きようと思ったけれど、しまった、と暖房を点けておかなかった事に気付いた。タイマーを設定してあるが、その時刻よりも前だから、部屋の中は寒い。


    この家の真冬の寒さは、ただ寒いというレベルではない。布団も暖房も無しで眠ったら、凍死する・・・かもしれない。


    そんな訳で、僕は布団に包まったまま、美和との布団の間にあるエアコンのリモコンに手を伸ばすと、届いた僕の指先に、何か乗っかった。


    ん、何だ?と見ると「おはよ。早起きさん。」美和が僕と同じく布団の中から手を伸ばして、リモコンを取ろうとしていた。


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    そうそうない 113 2015年12月31日のこと(3)


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    反射的に公園の入口を見ると、黒い傘を差した大柄の男が近付いて来る。


    あの傘───


    ふっと上げた傘の下から顔を覗かせたのは、わーさんだった。


    どうしてここに。


    僕は立ち上がった。


    「元!」


    「わーさん、どうして・・・」


    「馬鹿野郎!どうしてじゃねぇ!」


    彼が怒っているのは、普段使わない言葉を吐いた事ですぐに分かった。


    「どれだけ心配させれば気が済むんだよ!」


    僕の肩に傘を載せたわーさんは、空いた両手で僕を抱き締めた。


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    そうそうない 112 2015年12月31日のこと(2)


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    「癌だって。」


    え?何が?誰が?───わーさんが?


    「でも、薬は、手術は?志歩理みたいに手術して、今は癌でも治るでしょう?」


    僕は期待を込めて顔を上げた。


    だけど、少し残念そうに微笑んだ彼の口から、


    「いや、末期で、手術しても意味ないって。余命宣告された。」と聞かされた。


    "余命宣告"?嘘でしょ?嘘だって言って。


    認めたくないのに、立って居る僕の両膝がガクガク震え出した。


    「その病院がおかしいんだよ。もっと他の、大きな病院で調べてみた方がいいよ。」


    「うん・・・でも、治らないみたいだ。」


    彼は多分僕より穏やかな顔をしていた。


    余命宣告を受けた時、どうだったのだろう。


    僕みたいに立って居られず、床に崩れ落ちたりしたのかな。


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    そうそうない 111 2015年12月31日のこと(1)


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    2015年最後の日・・・とは言っても、明日、年が明けても僕らの日常は変わらない。


    昨年の大晦日と大きく変わった所は、"僕"ではなく"僕ら"になったと言う所か。


    しかし、結婚した訳でも恋人を作った訳でも、ましてや子どもを産んだ訳でもない。


    わーさんの一周忌前日にこの家を訪ねて以来、住み着いた女。


    彼女は僕の二十年来の友人である志歩理の会社に勤めていたらしい。それは僕が志歩理の会社を退職してからの話だそうだけれど。


    直接会った事は無かった。ただ、志歩理がどう話したのか、同じ同性愛者である僕に興味を持ってしまったと考える。


    彼女も初めて好きになった相手が同性で、それは誰なのか明かしてはくれないけれど、僕としては、志歩理である可能性を捨て切れずに居る。

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    暁と星 83 恋なら間に合ってます


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    カツコツカツコツ、長い廊下に響くのは、枝野の足音だけだった。


    励さんは追い掛けて来ない。良かった───のかな、これで。


    あんな風に告白するなんて、考えた事も無かった。まだ信じられない。一生言うつもりなんて無かったのに。


    振り向きたくても振り向く勇気が出ない枝野は、そのまま作業室に入った途端、ふーっ、と息を吐き、肩を落とした。


    モップとバケツを洗って、道具入れにしまった。


    「シャワー浴びて、寝よう。」


    いつも吐かない独り言が、枝野の口からつい出てしまったのは、恥ずかしい告白をしてしまったからだった。


    作業室から出た枝野は、隣接する使用人の使うバスルームへ入った。


    扉に掛ける札を使用中にして、内側から鍵を掛ける。入室から退室まで、原則一人15分以内。二人以上の同時利用で、浴槽を使用する事も出来る。今の時刻は空いていた。皆、食事も風呂も済ませ、自室でのんびりしている頃だ。

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    縺曖 252


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    「それ?さっき学校のお友達が来て、『伸長くんに渡して下さい』って。ずぶ濡れだったから、『上がって』って言ったんだけど、『いいです』って走って行っちゃった。」


    じゃがいもの皮を剥き終わった母は、手を洗い、濡れた手をエプロンで拭った。


    「ずぶ濡れって、どれくらい?」


    「伸長より濡れて居たわよ。傘は持ってたみたいだけど・・・」


    「え───」


    「急いでいたのかしらね。大丈夫かしら、風邪引かないといいけれど。」


    窓の外を見ると、依然として雨は降り続き、だんだんと暗くもなって来ていた。


    伸長は、ずぶ濡れで帰ったと言う皇の事が心配になった。

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    プロフィール

    碧井 漪

    Author:碧井 漪
    絵師 西洋蔦(ib)さんと共に更新中


    作品の著作権は
    sazanami&ibにあります。
    無断転載は禁止しています。



    ☆総合目次☆

    *乙女ですって 相関図*

    *近男 登場人物紹介*

    *SとS 家系図*

    *恋愛小説 官能小説 作品一覧
    +覚書 2017.2*

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    2014.10.16設置



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