sazanamiの物語
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    縺曖 256


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    驚いたイサダさんの顔をじっと見てしまうと、イサダさんは困ったように僕から視線を逸らし、

    「先輩、あの、藤野くんは今日はお休みです。」と言った。

    「えっ?お休みってどうして?」

    「さっきメールで訊ねたら、『熱が出たから』だそうです。」

    「えっ!」自分でも驚く程の大きな声が出てしまった。

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    そうそうない 206 2016年2月15日のこと(9)


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    『元、ごめんなさい』

    えっ?何だ?いきなり。僕はヒヤリとしながら、口を開いた。

    「何かあったの?」

    実家に行ったら誰も居なかったとか?まさか乗って居たバスが事故に遭ったとか・・・

    『無事、着いたかな・・・って』

    「え?」

    『携帯にかけたけど、出なかったから。おうちに電話しちゃってごめんなさい』

    「あ、ごめん、出られなくて。」

    携帯電話は上着の内ポケットの中だ。

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    そうそうない 205 2016年2月15日のこと(8)


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    食後の洗い物は、何とか僕にさせて貰った。

    その間、父はお茶を淹れ、母は薬を飲んだ。

    濡れた手をタオルで拭いて居ると、「美和ちゃんと喧嘩してない?」と唐突に母が訊いた。

    喧嘩したから家出した、などと思ったのだろうか。誤解だ。

    「してないよ。こっちに来たのは、志歩理の会社手伝う為。」

    座ってと促され、僕のと思われる熱いお茶の入った湯呑みの前に腰を下ろすと、入れ替わりに父が立ち上がり、戸棚をゴソゴソ漁り始めた。

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    そうそうない 204 2016年2月15日のこと(7)


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    しかし、父さんはいつからそんなに疑り深くなったのか。

    "やっぱり"じゃないよ。鼻の頭がすっかり冷えて、くしゃみが出そうだ。

    消灯したスマートフォンを上着のポケットに入れると同時に、パッと門灯が点いて、暗さに慣れた僕の目が眩んだ。

    ガチャ、ガチャン。

    玄関の鍵に続いてドアが開き、父が出て来た。

    「何故来たんだ。」

    随分だな。

    「用事があって。」

    ガチャッ、父が門を開けた。

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    暁と星 100 暁と星(最終話)


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    「風邪引くよ、星良。」

    夜明け前、バルコニーに出た暁良は、ガウンを羽織って空を見上げている星良の後ろ姿に声を掛けた。

    「うん・・・」

    そう返事をしても、星良は振り向かず、消えそうな星をただ見つめていた。

    「もう少しで夜が明けるね。」暁良は星良と並び、その細い体を抱き寄せた。

    「あなたの時間ね。」星良は暁良の腕の中で、暁良の胸に頬を寄せた。

    「二人の時間だよ。今は。ほら、星と暁が出逢う時。星良の好きな瞬間。」

    「ええ。私、この瞬間が一番好きなの。」

    「暁の王子と星の姫が出逢える時刻だから?」

    「ほんの一瞬でも、二人にとっては何より大切で、永久に失いたくない瞬間なのよ。」

    「そうだね。」

    「私達は贅沢ね。毎日一緒に永い時を過ごせるのだもの。」

    「永いかな。僕は足りない。もっともっと星良と一緒に過ごす時間が欲しい。」

    暁良が星良の顔を覗き込みながら微笑むと、「欲張りねぇ。」と星良は暁良の頬に指先を伸ばした。

    「ほら、冷たいよ、星良。また熱を出したらいけないから───」

    「もう少しだけ。今日は良く晴れて、だけど雲の形も綺麗なの。ほら見て暁良。」

    「うん・・・」

    「私がいなくなっても、きっと暁良を見守っているから。寂しくならないでね。」

    「分かってる。」

    「あの星がいいかしら、それともあの星?どっちが暁良をよく見えるかしら?」

    「どちらでもいいよ。僕は星良を探して、必ず傍に行くから。」

    「ふふ、そうね。待っているわ、暁の王子さま。」

    「はい、星の姫。」

    「ふふふ、恥ずかしい。私達、もうそんな年ではないのにね。」

    「そうは言っても、星良はいつまでも僕の"星の姫"で───」

    「暁良はいつまでも私の"暁の王子さま"ね。」

    「そういう事。」

    「おばあさまの作った『暁と星』はハッピーエンドではなかったのよね?」

    「本当にそうなのかな。」

    「だって、暁の王子は、空の上から消えてしまった星の姫を探して旅に出ておしまいでしょう?」

    「おばあさまは多分、傍にいられなくても、愛している事を伝えたかったのだと思うよ。住む世界が分かれて、それでも消せない想いがずっと続く事を忘れて欲しくないと、物語に込めたんだと思う。」

    「暁良は、おばあさまの叶わなかった恋のお話ではなく、ずっと続く愛の話だと思うの?」

    「物語の感じ方は人それぞれ。僕は、おばあさまがどんな思いをこの物語に込めたのかと、想像する事しか出来ないから。」

    「並川さんが言っていたような、交わらない二人の悲しい恋物語では無かったのね。」

    「僕はそうではないと思っているよ。僕がふたりの運命は繋がっていると思えたのは、多分・・・」

    「多分?なあに?」

    「続きはベッドに戻ってから。」

    「うん。」


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    そうそうない 203 2016年2月15日のこと(6)

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    「すみません、本当に僕の我が儘を聞いて下さってありがとうございます。」

    そう言って、彼はグスッと洟を啜った。

    僕は気付かない振りをして、缶コーヒーを飲み干すと立ち上がった。

    男が男の前で涙を見せるのは、よっぽどの事だと僕は思う。

    我が儘なんて思わなくていい。志歩理を想って、そして自分でもどうしようもなくてのSOSなのだから。

    「それじゃあ、僕はこれで。コーヒーご馳走さまでした。」

    「あ・・・ありがとうございました!」

    僕は敢えて振り返らず、向かった階段脇の自動販売機の隣に設置されたゴミ箱に空き缶を捨てた。

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    そうそうない 202 2016年2月15日のこと(5)

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    「確かに、ご主人に呼ばれたけれど、それだけでは来ない。僕は志歩理を親友だと思っているから来たんだ。もし、僕に頼りたくない、そう思うなら、僕と絶交すればいい。」

    「・・・あなた、狡いわよね。昔から変わらない。勝てないわ。」

    「別に、負かそうとは思ってないけど?」

    「普段やさしいくせに、そういう所、厳しいわよね。敵わないわよ、もう!」

    志歩理は観念したらしい。

    「明日から出社するけど、いい?」

    「どうぞお好きに。私をクビにしたいならそれでもいいわよ。」

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    プロフィール

    碧井 漪

    Author:碧井 漪
    絵師 西洋蔦(ib)さんと共に更新中


    作品の著作権は
    sazanami&ibにあります。
    無断転載は禁止しています。



    ☆総合目次☆

    *乙女ですって 相関図*

    *近男 登場人物紹介*

    *SとS 家系図*

    *恋愛小説 官能小説 作品一覧
    +覚書 2017.2*

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    2014.10.16設置



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